そうは言っても、なかなか上手な画面を捉えるのは難しいものです。そこで本稿では、敢えて写真の基礎知識をおさらいして「手軽にそれっぽく」撮るための知識を年末年始特集としてお届けします。
最も手軽な手法「構図」を抑えよう!
理論や知識が大事なのはわかる!──ですがまずは間違いないパターンを抑えましょう。そのひとつが構図です。もちろん全てが解決する訳ではありませんが、これがけっこう強力なんです。
◆三分割法
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この画像は『アサシン クリード オリジンズ』のフォトモードで撮影する際の画面です。画面をタテ・ヨコで三分割にするラインが引かれています。このラインに沿って写したい対象を配置すると、これだけで「それっぽさ」がグッと向上するんです。
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例えば水平線を上のラインに沿わせます。この写真では海面に反射する陽光を右のラインに合わせ、船を左下の交点に配置しました。筆者はまず考えずに「三分割法」のラインへひとまず合わせるクセがあります。実際のデジカメでもこんなガイドラインを出す機能がありますね。
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こちらは敢えて「三分割法」を外した構図です。いかがでしょうか?自然な写りという意味では「三分割法」に則った方がそれっぽい写真に見えます。もちろんこれが間違いということではありません。
「三分割法」以外にも基本的なパターンとなる様々な構図が存在します。解説しているサイトはたくさん見つかりますので、それぞれの構図の強みと共に、いくつか抑えてみましょう!
「ボケ」で空間を表現しよう!
実際のカメラでは「絞り」と「シャッタースピード」で様々なボケを演出できます。しかし、本格的なカメラの経験がない人にはこの二つの言葉は直観的ではないですよね。
そこで筆者がかつて友人から勧められたのはニコン公式サイトにある「デジタル一眼レフカメラの基礎知識」でした。カメラの構造や基礎知識がわかりやすく図解されているのでオススメです。
ボケは英語で「Bokeh」とも表現します。そうです!日本語のボケがそのまま広まったとされています。最新のiPhoneが発表された場でもスライドに掲げられていましたね。
このボケをうまく活用すると、平面的であるはずの写真に立体感を与えられます。また手法によっては対象物のスピード感まで表現できるのです。
「絞り」は遠近感とテーマを引き立てる
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『Forza Horizon 4』のフォトモードには「絞り」という項目があります。その他のゲームでは直接「絞り」となっていない場合がありますが、要するに手前もしくは背景をボケさせる程度を調整できる項目です。
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一体何を「絞る」のでしょうか。答えは上の画像です。レンズのすぐ奥には絞りと呼ばれる部品があります。筆者はこの部分をシャッターだと思い込んでいたのですが、まったく異なるものです。
撮影する瞬間に、この絞りが設定に応じて閉じるという構造です。画像の左側のようにして、閉じる度合いが大きいほど「絞りが大きい」と言います。絞りはF値とも言われ、絞りが大きい=F値が大きい、という関係です。ぞうきんを力強く絞ればF値が大きい、と覚えてみてはいかがでしょうか。
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さて、大きく絞った状態(F値を大きくし)で撮影するとレンズを通る光の角度が鋭くなります。これにより、撮影者から見て手前から奥まで「ボケる範囲が少なくなる=全体的にボケのない写真」となります。
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絞らずに(F値を小さくし)撮影すると、レンズを通る光の角度は広がります。すると「ある一点だけピントが合っている」ような写真となります。このように、撮影者から見てボケる範囲がどれだけあるかを「被写界深度」と呼びます。(この写真ではフォルクスワーゲンのロゴにフォーカスを合わせています)
まとめると「絞りが大きい=被写界深度が深い=ボケが少ない」「絞りが小さい=被写界深度が浅い=ボケが多い」となります。
実際のカメラでは「絞るとレンズを通る光の量が減る」ので、どんどん暗い写真になります。ゲームのフォトモードではカメラの構造を無視できるので、単純に「ボケが多いか少ないか」だけ考えれば良いことになります。
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こちらは絞りを小さくして背景にボケを与えた写真です。遠近感があり、車の存在感が増していますね。これだけでもそれっぽいのですが、もっとテーマをハッキリさせたい場合はどうしたら良いでしょうか?
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手前に植物をすこし写してみました。車にフォーカスを当ててあれば、植物もボケて写ります。これでも、前者の写真よりもボケを抑え気味にしているのです。いかがでしょうか?背景のボケは抑え気味ですが、手前に植物があることで空間を強く感じる写真となりました。
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植物をテーマにしたければ、カメラをずらして植物へフォーカスすれば、車はむしろ空間を演出する形でボケてくれます。このように、絞りを活用すれば写真にテーマを与えられるのです。
「シャッタースピード」は動きを演出できる
「シャッタースピード」も直感的ではない言葉です。レンズの奥にある絞りよりも更に奥には、シャッターと呼ばれる部品が光のセンサーを覆う形で存在します。
撮影する瞬間にこのシャッターが開くことで、センサーに光が入り写真としてデータ化できます。シャッタースピードとは、この「シャッターを開け続ける時間」を意味します。パシャッ!という音は、シャッターの開閉する音なのです。
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『Forza Horizon 4』ではシャッタースピードを設定することで、車が走っている感じを演出できます。
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カメラにおいてはシャッタースピードを長く(遅く)する(シャッターを開けている時間が長い)ほど、被写体がブレていきます。
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逆にシャッタースピードを短く(早く)する(シャッターを開けている時間が短い)ほど、被写体は止まって見えます。
現実のカメラでは、センサーに長く光が当たってしまうと、その間に動いたものが全て反映されてしまい、結果としてブレた映像となります。人物の顔などをハッキリと写したければ、明るい場所でシャッタースピードを短くする方が良いでしょう。
しかし、ことスピード感の表現という意味では「ブレ」が大きな味方となります。車を中央に捉え続けながら撮影することで、路面を進行方向にブレさせ、走行感のある画面を残せます。
『Forza Horizon 4』内ではそうした技術は必要なく、フォトモードの中でどの程度のシャッタースピードで撮影したのかを疑似的に調節できます。上記の画像のように、シャッタースピードを調節すると高速で動いている物体がブレるのです。
全てを組み合わせよう
ひとつだけでも強力な手法ですので、ぜひ「構図」「絞り」「シャッタースピード」を組み合わせて様々な角度から試してみてください。
筆者が担当したゲームのプレイレポやレビューで用意している画像は、ほとんど自分で撮影しています。昔からカメラの趣味を持っていた訳ではありませんので、基本的には本稿で紹介した内容に基づいて写真を選んでいます。
これまでの記事で使用した写真や、筆者お気に入りの写真ををいくつか紹介致します。本稿で紹介した内容以外のポイントもキャプションで付記しますので、皆様のご参考になれば幸いです。
また、読者の皆様による「こんなフォトモードの活用法があるぞ!」なんていうコメントもお待ちしております!
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