
お正月も終わりましたが、年始と言えばみんなでボードゲームが定番。対戦相手がそばにいなくても、デジタルゲームならばネット対戦やAI対戦もあります。そんな年明けにじっくり楽しみたいSteamの人気ボードゲーム20選をお届けします。すごろく系、みんなでワイワイ系、1vs1系、カードゲーム系(TCG/CCGは除く。トランプのようにそのセットだけで完結するもの)、ストラテジー系の、5つのジャンルに分けての紹介です。
すごろく系
『Tokaido』―観光旅行を楽しんだ人の勝ち!

タイトルどおり、東海道を旅するすごろくゲームです。日本のゲームのように思われるかもしれませんが、開発したのはフランス人ボードゲームデザイナーで親日家でもあるアントワーヌ・ボザ氏。できるだけ多くのコマに止まって観光や買い物をし、一番最後に勝利点が高かったプレイヤー、つまりもっとも観光を楽しんだプレイヤーの勝ちです。本作の特徴は、サイコロをいっさい使わないという点。運要素は低く、読みと戦略が重要になってきます。勝利点を得るために何を捨てて何を得るか、年明け早々頭を使ったプレイを強いられることになるでしょう。
(製品情報:定価1,010円、日本語あり、Steamページ)
『Gremlins, Inc.』―「卑怯」は誉め言葉

スチームパンクの世界でグレムリンたちが繰り広げる権力争い。勝利点を得るためには汚職や賄賂、果ては悪魔との契約も辞さないダークな戦いが展開されます。ゲーム開始時に様々な効果のあるカードがプレイヤーに6枚配られ、毎ターン1枚捨てることによってカード左上に書いてある数だけ進むことができます。そのため、どれを捨ててどれをキープするかの選択が重要です。気に入らないプレイヤーを陥れたり刑務所に放りこんだりと、潰し潰されのゲーム展開。2019年の初の友情崩壊にはお気を付けを。
(製品情報:定価1,680円、日本語あり、Steamページ)
『100% Orange Juice』―可愛いキャラクターで殴り合い

同人サークル橙汁の手がけたデジタルボードゲーム。サイコロを振ってモノポリーのように盤上をぐるぐると周回しながら星やカードを集め、ノルマを先に一定数達成したプレイヤーの勝ち。他のプレイヤーと同じコマに止まるとバトルが発生します。相手を倒した回数もノルマに含まれているので、隙あらば殴ってやりましょう。前述の2作に比べると、運要素がかなり高いゲームです。負けても「運が悪かった」と気楽に構えるのが精神衛生上いいかと思います。
(製品情報:定価698円、日本語あり、Steamページ)
『Talisman』―ボリューム満点の大型ファンタジーボードゲーム

ボードゲーム版の邦題は「タリスマン:支配の王冠と危険な探索」。ファンタジー世界が舞台の盤面周回すごろく(逆回りも可)。止まったマスでカードを引き、アイテムを手に入れたりモンスター相手に戦ったりしながらキャラクターを強化し、最後に盤面中央にたどり着くことが目的です(勝利条件はカスタム可)。実物は準備が大変で1ゲームに結構時間がかかるため、それが手軽に遊べるのは嬉しいところ。DLCによる拡張も多数配信されています。日本語はありませんが、カードや盤面に書かれた簡単な英語が読めればプレイ自体は問題ないかと思います。
(製品情報:定価720円、英語など4カ国語(日本語なし)、Steamページ)
みんなでワイワイ系
『Carcassonne』―マルチ対戦の定番ボードゲーム

ボードゲーム版の邦題は「カルカソンヌ」。カルカソンヌはフランス南部にある町で、歴史的には堅固な城塞都市として知られています。プレイヤーは自分の番にタイルを1枚つなげ、城塞都市になりそうなところや道がつながりそうなところなどにコマを置き、それらが完成したときにスコアを得ることができます。置けるコマの数には限りがあるので、どこに置くかはよく考えましょう。慣れてきたら、あとどんなタイルが山札に残っているのかを考えてプレイすると勝ちやすくなります。DLCによる拡張も多数配信中です。
(製品情報:定価1,010円、日本語あり、Steamページ)
『Istanbul』―ルビーを集めて豪商をめざせ

ボードゲーム版の邦題は「イスタンブール」。主人公は商人となり、4人の助手を引き連れて盤面を移動しながら取り引きをし、最終的にルビーを所定数集めたプレイヤーの勝ち。盤面は上下左右2マスまで自由に移動することができます。取り引きなどをしたい場合は、そのマスに助手を置かなくてはなりません。助手が足りなくなったら回収する必要があります。また、ルビーはいずれかのプレイヤーが取得するたびに次の取得コストが上昇。いかに少ない行動回数で目的を達成するかが重要になるゲームです。
(製品情報:定価1,010円、日本語あり、Steamページ)
『Splendor』―中毒性のある宝石集めゲーム

ボードゲーム版の邦題は「宝石の煌き」。宝石を収集しながら先に所定の勝利点に到達したプレイヤーの勝利。このゲームの面白さは宝石で宝石を手に入れるというシステム。一度獲得した宝石は使っても減らないので、その増えた宝石でまた宝石を獲得し……と雪だるま式に宝石を増やせること。これがプレイしていて気持ちよく、勝っても負けても「あと1ゲーム」といった中毒状態に。日本語はありませんがそもそも非言語ゲームなので、ルールさえ分かっていれば遊ぶことができます。
(製品情報:定価980円、英語など3カ国語(日本語なし)、Steamページ)
『Ticket to Ride』―線路をつなげて鉄道王を目指せ!

ボードゲーム版の邦題は「チケット・トゥ・ライド」。プレイヤーはゲーム開始時に、どこからどこまで線路をつなげるかの目的カードを渡され(ゲーム中に得ることもできます)、それを達成することでスコアを得ることができます。2つの駅の距離が長ければ長いほど、達成したときに得られるスコアは高くなります。ただし駅間の線路は1本、または2本までしか引けませんので、距離が長ければ長いほど他のプレイヤーに妨害される確率は増えていきます。さらに目的カードは達成できないとマイナス点になってしまうため、「とりあえず目的カードをたくさん取っておけ」という戦略は使えません。短距離で目的達成して数でスコアを稼ぐか、長距離でドカンと一発当てるかの判断が問われるゲームです。日本語はありませんが、こちらも非言語ゲームなのでルールが分かれば問題ないかと思います。
(製品情報:定価980円、英語など4カ国語(日本語なし)、Steamページ)
『Armello』―王座を狙う動物たちの争い

可愛い動物たちが王座を狙って殺し合うデジタルボードゲーム。デジタルゲーム色が強い部分もあるため今回20選に入れるべきか迷いましたが、Steamでの知名度とみんなでワイワイ遊べるという点から採用しました。物語もなかなか濃厚で、「動物版ゲーム・オブ・スローンズ」などとも呼ばれています。プレイヤーはウサギや熊など能力に特徴ある動物の中から1人(1匹?)を選択し、目的達成のために盤面を自由に散策します。装備を調えたりなどのRPG要素やカードゲーム要素もあり、デジタルならではの濃厚なプレイ体験を味わうことができるでしょう。
(製品情報:定価1,980円、日本語あり、Steamページ)
1vs1系
『Agricola: All Creatures Big and Small』―センスの問われる牧場経営ゲーム

ボードゲーム版の邦題は「アグリコラ: 牧場の動物たち」。「アグリコラ」というドイツの有名な農場経営ボードゲームがあり、これはそのルールを簡易化して牧場経営に焦点を当て、2人プレイにしたもの。そのため「フタリコラ」などとも呼ばれています。資材を集めて牧場を拡大したり、ブタや羊などの家畜を増やしたりして、最後に勝利点の高いプレイヤーが勝ち。牧場の囲いの配置など、デザインセンスを問われる部分もあり、なかなかにユニークな対戦ゲームです。
(製品情報:定価980円、日本語あり、Steamページ)
『Blood Bowl 2』―ルール無用のアメリカンフットボール

「Warhammer」の世界観とアメフトを融合させた対戦型ボードゲーム。プレイヤーはエルフやドワーフ、ゴブリンなどファンタジー世界の住人たちによるチームを選択し、ボールを相手の陣営まで運んでスコアを取っていきます。選手の成長などRPG要素や、チーム運営のマネジメント要素もあります。ルールはあるようで無く、とにかくボールを相手陣営まで運べばいいので、相手を殴ろうがなにしようがお好きなように。ジャッジに賄賂を渡して反則を見逃してもらったり、魔法使いに観客席から攻撃してもらったりといったことも。実物では大変な数々の処理も、デジタル版なら一瞬でやってくれます。日本語なしですが、ルール把握と名詞をいくつか覚えればプレイ自体には問題ないかと思います。
(製品情報:定価2,680円、英語など4カ国語(日本語なし)、Steamページ)
『Twilight Struggle』―冷戦を舞台にした米ソの戦い

ボードゲーム版の邦題は「トワイライト・ストラグル」。冷戦時の米ソ対立をモチーフにした対戦型ウォーストラテジーです。世界各地に自国の影響力を置いたり、宇宙開発をしたりして、先に勝利点20点を獲得したプレイヤーの勝ち。相手の影響力のある地域でクーデターを起こしたり、カード効果で地域支配をひっくり返したりなど、様々な戦略が使えます。一見複雑そうですが、遊び方が分かればそれほど難しくはありません。むしろ複雑な内容をこれだけ簡易化できたことに驚きです。ちなみにゲーム前半はソ連、後半はアメリカが強くなるという非対称のゲームデザイン。英語のみですが、ルールが分かれば(そしてカードに書いてある簡単なテキストが読めれば)遊べます。英語だからと言って遊ばないのはもったいないほど出来の良いゲームなので、歴史に興味のある方はぜひ!
(製品情報:定価1,010円、英語のみ、Steamページ)
カードゲーム系(TCG以外)
『Heart of Crown PC』―姫擁立を目指してデッキ構築

2008年に「ドミニオン」というデッキ構築型カードゲームが登場して以来、ドミニオンクローンと呼ばれるゲームが数多く登場しました。ゲーム中にコインカードを使い、それでカードを購入して自分のデッキを強化するというシステムです。ただし持ち札が多すぎると使いたいカードがなかなか回ってこないため、デッキ圧縮も同時に考えなければなりません。これらのゲームのよいところは、TCGのようにプレイヤー自身が良いカードを持っているかどうかで勝敗が左右されてしまうのではなく、トランプのようにあらかじめ用意されたカードが使われるため、公平な条件のもとでプレイを行うことができます。またゲームに使用するカードの組み合わせを変えれば戦略も変わるので、毎回新鮮な気持ちでプレイできます。本作もドミニオンクローンの一つで基本ルールはほぼ同じですが、姫擁立というシステムを加えたことによる緊迫したゲーム展開と可愛いイラストで人気を博しました。ドミニオン系のカードゲームに触れたことのない方はぜひともプレイしてみてください。
(製品情報:定価2,570円、日本語あり、Steamページ)
『Age of Rivals』―対戦の熱い4X的世界観のカードゲーム

資材集めや建築、徴兵、戦闘、文化など4X的要素の盛りこまれた展開の速いカードゲームです。ゲームには「購入」「戦闘」の2つのフェイズがあり、購入フェイズではそれぞれコインを使って交互にカードを購入(8枚)、デッキを構築します。兵士や建築物は資材が必要なので、最初は資材カードを買っていくことになります。ただし次の戦闘フェイズでは先ほど購入したカードの中にある兵士や投石機で戦闘が行われ、場合によってはカードが破壊されるため、内政ばかりでなく攻撃や防御も考えなければなりません。4ターン後に勝利点の合計が多いプレイヤーの勝ち。勝利点は基本的にターン終了後に生き残った建築物や文化カードから得られますので、攻撃や防御のカードを織り交ぜながら守り切りましょう。対戦が熱く、1ゲームも短いため、何度も遊びたくなるゲームです。英語のみですが、カードに書かれた簡単なテキストが読めればプレイに支障はないかと思います。
(製品情報:定価980円、英語のみ、Steamページ)
『YOMI』―カードゲームで格闘ゲーム

カードゲームで格闘ゲームを遊ぶというコンセプトで作られたゲーム。「攻撃」は「投げ」に勝ち、「投げ」は「防御」に勝ち、「防御」は「攻撃」を防ぐと、ゲームタイトルどおり相手の行動を読んでカードを出さなければなりません。攻撃同士ならば発生スピードの速い方が勝ったり、コンボや必殺技も使えたりと、実際に格闘ゲームを遊んでいるような緊張感があります。キャラごとにデッキが用意されていて、投げ技の強いキャラなどそれぞれ特徴があります。「対空出ない!」なんてこともないので、反射神経に自信がない人でも格闘ゲームの楽しさが味わえます。
(製品情報:定価1,480円、日本語あり、Steamページ)
『Unreal Estate』―いつ建設するかのジレンマ

2~4人で遊べるカードゲーム。プレイヤーはそれぞれ画面中央にある建物カードから1枚を選んで取り、余ったものは卓上に共通ストックとして残されます。自分の手札にストックと同じものがあれば、そのカードを出すことでストックカードをすべて取って点数を得ることができます。掛け算による点数計算のため、ストック枚数が多ければ多いほど点数が飛躍的に上がっていくシステム。相手にカードを奪われる前に取るか、それとも貯めこんでから一気に高得点を目指すかで頭を悩ませるでしょう。日本語はありませんが、特殊効果のカードぐらいしかテキストはありませんので、ルールが分かれば問題ないかと思います。
(製品情報:定価298円、日本語なし、Steamページ)
ストラテジー系
『Terra Mystica』―ファンタジー世界の開拓競争

ボードゲーム版の邦題は「テラミスティカ」。日本でも人気のある大型ボードゲームで、ファンタジー世界を舞台に、様々な種族が宗教への影響力や土地開拓などによって覇権を競い合います。いかに速く自分の土地をキープしていくか、そして相手の邪魔をするかが勝利の鍵となります。種族には開拓しやすい土地があるので、どこをスタート位置にするかはかなり重要。拡張セット「Fire & Ice」が無料アップデートで追加されるなど、太っ腹な対応も嬉しいところです。
(製品情報:定価1,480円、日本語あり、Steamページ)
『Small World 2』―繁栄、衰退、また繁栄

ボードゲーム版の邦題は「スモールワールド」。「2」なのはデジタル版だからのようです。ゲーム開始時に様々な種族の中から一つを選び、多くの土地を得ることが目的。相手の土地に攻めこんで奪うこともできます。それぞれの種族カードの枚数は限られているので、ゲーム途中で使用種族を衰退させて新たな種族でプレイする必要が出てきます。毎ターン勝利点が計算され、合計点の多いプレイヤーの勝ち。DLCによる追加種族もあり、短時間でワイワイ楽しめます。
(製品情報:定価980円、日本語あり、Steamページ)
『Through the Ages』―ボードゲーム版『シヴィライゼーション』

ボードゲーム版の邦題は「スルー・ジ・エイジズ:新たなる文明の物語」。『シヴィライゼーション』をボードゲームにしたような内容で、古代から現代までを舞台にした文明発展ゲームです。プレイヤーは資源・食糧獲得や軍隊の強化、科学・文化の発展、そして遺産建設や偉人を得たりしながら覇権を競い合います。ゲームは英語のみですが、ルール把握とカードに書かれた内容が読めればプレイ自体には問題ないかと思います。
(製品情報:定価1,640円、英語など4カ国語(日本語なし)、Steamページ)
『Scythe』―独特な世界観の大型戦略ゲーム

ボードゲーム版の邦題は「サイズ:大鎌戦役」。第一次世界大戦によって荒廃してしまった1920年代の架空世界が舞台で、ヨーロッパは「メック」と呼ばれる大型機械を主戦力にした新たな戦いへと突入していきます。プレイヤーは特徴のある5つの国家から1つを選び、徴兵や資源生産、技術強化などをしていきます。最終スコアは金、領土、資源、建築物、目的達成などによって決められ、一番点数の高いプレイヤーが勝ち。案外に戦闘は起りにくく、スタートダッシュでいかに効率よく領土や資源を押さえられるかなどの方が重要になります。
(製品情報:定価2,050円、日本語あり、Steamページ)
気になったデジタルボードゲームはありましたか?ここで紹介したゲームは実物が存在するものもありますので、気に入ったら実物を手に入れて家族や友達と遊ぶのもいいかもしれません。ボードゲームのよいところは、ルールさえ理解してしまえば言語の壁はそれほどないというところ。また遊びながら他のプレイヤーとのコミュニケーションを楽しむこともできます。他にもおススメのボードゲームがありましたら、コメント欄で教えてください!