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Steamストアページを開けば、ギャルゲーをよく見かけるようになりました。今では国内産だけではなく、海外産の作品も多くの人々から注目されています。少し昔では考えられなかったこの流れ。常日頃からSteamの最新ゲームを追っているゲームライター達にはどう見えているのでしょうか。
そして、そんな彼らが愛してやまない至高のギャルゲーとは?その作品で最高のヒロインとは?今回はちょっと熱く語ります!
盛り上がるSteamギャルゲーについて3人が語る!
葛西祝今回の座談会の司会を担当します、ジャンル複合ライティング業者の葛西祝です。Steamでもギャルゲーが増えてきた今、改めて皆さまにお話をお聴きできればと思います。
SHINJI-coo-Kヒップホップジャンルの作曲業とフリーのゲームライターの兼業家SHINJI-coo-K(池田伸次)です。Game*Sparkでは主に特集などを担当しています。ギャルゲーに関してはPCエンジン版『ときめきメモリアル』をリアルタイムで買った男です。
文章書く彦Game*Sparkで往年のギャルゲーヒロインを攻略していく連載「ギャルゲー百人百景」を担当しているライターの文章書く彦です。LeafまたはKey作品(以下:葉鍵ゲー)や、初代PS時代の古き良きギャルゲーが色んな意味で大好物です!
ArkbladeGame*Sparkではデイリーニュースから特集まで、多岐にわたって記事を執筆しているライターのArkbladeです。古今東西ジャンル問わず色々なタイトルを触っています。PC-98版の『プリンセスメーカー』はやはり強く意識に残っています。
Steamではどんな風にギャルゲーは広がり始めた?
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葛西祝Steamでもギャルゲーがリリースされるようになってしばらく経ちますけど、最近では海外から作られたものも多いですよね。ギャルゲーが世界に浸透しつつある流れについてどう感じていますか?
SHINJI-coo-K非常に良い兆候だと思っています。海外のオタク文脈が入ったギャルゲーも登場していて、刺激を受けますね!
文章書く彦Sekai Projectの仕事っぷりがやはり印象的で、海外のファンにとって日本のギャルゲーが簡単に消費できるようになってきたなあと思います。
Arkbladeギャルゲー全体を考えると、特定の様式こそがギャルゲーというわけでなくて、美少女キャラがあってのものです。海外でも同様に、アニメ人気や日本のギャルゲー作品などで美少女キャラに親しみができて、結果として海外でギャルゲーが作られるようになり、さらに世界規模のゲームストアSteamでの配信の流れができたことは面白く思います。
文章書く彦日本のギャルゲーの英語版(に限らずですが)がSteamで入手しやすい状況になり、海外のクリエイターにも影響を与え、相互影響のように面白くなっていきそうな雰囲気があると個人的には思っています。
Arkbladeギャルゲー、と一口に言っても本当にいろいろな形態があるものですので(「ギャルがたくさん出てくるゲーム」、「ギャル自身の物語を主体としたゲーム」、「ギャルとの関わりが主題のゲーム」などなど)、意外な所から思いもよらない様な影響があるかもしれませんしね。
葛西祝Sekai Projectは『Sakura Spirit』や『ネコぱら』シリーズを販売していますよね。
文章書く彦「Steamのストアにギャルゲーが出てきたな」っていう時期によくストアトップで『ネコぱら』シリーズを見かけた覚えがあります
ArkbladeSteam Greenlight(※当時のGame*Spark記事。実際のGreenlightページは既に削除済み)の通過タイトルだった『ネコぱら』の登場は、2019年1月現在の状況を予感させる流れでしたね。
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Arkblade『ネコぱら』登場以前に目立っていたのは『ルセッティア ~アイテム屋さんのはじめ方~』くらいでしょうか。
SHINJI-coo-KそもそもSteamがビジュアルノベルをストアに出す出さないの意思決定が固まっていなかった時期ですね。そんな時に『ネコぱら』は嚆矢になったと思います。
葛西祝たしかに『ネコぱら』がリリースされた2014年くらいから、少しずつSteamのストアでアニメやギャルゲーのキャラクターが目立つゲームが出始めた印象はありますね。
Arkblade『ひぐらしのなく頃に』が出せないプラットフォームでしたからね……その点では当時の海外のパブリッシャー・デベロッパーは、本当に大きな道が開けた、という感じだったのではないでしょうか。
葛西祝昔のValveはすごく厳しかったところを、Greenlight登場以降で「萌え」が入ってくるようになった歴史があるんですね。
文章書く彦ギャルゲーだけではなく海外ゲーム全般的に女性キャラクターの表現が「萌え系」の登場以降、変わってきてるように思います。
超話題作『Doki Doki Literature Club!』の凄さ
葛西祝さて文章書く彦さんがイチオシするSteamのギャルゲーはなんですか?「ギャルゲー百人百景」ではクラスで一番かわいい女の子の隣の席にいる渋い女子のような作品をチョイスされていますが……
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文章書く彦PS世代の有名なギャルゲーはそこそこやっちゃってるんで、「ギャルゲー百人百景」ではよく知らないゲームにあえて挑戦しています。というわけで、今回はど真ん中剛速球で『Doki Doki Literature Club!』(以下、『DDLC』)を挙げます!
葛西祝おお~!旬のアイドルに欅坂46センターの平手友梨奈があがってくるような、ストレートを投げ込んできましたね。
文章書く彦先ほどのやり取りはここにつながる話だし、なにせSteamでギャルゲーといえば『DDLC』の話はしないわけにはいかんなと思ったので……
ArkbladeSteamでも中々ダークホース的に人気の上がったタイトルですね。
文章書く彦ネタバレになるため、あまり細かい事は言えないのですが、日本製のギャルゲーやインディーゲーム、それに海外の一部のインディーゲームからの影響があって、ハイブリッドという印象を受けたゲームでした。
発表は2017年で、当時から好事家には注目されてましたが、日本での人気に火がついたのはやはり有志翻訳パッチが発表された2018年だったと思います。
SHINJI-coo-K有志翻訳パッチのクオリティも高かったですし、風格がありました。
文章書く彦まだ発表から一年ちょっとなわけですけど、もうSteam時代を代表するギャルゲーと言っちゃってもいいんじゃないかな、という風格がありますよね。昔、葉鍵ゲーやニトロプラスあたりのゲームをやって長文の批評をブログにアップロードしていたような古のオタクたちが、急に元気を取り戻してTwitterで『DDLC』の話をしていました。
Arkblade「一般的なギャルゲー」という枠から外れているところも色々な意味で時代に合致しましたね。
文章書く彦すごく自己言及的なゲームなんですけど、日本のギャルゲー、とくにビジュアルノベルではわりと典型的なモチーフなんですよね。「一般的なギャルゲーを俯瞰するようなメタギャルゲー」っていうのが、ギャルゲーにはめっちゃ多いので(笑)いきなり『DDLC』からやって大丈夫だと思います。
葛西祝革新的なタイトルで、過去に『Ever17 -the out of infinity - 』などもありましたからね。
文章書く彦そういう作品も含めて『DDLC』は、日本のギャルゲーが海外のクリエイターに影響をあたえた典型例だと思います。
Arkblade「無料」というのもありますが、何よりボリューム自体は短い。映像配信に凄く向いていたと思います。
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文章書く彦好きなヒロインは当然モニカです!モニカと話すだけのファンメイドのアプリケーションが開発されていますし。『Air』の神尾観鈴や『To Heart』のマルチに匹敵するような、ここ数年を代表するギャルゲーヒロインだと思います。時代と寝た女です。
ArkbladeJust Monika.
実のところ『DDLC』をGame*Sparkで初めに「これは凄いな」とSteam配信のタイミングで取り上げたのは自分でしたが、YouTubeなどの配信映像を見ると、核心部分の演出への反響がすごかったですね。それを見て「これ本当にSteamを代表するギャルゲーのひとつになるんじゃないかな」と思ったら、実際になっちゃいました。
SHINJI-coo-K実際、2018年は『DDLC』の話題に事欠かなかったですよね。
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Arkblade当時だと、ゲーム内に含まれたARG(Alternate Reality Game)の効果も盛り上がった要因なのかなと思います。核心となるゲームファイルに実際に混入された(物によっては数年越しで準備された)謎のサイコホラー的内容のファイル群……。凄く魅力的だと思います。
文章書く彦僕は当時Twitterでいろんなスクリーンショットを見て興味もったクチです、面白そうなのが出てきたなっていう。
葛西祝あらためて『DDLC』のすさまじさを確認できる話です……モニカ最強説は早々崩れないですね。
文章書く彦『DDLC』からギャルゲー、特にビジュアルノベルに興味をもったら、『Little Busters! English Edition』をプレイしましょう。僕は何を隠そう『リトバス』がこの世で一番好きなゲームなので……よろしくおねがいします……。
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