Firaxis Games開発の『シヴィライゼーション VI(以下『Civ VI』)』拡張パック第2弾「嵐の訪れ(Gathering Storm)」が2月14日、ついにSteamで配信されることになりました。パブリッシャーである2Kのご厚意により、早期アクセス版を体験させていただきましたので、今回はそのプレイレポートをお届けします。
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拡張パック第1弾「文明の興亡(Rise and Fall)」においては、都市の忠誠心や黄金時代・暗黒時代といった「文明の繁栄と没落」がテーマでした。今回は火山や水害といった自然災害や、温暖化による海面上昇、資源枯渇など、我々を取り巻く「環境」に焦点を当てています。
近年、津波や竜巻、火山の噴火など、世界各地で大きな自然災害が発生しています。また資源・環境問題も無視できなくなってきました。ある意味、現在の世界情勢を考える上でもタイムリーなテーマとなっています。
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また本拡張パックのもう一つのテーマとして「外交」が取り上げられています。外交問題も近年は世界規模で顕著化、ただ世界平和を唱えていればよい時期は過ぎ、自国の利益をいかに最大化するかの駆け引きが求められるようになってきました。
本拡張パックにおいては、『Civ V』でもあった世界会議、そして「外交による勝利(以下「外交勝利」)」が形を変えて復活。外交的支持を稼ぎつつ、いかに自国に有利な政策を押し付けていくかが攻略のカギとなります。今回のプレイレポートでは、外交勝利を目指してみたいと思います。
新たなる8つの文明と9人の指導者
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本拡張パックでは、9人の指導者が率いる8つの文明が新たに追加されました。今回使う指導者ですが、新指導者でもあり『Civ V』でも登場したオスマンのスレイマン1世でいきます。
オスマンは拡張プレイに適した特徴を多く持っており、さらには軍事と外交に強い固有総督「大宰相」がいるので、外交勝利もやりやすいかと思います(たぶん)。またカスタム設定で対戦相手も新指導者から5人選びました。プレイヤーを入れて6文明でスタートです。
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ゲーム開始と同時に、いきなり水害の警告をされました。以前まで最初に作る都市の位置は「とりあえず川沿い」が鉄板でしたが、今回は川の氾濫による水害リスクを負わされます。
実際、人類史において治水は重要項目。一夜にして都市が川の氾濫に呑まれて滅びたみたいなこともありました。ただ水害は悪いことばかりでなく、土地が肥沃化するというメリットもあります。すぐ西に湿原があり、助言者からおススメされているので、疑いながらも言うことを聞いてここを拠点にします。
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2T(ターン目)、首都・イスタンブール建設。西のほうに砂漠が広がり、正直微妙な立地になっています。川沿いでないため、ただでさえ住宅が少ない状況。なんだか先行きが不安になってきました。早いところ第2都市を出したほうがよさそうですね。
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技術ツリーと社会政策ツリーをざっと最後まで確認。いくつかの新項目が加わったこと以外、未来時代以降にランダムツリーが追加されています。今回の新要素で、ゲームごとに変化するとのこと。未来は何が起こるかわからないということでしょう。本作のリプレイ性がさらに高まりそうです。
新文明との出会い
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18Tにハンガリーのマティス・コルヴィヌスと接触。都市国家から徴用したユニットが強化されるという特徴持ち。しばらく様子を見てから対応を考えましょう。
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43T、第2都市・ブルサを建設。海の近くなので海水位の上昇に気を付けろ、と警告されました。そして弓兵の生産が可能になったため、戦争用にどんどん作っていきます。
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47Tで総督を選ぶことができるようになりました。当然ここはオスマン固有総督、大宰相のイブラヒムを選びます。基本能力として、すべての軍事ユニットの生産力+20%があり、弓兵生産に加速をかけられます。
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筆者的に今回の目玉であるマルチキュー。複数の都市に対して生産キューを設定、管理することができます。こういうシステム改善は地味に嬉しいです。
初めての自然災害
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63Tにインカのパチャクティが登場。山岳タイルを内政などに利用できる山岳の民です。しかしオスマンの首都の西に砂漠があるため、他文明となかなか国境線を接することができません。戦争を仕掛けようにもやりづらい。どうしたものか……。
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同Tに自然災害「砂嵐」の発生。幸い首都の外で起こっているので、被害はありません。唐突に発生しますね。
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……と思ったら、砂嵐が次のターンで移動して首都に来ました!そばにいた3体のユニットの体力が一気に半分に!戦うことができない分、蛮族よりたち悪いです。羊の施設改善も壊されてしまいました。
世界会議の始まり
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今回、取引では「外交的支持」を材料にできます。お金と同じような扱いで、相手に言うことを聞かせようとすれば、外交的支持を必要な分だけ支払う必要があります。外交的支持は、都市国家の宗主国になったりすれば貯められます。
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世界会議が始まりました。議題が提示されるので、賛成するほうに投票します。票は外交的支持で買う形になるので、外交的支持があるかぎり何票でもどうぞ。票の多かった決議の効果は30T持続。30Tが過ぎたら、また世界会議での投票……の繰り返しになります。
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新指導者であるマオリのクペ登場。外洋タイルからスタートという特殊な文明で、最初から「帆船術」「造船」が解除されています。首都も遠い海上の島にありました。
さあ、開戦だ!
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138Tでとうとうハンガリーと開戦。カタパルトと弓で一気に攻めます。ちなみにオスマンには、「攻囲ユニットの生産力+50%」「区域への攻撃時にすべての攻囲ユニットの戦闘力+5」「都市を占領しても人口が減らない」など、都市攻めに適した特性があります。
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162Tで1都市残してハンガリーと和平。返す刀でインカと戦争です。都市を占領しながら、首都・クスコに接近。『Civ V』からの復活で、今回の「嵐の訪れ」に追加された新遺産「マチュ・ピチュ」がありました。商業ハブの役割を持つ遺産です。それ以外もいろいろありますので、都市ごと全部いただいていきましょう。
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戦争中に、世界会議でオスマンの侵略行為に対する決議が行われました。可決されると、こちらの戦闘力が低下するなどさまざまなデメリットが生じます。戦争中にやられるとやっかいなので、票を投じて否決させます。
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193Tで外洋に乗り出し、新指導者であるフェニキアのディードーと遭遇。海洋活動に強い文明で、固有の港区域「コトン」を建設できます。またコトンのある都市に首都の移動が可能です。
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201Tで1都市残してインカと和平。この大陸に敵はいなくなりました。次は海の向こうの探索を始め、新大陸に侵出します。209Tにはオスマン固有の海洋ユニット「バルバリア海賊」完成。いくつかの都市で生産しているので、これで制海権を取っていきます。
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新指導者であるスウェーデンのクリスティーナと接触。偉人を獲得すると外交的支持+50の「ノーベル賞」特性持ちです。外交勝利の有力候補ですね。今回のライバルになりそうです。
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フェニキアとマオリの2国相手に戦争。オスマン固有の歩兵ユニット「イェニチェリ」を使い、フェニキアの都市を落としながら首都に迫ります。234T、誤ってフェニキアを滅ぼしてしまいました。世界会議が寂しくならないよう「文明を滅ぼさずに1都市だけ残して和平」という縛りルールでやっていたのですが、まだ都市が残っていると勘違いしてしまいました。やり直すのも何なので、このまま続行します。すみません、ディードーさん。
戦争を終わらせるための戦争
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超大規模の火山噴火発生!ちなみに、こういったシーンでは臨時の世界会議で災害支援を要請することができます。最も支援した文明には、外交勝利に必要な外交ポイントが1与えられます(10集めれば外交勝利)。
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運河が造れるようになりました。ユーザーから要望が多かった施設で、海上ユニットが運河を伝って陸地を横切れます。「陸地が邪魔して大回り」みたいなことが少なくなりそうですね。
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都市に電気が必要になってきました。電気がないと成長が止まるので、工業区域に火力発電所を建設します。286Tには、1都市残してマオリと和平。すごい顔で不満を表明しています。
これで残る大勢力はスウェーデンだけですね。というか、スウェーデンの首都を落としたら制覇勝利で終わってしまいますので、気を付けながらやっていきます。目的はあくまで外交勝利です。
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スウェーデンから7都市を一気に奪い、300Tで首都だけ残して和平。これでオスマン以外の文明がすべて1都市になりました。もはやこの惑星に軍事的な敵はいません。宗教以外は独走状態です。
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全体マップ。白い部分がオスマンの領土です。やはり拡張に向いた特性持ちの文明は強いですね。もう戦争をする必要がなくなったので、安心して内政ができます。外交勝利に向けて進みましょう。
自然災害や環境問題に備える
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301T、外交勝利のための投票が始まりました。勝てば外交ポイントを2得られます。貯めこんできた外交的支持で票を買い、自分に投じます。票は結構高いし、3票ぐらいでいいかな。
……で、結果ですが、スウェーデンが5票を自分に投じて勝利。外交的支持をほとんど使い果たしてまで投票してくるとは思いませんでした。しかしこれで次の世界会議はオスマン有利に。30T後にまた勝負しましょう。
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各地の臨海都市に防波堤を築きました。これで水害から都市が守られます。オスマンは領土が大きくなった分、あちこちで自然災害が起こりまくっています。
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319T、地球の温暖化が始まったようです。CO2レベルのほとんどは、当然ながら広大な領土を持つオスマンが出しています。温暖化が進むと海面上昇や異常気象など、様々な影響が出てきます。
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322T、これまで表示されていなかった未来時代の技術に「海上都市」と「高性能バッテリー」が登場。住宅を補ってくれる海上都市をさっそく研究します。しかし石油不足がひどくなってきました。風力や水力、原子力、太陽光などによる各種発電も導入し、何とかします。石油による火力発電も、一部石炭に転換しました。CO2排出量が大きいですが、仕方ありません。
外交勝利を目指して!
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331Tで、2回目の世界会議。今回は6票投じれば確実に勝てます。これで外交ポイント2をゲット。しかし10ポイントまで、あと4回繰り返さないといけません。世界大会は30Tに1回なので、最低でもあと120Tはかかる計算になります。もちろん投票に負けたらまた30T。相当時間がかかりますね。
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新登場の兵器「巨大戦闘ロボット」。生産コストがかなり高いですが、破格の攻撃力を誇るユニットです。もはや戦争する必要がないので造る必要もなかったのですが、ロマンということでとりあえず。
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未来技術の海上都市を建設。食料と住宅を増やしてくれます。陸地の住宅不足解決手段になりそうです。
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363T、社会制度ツリーにも未来時代のツリーが出てきました。「地球温暖化防止対策」があるのでさっそくこれを取ります。生産で「二酸化炭素回収」を選べるようになり、完成すると外交的支持を得ることができます。
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445Tになったとき、次の世界大会(451T)で全員に反対票を投じられると外交的勝利が不可能なことに気づきました。というのも、『Civ VI』は500Tに達するとゲームが終了するシステムなのです。現在外交ポイントは8ですが、もし次の世界会議で負ければマイナス1で7になってしまいます。そこから勝利しようと思えば最低60T必要。500Tまで間に合いません。災害援助も、広大な領土を持つオスマンが常に被害者なので、これで稼ぐことも無理です。
仕方がないので「戦争」という名の外交で、いくつかの文明に世界会議を欠席していただくことにしました。残り5ターンですが、間に合うでしょうか。以前の戦争で他文明を1都市にしたとはいえ、そのあと放置していたので都市が増えているのです。
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ここでまさかの巨大戦闘ロボット大活躍。遠距離攻撃もできるし、海上でも戦えるし、これ1機あれば十分じゃないかレベルの強さです。世界会議の合間、暇だったので各地にたくさん造り置きしたのが功を成しましたね。5 ターンで一気に3文明(合計8都市)を滅ぼしました。
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そして運命の451T、(オスマンにとって)最後の世界会議開催。参加国はスウェーデンのみです。最後なので外交的支持を全部使って自分に投票です。
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外交勝利達成!ターン的に結構ぎりぎりでしたが、なんとか勝ててよかったです。まさか最後の最後で戦争するとは思いませんでした。ありがとう、巨大戦闘ロボット!今回の主役は君だ!
ボリュームたっぷりの新拡張!
最初は10時間ぐらいで終わるかなと高をくくっていたら、新要素が豊富過ぎて、余裕で20時間以上かかりました。いろいろ把握しながらやっていたというのもありますが、1ターン内にできること、やるべきことが結構増えています。
世界会議もありますし、自然災害も起こりますし、その被害の復旧作業もあります。環境や資源にも気を配る必要があり、新技術や新社会制度、新ユニットも追加されているなど、かなりボリューム満点な拡張パックです。今回はオスマンの特徴を生かして全文明の都市を占領して回ったこともあり、時間のかかったプレイとなりました。その分、本拡張パックの新要素の多くを堪能できました。
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外交勝利の達成は、結構難しかったです。今回は他文明を早期に無力化しておきましたが、そうでない場合はターン数がかかるため、別の勝利(宗教、文化、科学、制覇)に先を越される可能性が高いのではないかと思います(要研究)。しかし今回はちょっと危なかったですね。ロマンのために造りまくった巨大戦闘ロボットに助けられました。
ボリュームが増えて選択肢が広がった分、勝利を目指すために考えなければならないことも増えた本拡張パック。『Civ VI』のプレイ体験をさらにリッチで深みのあるものにしてくれること間違いなしです。ぜひともプレイして自然災害や環境問題に抗い、さまざまな外交問題を解決し、あなたの文明を勝利に導いてあげてください。
製品情報
『シヴィライゼーション VI 嵐の訪れ』
開発・販売:Firaxis Games、2K
対象OS:Windows、MacOS、Linux
通常価格:4,400円
サポート言語:日本語、英語など12言語
Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/947510/
(先行配信提供:2K)