ドガァァアアアアン!!!!!!
フゥ……俺は無事だ。だが、あと0.1秒でもブレーキを踏む判断が遅くなれば、俺は壁にこべり付いた肉塊になっていただろうよ。やれやれ冷や汗掻いちまったぜ……。
振り向くと、そこには血らだけの原刻寺が座り込んでいた。さっきの衝撃音は……アンタだったのか。
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「へ……へへへ……愚連ちゃんの勝ちだな……ハァハァ……」
「……さぁ話してもらうぜ。まずは藤田のおっさんはどこに行ったんだ?」
「そんなの誰にもわからねぇさ。ただ言える事は俺様は藤田さんを裏切っちゃいねぇ」
「あぁ?テメーは裏切っただろ!全校生徒を爆殺させようとした!」
「でもそうならなかった。そうだろ?藤田さんはいつもオメーの話をしていたよ。愚連翔は俺を継ぐ男だと。俺を超えていく男の中の男だと……な」
「テメーは一体……」
「俺様は藤田さんを裏切っちゃいねぇ。俺様が反藤田派に屈したのは……あのままじゃ死人が出ていたからだ。このガッコーで死人を出すなんて絶対にあってはならねぇ事だ。だから俺様が……藤田派幹部である俺様が、藤田さんを裏切ったクズを演じるしかなかったんだ……」
「……原刻寺、テメーをそこまで追い込んたヤツってナニモンなんだ?」
「愚連ちゃん……気をつけろ。ヤツは、このガッコーのみならず埼玉県を支配するつもりだ」
「なんだと……」
「埼玉県の支配は目的ではなく手段でしかない……。ヤツは……埼玉県民の主食をガムにするつもりだ……」
「ガム……?ガムってあの……噛む奴か!」
「そうだ。長時間噛み続けると吐き気がする奴だ……ヤツはヤツの名は……愚連り……き……ハァハァ……ウッ……」
「ぐれん……りき……?」
俺と同じ苗字を持つヤツ……一体何者なんだ?これからもとんでもない事が起きそうな気がしてならねぇ……。