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企業が支配的な力を持ち、凶悪な犯罪も横行する近未来を描く“サイバーパンク”。退廃的で暴力にも満ちたこの世界は明るい未来とは言えないものの、そこで浮き彫りになる人の性やドラマがより刺激的に映ります。
そんな危険な世界の中で、厳しい日常に疲れた人々を癒やすバーを舞台とした『VA-11 Hall-A』。プレイヤーはバーテンダーのジルとなり、それぞれの客に相応しいカクテルを提供することで、一日の締めくくりをより良いものへと変えていきます。
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個性的な切り口ながらも、ユニークかつ魅力的なキャラクター陣や、世界背景を巧みに取り入れた会話などで人気を博し、PC版の好評を受けてPS Vita版が登場。その結果、グリッチシティのバーテン業に勤しむ、多くのプレイヤーを生み出します。
そして本日5月30日に、ニンテンドースイッチ/PS4版の『VA-11 Hall-A』がリリースされました。しかもパッケージ版には初回限定特典があり、設定資料集とオリジナルサウンドトラックが付属します。
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PC向けダウンロードソフトとして始まったため、その人気に比べ、リアルなアイテムが少なめな『VA-11 Hall-A』。その意味でも、この特典は貴重な存在です。しかし、『VA-11 Hall-A』を既にプレイ済みのファンにとっては、プラットフォームが異なるとはいえ、同じソフトをもう一回買うかどうかは悩みどころでしょう。
そこで今回は、初回限定特典の内容を紹介させていただき、購入判断の材料にしていただければと思います。また、パッケージ版ならではの要素にも触れるので、気になっている『VA-11 Hall-A』ファンは、ぜひチェックしてみて下さい。
◆パッケージイラストが描き下ろし! 一粒で二度美味しいリバーシブル仕様
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パッケージの表紙を彩るイラストは、アート担当のクリストファー氏による描き下ろし。スイッチ版とPS4版で、向きと一部の配色が異なっています。つい、ジルの太ももに視線が引きつけられてしまうので、購入する時はご注意あれ。じっくり見るのは、家に帰ってから!
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そしてジャケットの裏側を見ると、「おしえて!ギャル子ちゃん」の作者・鈴木健也氏による描き下ろしイラストが。そこでは、『VA-11 Hall-A』でお馴染みの面々が集い、賑やかに彩っています。
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リバーシブルジャケットなので、ひっくり返して使うことも可能。気分によって使い分けてみるのもお勧めです。ちなみに、スイッチ版とPS4版はそれぞれ違うイラストになっています。「PLAYISM」の公式サイトでは、両バージョンのイラストが公開されているので、比較したい方はそちらも合わせてどうぞ。
◆サウンドトラックは全16曲、早川パオ氏描き下ろしジャケットも
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PS Vitaのパッケージ版には、初回特典としてサウンドトラックと紙コースターが付属しました。音楽面でも魅力に溢れる『VA-11 Hall-A』だけに、音源を手元に置いておきたいもの。スイッチ/PS4の特典にもサウンドトラックが付属するので、どうかご安心を。しかも、日本国内で初収録となる楽曲も含まれているのも、大きなポイントです。
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今回のサントラのジャケットは、「まどろみバーメイド」の作者・早川パオ先生氏が手がけており、こちらも描き下ろし。表紙をジルが、そして裏表紙をグラサン+アロハシャツな犬が飾っています。犬も店に来るし、喋ることもある。それが『VA-11 Hall-A』。
■収録楽曲
1. Glitch City
2. Hopes and Dreams
3. Welcome to VA-11 HALL-A
4. Every Day is Night
5. Shine Spark
6. All Systems, Go!
7. Safe Haven
8. Where Do I Go From Here?
9. Synthestitch
10. Your Love is a Drug
11. A Star Pierces the Darkness
12. Digital Drive
13. A. Rene
14. A New Frontier
15. You've Got Me
16. Believe in Me who Believes in You
◆設定資料集は、見応え満点の40p! 見開きの各キャラ紹介、奥深い対談も
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設定資料集は、表紙・裏表紙を合わせて40p。世界観の説明から始まり、スイッチ/PS4版、そしてPS Vita版のパッケージイラストなどが掲載されています。ちなみに、PS Vita版のリバーシブルイラストは未収録なので、そちらは所持している方だけの特権と言えるかもしてません。(ちなみに、プレイステーションのソフトウェアページに掲載されています)
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更に進めていくと、各登場キャラクターの設定詳細のページに。1キャラあたり見開き2pで紹介しており、9人分×2pの18pというボリュームです。この設定資料集の、メインに当たる部分と言えるでしょう。
しかも公式サイトの説明によれば、設定詳細は初となる日本語ローカライズ。しかもジルを含めた3キャラクターは、今回用に描き下ろしたとのこと。「どうしてこのキャラが生まれたのか」「どんな役割を担っていたのか」など、ゲームだけでは分からない裏側などが、赤裸々に記されています。
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さらに、Sukeban Gamesのクリストファー氏とフェルナンド氏へのインタビューを、4pに渡って掲載。テクノロジーの広がりが格差社会をより厳しくするといったサイバーパンク観や、人間のエロスは劇的に変化せず、変化するのは欲求を表現する文脈だといった人間とエロスの関係など、興味深い話題について語られています。いずれも『VA-11 Hall-A』に盛り込まれている重要な要素なので、このインタビューに目を通すことで、本作への理解が一層深まることでしょう。
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そして、『VA-11 HALL-A』の続編として発表された『N1RV ANN-A: Cyberpunk Bartender Action』のイラストや、その特徴を紹介するテキストなども掲載。続編のリリースは2020年を予定しているので、こちらのページを読みながら想いを馳せるのも一興です。
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お気に入りのゲームが様々なプラットフォームに展開していくことは、知名度の向上や新展開に繋がる一助となるので、実に喜ばしいことです。しかし、新たな要素や特典がつく場合だと、ファンだからこそ、買うかどうか悩ましい問題にぶつかります。買い支えるもよし、続編に予算を回すもよし。懐と相談しつつ、納得のいく結論でゲームライフを楽しんでください!
なお、スイッチ『VA-11 Hall-A』のパッケージ版に関して、ゲームの起動時間が30秒ほどかかってしまう状態が確認されています。起動後は通常のプレイが可能で、またアップデートでの修正対応を予定しているとのこと。修正対応の準備が整い次第、PLAYISMの公式Twitterやサイトなどで告知されるので、定期的にチェックしておきましょう。
【重要なお知らせ】明日発売のNintendo Switch『VA-11 Hall-A』パッケージ版につきまして、 私共の調査により、現在ゲームの起動時間に30秒ほどかかってしまい、 その間は真っ黒な画面が表示される状態になってしまうことが判明しました。一度起動していただければ、通常通りプレイが可能です。 pic.twitter.com/3pLi350hRe
— PLAYISM@BitSummitはIP-23 (@playismJP) 2019年5月29日