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TRPG「Mutant」を原作として、奥深いターン制ストラテジーを体験できる『ミュータント・イヤー・ゼロ:ロード・トゥ・エデン(Mutant Year Zero:Road to Eden)』が描くのは人類滅亡後の世界。「世紀末」や「ポストアポカリプス」とも呼ばれる舞台設定は、これまでも多くのゲーマーを惹き付けてきたことでしょう。
本作は「終末」に刺激的なスパイスをひとさじ加えた「ポストヒューマン」の世界を堪能させてくれます。本稿では、そんな「終末感」を彩るゲーム要素をご紹介。11月21日に発売されるPS4/スイッチ版『ミュータント・イヤー・ゼロ:ロード・トゥ・エデン デラックスエディション』が気になっている方は、次の終末のプランの参考にしてみてください。
◆狂ったメンバーを紹介するぜ!個性豊かなミュータントたち
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題名にもある通り、本作の主役はミュータント。中でも、“アーク”という人類最後の拠点を維持するべく、危険な外部世界“ゾーン”で資源を回収するストーカーたちがメインです。そんな危険を顧みない“狂ったメンバー”ですが、序盤ではイノシシ型の「ボーミン」、アヒル型の「ダックス」が登場します。
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数々の死線をくぐり抜けてきたおかげか、戦闘能力はかなりのもの。口の悪さもご愛嬌、凸凹コンビの言い合いも楽しめます。「かわいい」ような「かっこいい」ような……それでいて本作の世界の狂気を身に宿したキャラクターたちです。ちなみに、ダックスはアヒルなのに羽を生やして高所から攻撃したり、ボーミンは猪突猛進を体現した体当たりで敵をひるませたりすることも。
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もちろん、ミュータントアニマルだけでなく人型のミュータントも登場。その1人「セルマ」はボーミンやダックスとは違った強かさを見せてくれます。PS4パッケージ版/スイッチ版のデラックスエディションでは、DLC「Seed of Evil」も収録。特徴的な角を持つベテランストーカー「ビッグ・カーン」も登場します。
◆信じれば救われますか?ヤバい組織!
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本作では、「グール」と呼ばれる暴力的な生存者も登場。彼らにもグループが存在して、「長官」が率いる軍隊のような組織もあるのです。その中でも特に終末らしさが溢れ出ているのが「ノヴァ教団」。教団員が各地でグールとともにたむろしており、度々出会うことになります。
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ゲーム中では神父が「我が子たちよ」と呼びかけ、甘い言葉でグールたちを魅了、統率する姿を見られます。知能が低いせいか、グールたちもノリノリ。怪物を使役している敵対組織、という点ではまさに悪役といった趣です。ちなみに神父は電撃を操って味方を強化したり、範囲攻撃をしたりしてきます。スピリチュアルパワー、信じるものは力を得る。
また、本作は「ステルス要素」もキモのひとつ。構成員の1人を1ターンで倒せないと味方を呼んで集団戦にもつれることになります。そうなってしまうと、「資源の足りなさ」や「体力の低さ」が足を引っ張るジリ貧の戦いに…‥。ズルくても生き延びるためには不意打ちを欠かさないようにしなければならない、というシビアなところからも終末感が感じ取れます。
◆考え方次第ではガラクタも宝物!
核戦争、疫病、気候変動で滅びてしまった人類(古代人)ですが、ゾーンで拾うことができる特殊なアイテム“遺物”では、かつて栄えた文明を感じることができます。バッテリーやラジカセなど、古代人なら身に覚えがあるような代物ばかりですが、この世界の生存者たちにとっては神秘の塊。そんなものを集める物好きもいるようで、実際に「フリップの店」では遺物をポイントに還元し、スキルを獲得することができます。
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遺物を拾った際に表示される説明文も、なかなかにポストアポカリプス。例えば「おしゃれな果実検査器」は、崩壊以前の古代人からすればただの「ミュージックプレイヤー」なのですが、これを記録した者によれば、それはおまけ機能なのだそう。「果実の熟成度合いを調べるために使われていた」と説明されています。「知らないからこそ想像で補う」という彼らのたくましさから学べるものもあるかもしれません……たぶん。
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装備アイテムにもユニークな発想は活きています。「早くキスして(KISS ME QUICK)」と書かれたデザインの帽子がエレガントな「子孫繁栄の冠」として紹介されていたり、アイスホッケー用の防具が「剣闘士のアーマー」と紹介されていたり、使い方はあっているような、間違っているような……というものばかり。装備品は宝箱に収められていますが、周りの環境と照らし合わせてバックストーリーを考えてみるのも面白いかもしれません。
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アーマーがあったり、クリティカル率を上昇させたり、と効果もそれぞれ違っており、キャラクターの特性にあわせた装備をあてがう楽しさも。見た目もその通りに変更されますから、ちぐはぐな格好になってしまうこともしばしばです。ありあわせの武器で戦う、という点も資源の少なさを悟らせます。なお、本作では敵はリスポーンしないため、通貨となるスクラップやレベルを稼ぐことができません。資源の少なさという点ではかなりハードコア。
◆先人たちのメッセージで辿る、古代に起きた物語
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アークを探索していると、古代人が誰かに宛てたメッセージ(ノート)を拾うこともあります。当時の状況を克明に記したものから、単なるメッセージまで種類は様々。
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少し切ない内容だったり、近くに遺体(骨)があったりと、それぞれ想像するには十分すぎる材料が残されています。トンネルでは車が渋滞していたり、キャンプ場には家族らしき白骨死体があったり……各々が迎えた世界の終わりは少しずつ違ったもののはず。そこに思いを馳せるのも面白いでしょう。
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中にはストーカーが残したものもあり、こちらは先人の知恵として使えます。ある場所の危険を知らせる内容の場合、実際にその場所の推奨レベルが高い、といった具合です。「人の話を聞かない奴から死んでいく」……そんな世界ということでしょう。
本作は終末を舞台にした世界観ながら、今を生きるプレイヤーたちの世界との繋がりを感じさせる少し不思議な面白さを持っています。既に楽しんでいる方には普段とは少し違う視点を、未プレイの方には本作の面白さを感じていただけたら幸いです。
DLCも収録する『ミュータント・イヤー・ゼロ:ロード・トゥ・エデン デラックスエディション』は、11月21日にPS4版(パッケージ)およびニンテンドースイッチ版(パッケージ、ダウンロード)が発売予定。PC/PS4版(ダウンロード、DLC別売り)は各ストアページで配信中です。