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いよいよ発売日が11月20日に迫った『ゼルダ無双 厄災の黙示録』。10月28日に配信された体験版では1章がプレイできましたが、その先が気になって仕方がない方もいらっしゃるのではないでしょうか? 本稿では一足先に2章までの内容をインプレッションしていきます。3rdトレーラーで明かされた四神獣の操作についても触れていきますので要チェック!
◆「BotW」にトコトン忠実!
まず気になるのは、どこまで『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下『BotW』)』に忠実なのかというところ。見た目は一目瞭然ですが、プレイしてみるとそれ以外の部分もしっかりと再現されていることが分かります。
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例えばメニュー画面のユーザーインターフェース、フォント、目的地、ホーム画面にあたるマップの拡大・縮小の動きなど、『BotW』そのままです。「注目」した敵以外がボケて集中しやすくなる演出までも再現されています。過去作『ゼルダ無双』ではモード選択画面が存在しましたが、本作ではすべてマップ上で完結するため、一度画面を戻って選択し直して……という手間も省け没入感バッチリ。
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『BotW』はオープンエアーな世界であるため、「ステージに落とし込んで果たして無双の遊びは成立するのか?」という疑問があるのではないでしょうか。しかし実際にプレイするとステージの切り取り方が絶妙で、『BotW』で観た象徴的な建物・オブジェを必ず見つけることができ、「間違いなく100年前の世界だ」と感じます。
また、無双といえば「拠点制圧」ですが、従来の無双のようにわかりやすく区切った拠点があるのではなく、元のマップに自然に溶け込む形に。
『BotW』との相違を挙げるとすれば、「がんばりゲージ」「武器防具の耐久値」「防具による防御力強化」がない点。ここは無双の爽快アクションを重視した上で外したのでしょう。そのおかげで、リンクでプレイした際には「100年前に文字通り無双していた頃のリンク」を体感することができるというわけです。
◆「BotW」の操作を無双風にアレンジ
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無双の基本アクションはそのまま、『ゼルダ無双』に登場したウィークポイント削りが実装されています。ウィークポイントを削り切ったあとのスマッシュがなんとも爽快!
もちろんゼルダおなじみの「注目」もあります。R押し込みで注目、ZLでガードなので、『BotW』とはやや使用感が異なりますが、注目したままBで回避アクションは健在。『BotW』のように回避からのラッシュ攻撃を繰り出すこともできます。技のレパートリーが増え、ますます戦略的なアクションが堪能できるようになりました。
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シーカーストーンアイテムはプレイアブルキャラクター全員が使用可能。『BotW』よりも強化されており、キャラクターごとに個性があって、こちらもつい試したくなります。
リキャストは全アイテム共通になっているため、ビタロックをかけてすぐリモコンバクダンを出すという『BotW』的な動きはできませんが、その分出しどころにプレイヤーの個性が出てくるでしょう。
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リンク以外もパラセールを持っており、飛びあがった状態から攻撃を繰り出すこともできます。アイスメーカーが飛び出したタイミングでパラセールを開いて攻撃!なんてことも可能。
さらには新しいアクション「三角飛び」を使えば、回避アクションをして壁を蹴って飛びあがり上段から攻撃……という流れを作ることができ、無双らしい魅せるアクションにプラスして、空中戦がかなり強化された印象です。
先にも触れた通り、がんばりゲージや武器防具の耐性がない分、あらゆるアクションを駆使して豪快に遊ぶ本作は、『BotW』のアクション特化型ゲームであると感じました。
◆個性が光るプレイアブルキャラクター
体験版で使えるリンク・インパ・ゼルダ、2章から使えるようになる四人の英傑のミファー・ダルケル・リーバル・ウルボザについて、その使用感をご紹介していきます。
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まずはリンク。「100年前の全盛期」というだけあり、第1ステージから豪快に無双しまくりです。必殺技の回転斬り、ウィークポイント削りからのスマッシュ攻撃など、主人公らしいカッコいい技が多く、初心者にも優しいです。盾によるジャストガードもしっかり再現!さらに、リンクは片手剣だけでなく、槍や両手剣など武器のバリエーションも!それぞれでまた違ったアクションを楽しむことが出来ます。
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プレイアブル化が発表され「カワイイ!」と話題になったインパ。固有技は敵に付与した「印」を攻撃で吸収し、その力で分身するというもの。シーカー族が持つ「忍び」っぽいアクションですね。これまでの無双シリーズの中でも、とりわけトリッキーな攻撃スタイルだと感じました。『BotW』のDLCコンテンツ「英傑たちの詩」のボスであるミィズ・キョシアに近いバトルスタイルです。パラセールの代わりの「むささび飛び」も忍者感があってカワイイ!
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ゼルダ姫はレイピア等の武器を使わず、ひたすらシーカーストーンを用いて攻撃します。学者肌のゼルダ姫らしいですね。シーカーストーンによる通常攻撃を理解するのに少し苦労しましたが、他のキャラクターよりもシーカーアイテムが強化されているので爽快感はバッチリ。
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ミファーは水柱を出して飛びあがって上段からの槍攻撃を繰り出す固有技が特徴。ウィークポイントを削ってからのスマッシュ攻撃は『ゼルダ無双』のルト姫を思い出し、一族の絆を感じさせてくれます。小ぶりなバクダンをいくつも出取り出して攻撃するリモコンバクダンも、小柄なミファーらしさが出てますね。武器はもちろん光鱗の槍です。ミファーのシナリオでは、幼少期のシドとのやり取りにも注目!
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ダルケルは転がって敵を蹴散らし、岩砕きを振り回して豪快な攻撃を繰り出します。が、個人的には守りの力がとにかくありがたい! 大きな体でパラセールを使う姿がなんとも可愛らしいです。強攻撃でマグマを出した後に爆発させる固有技も強力! 初心者にやさしいかもしれません。
シーカーストーンアイテムはどれも豪快にすっ飛ばす仕様になりました。ダルケルのシナリオでは、リンクとどのように「相棒」になっていくかという点にスポットが当てられています。
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先にも触れましたが空中戦が強化された印象の本作。それを最大限に発揮してくれるのがリーバルです。浮いた状態からの弓矢による範囲攻撃はとてもクール。動きも素早く、地上でも矢の連続撃ちで華麗に決めてくれます。リーバルのシナリオでは、PVでも話題になっていた、リンクとリーバルがなぜ戦ってるのか!?が描かれます。
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雷の力を溜めて曲刀に雷属性を付与し攻撃するウルボザ。金属武器を使う敵と対峙して、これほど頼もしいキャラクターはいません。雷を落とす派手な技もさることながら、まるで踊るような攻撃スタイルが美しく目を楽しませてくれます。『BotW』のゲルド族はイーガ団との因縁浅からぬ関係でしたが、どうやらそれは100年前から変わらない様子。100前から苦労させられているんですね……。
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◆シューティングのような爽快感!四神獣で暴れまくれ!
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3rdトレーラーで操作可能であることが明かされた四神獣についても触れていきましょう! 2章ではヴァ・ルッタ、ヴァ・ルーダニアが操作できます。いきなり4体操作はできませんでしたが、序盤から2体も使えてしまうなんて太っ腹です。
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神獣を使ったバトルはとにかく爽快! 神獣にはRの通常攻撃、リキャストが入るZRの強攻撃、身体を用いたYの攻撃、Aの必殺技、Lの迎撃技があります。
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筆者のお気に入りの技はヴァ・ルッタの強攻撃。氷の千本槍をホーミングミサイルのようにロックオンして撃ち、敵を蹴散らします。あっという間に3000K.O.いってしまいました。これぞまさに無双! 神獣戦はまるでシューティングゲームのような面白さがあります。ジャイロのオン/オフを決めることができるのでお好みで!
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ヴァ・ルーダニアは攻撃場所を指定し、しっぽを叩いてマグマの岩を落とす強攻撃が特徴。『BotW』ではヴァ・ルーダニアに近づく際に同じ攻撃を受ける側でしたね。まさか自分で操作できるとは!
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リンク達が苦戦した強敵が束になってかかってきても、モノともしない力強さ! 『BotW』で厄災ガノンに大打撃を与えた必殺技も強力で、「もし神獣が厄災ガノンの手に渡っていなかったら勝てた」と思わせてくれます。
ヴァ・メドーとヴァ・ナボリスは先の章までおあずけですが、3rdトレーラーを見る限り、こちらもかなり楽しめそうです!
◆謎のガーディアンは一体何者?先が気になるストーリー
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物語はゼルダ姫の能力が開花していないこと、四人の英傑に神獣の繰り手になってほしいと頼みにいくこと、誰が操縦上手くて誰が苦手か、細かいところまでちゃんと『BotW』にあった通り。しかし、謎の卵型のガーディアンの存在が気になるところ。このキャラクターの存在がどのような展開をもたらすのか、その先が楽しみで仕方がありません。
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また、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』知られざる100年前の記憶【2】で触れられたイーガ団と謎のローブの男の存在も気になるところ。2章にもちらりと登場するこの男、物語にどんな影響をもたらすのでしょうか……!?
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こちらはイーガ団の幹部らしき人物。こちらも気になっている方も多いのではないでしょうか?彼はコミカルな面が目立つイーガ団の中で少し異色なキャラクター。どのように物語に絡んでくるのか、こちらにも注目です。
◆『BotW』の世界に無双を持ち込み、徹底的に遊びやすく
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トレーラーにてコログが登場することが明かされましたが、それ以外にも『BotW』の小ネタをちらほら発見! まず2章で遊べる四人の英傑のシナリオはそれぞれのテーマ曲がアレンジされていてとても豪華です。100年前の街並みが見られるのも嬉しいところ。
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さらに2章ではハイラル兵士訓練所が解禁され、キャラクターのレベルをあげることが可能になります。服の色を変えられる「東風屋」や、カカリコ村の素材屋が100年前も変わらず営業していることも確認できました。『BotW』では廃墟になってしまった街にもちゃんとお店があり、「100年前なんだなぁ」と実感します。それから忘れてはいけないのは料理。厄災によって失われてしまったものもあり、新たな発見があることでしょう。
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「寄り道要素」であるルミーや温泉も確認!本作は無双ではありますが、『BotW』の醍醐味でもある小ネタ収集や探索の余地を十分に残していると感じました。特に拠点の扱いに顕著に表れていて、従来の無双のように拠点兵長があちこちでピンチに陥って救援を求めたり、救援のために奔走することがほとんどありません。
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それで物足りなさを感じるかと言ったらそうでもなく、程よくミッションがあり、程よく敵が強く、程よくマップが広いため、中だるみなく楽しめます。味方キャラに指示を出したり、操作キャラを切り替えたりすれば時間短縮になり、戦場を行ったり来たりする手間もなく、ちょうどいいステージに仕上がっています。
これらは無双らしさが損なわれない範囲で徹底的に『BotW』の世界に寄り添った結果ではないでしょうか。無双本来のミッションの手数の多さを少し削った分、『BotW』らしいアクションやアドベンチャーを詰め込み、ちゃんと『BotW』の地続きであることが実感できるようになっているのです。無双シリーズをプレイしたことがない方にも、無双シリーズが好きな方にも安心しておススメできます。
2章までのプレイということで、ストーリーはまだまだ始まったばかり、マップにもまだまだ余白があり、これからどんな展開が待っているのかワクワクが止まりません。気になる方はぜひ体験版をプレイし、リンク達を鍛えつつ製品版を待ちましょう!