11月29日に開催された、同人ゲームイベント「デジゲー博2020」。様々なゲームが並ぶなかでも、そのビジュアルやゲームプレイをひっくるめ、とびきりビデオゲームとしての鮮やかさを見せるタイトルが展示されていました。
それが『シューフォーズ-SUPER UFO FIGHTER-』(以下、『シューフォーズ』)です。本作が押し出しているのは「UFO vs UFOによるガチンコスポーツ!」。ポップで魅力的なピクセルアートで描かれたビジュアルと、UFOを操作して闘う楽しさを併せ持ち、真正面からビデオゲームの面白さを見せつける出来栄えとなっていました。
ガチャガチャのカプセルをぶっ壊して、目標のアイテムを奪いだせ!
『シューフォーズ』は自らガチンコスポーツと名乗っているように、基本はUFOキャッチャーを模した対戦型のアクションゲームです。ふたりのプレイヤーはUFOを動かし、ターゲットとなるアイテムを先にキャッチして、自分の陣地にあるパイプまで持って行って、落とすことができた方が勝者となるのです。
UFOはどれも同じ性能ではありません。プレイヤーは好きなキャラクターを選び、キャラクターが持つUFOを操って試合に望むことになります。各キャラクターはバランスタイプやテクニカルタイプなど個性があり、UFOの能力も変わっていきます。プレイヤーの肌に合ったタイプを選べるようになっているのです。
ターゲットのアイテムは最初からみえているわけではありません。試合が開始されると、まずはフィールドにガチャガチャのカプセルが次々と落ちてきます。UFOの打撃によって、カプセルを壊すことでアイテムが出現。ターゲットのアイテムが出るまで両プレイヤーは探しあうかたちになります。
いよいよターゲットアイテムが出現すると、両プレイヤーの争奪戦が加速。試合は一気に熱を帯びてきます。
UFOの吸い込み機能によってターゲットを自陣に持っていこうと競い合います。UFOは打撃によって相手を邪魔することもできるため、お互いを殴りあいながらターゲットを奪い合う展開になっていくのです。
さらに熱いのが、自陣のパイプにターゲットを落としたとしても、ターゲットが完全に落ちきるまでは逆転のチャンスが残されていることです。相手が自陣のパイプにターゲットを落としたとしても、ギリギリまでUFOでターゲットを吸い込めるのです。『シューフォーズ』をゲームプレイしてみて、このせめぎ合いはすごく盛り上がるポイントでした。
ステージも、ターゲットの奪い合いを盛り上げるようなギミックが凝られています。自陣にターゲットを持っていこうとすると、壁が上下する場所があったり、間欠泉が湧き上がったりして奪い合いにも幅が出るようになっているのです。ステージによってギミックは変化するため、戦略も変わってくるようです。
(ほぼ)大学生のチームワークによって作られた、完成度を磨き上げた一作
能力持ちのUFOキャッチャーによるアイテム奪い合い対決は、ビビッドな色使いによるピクセルアート、そして見やすいUIデザインとも相まって、とてもポップな印象を残すものとなっています。
ゲームメカニクスやゲームプレイのバリエーションの上に、魅力的なアートワーク、遊びやすくするUIなど、簡単に試遊した範囲でも圧倒的な完成度の高さが見られました。
ここまでのビデオゲームを作り上げる、制作チームのブイブイラボとは何者なのでしょうか? お話をうかがうと、なんと大学生のチームであり、本格的なビデオゲーム開発に取り組んだ作品が本作が初とのことです。
「厳密には大学生じゃないんですが……」とも語っていただきました。本作の開発は2年におよんでおり、そのうちには大学生じゃなくなってしまったメンバーもいるとのこと。
それにしても初めてのプロジェクトで、ここまでの完成度の高さに仕上げていることに驚かされました。やはり少数制作の場合、メンバー間で制作進行に対して諍いが起きたりしないか? をうかがってみると、「まず、怒らないことですね」ととてもまっとうな制作姿勢がわかる回答が返ってきました。
「そっちの仕事が終わってない! みたいに怒ってしまうと、チームの連携が悪くなります。それを避けています」と、品質の高い作品を作るためにチームの維持もきっちりしているとのことでした。
『シューフォーズ』は2021年にSteamにて公開を予定。本作についての最新情報は公式Twitterが発信しています。