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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで今回は2021年2月19日に、KuboldよりSteam版が配信された『Hellish Quart』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Hellish Quart』とは
本作は、剣術を専門とした3D格闘ゲームで、1~2回の攻撃のヒットで試合が決着する緊張感の高いゲームプレイが特徴です。17世紀のポーランドを舞台に活躍する近世ヨーロッパ各国の剣士のリアリスティックなモーションや、剣の攻撃による流血描写やゴア表現による生々しさがプレイヤーの注目を集めています。
また、『ウィッチャー3』のアニメーションを担当したスタッフが開発していることも話題になっており、ストーリーモードの予告編映像や本作の民族音楽風のBGMから『ウィッチャー3』の強いエッセンスが感じられます。
2020年10月に公開されたSteamフェスティバルのデモ版(過去のプレイリポート記事はこちら)では登場キャラクターがポーランド騎兵とタタール人、コサックの男性3人でしたが、アーリーアクセス版ではレイピア使いのフランス銃士とロングソードを持つ剣士の女性2人が追加。2021年3月時点では7つのステージが実装されています。アーリーアクセス終了時には全12人のキャラクターと全12ステージが収録される予定です。
『Hellish Quart』の内容に迫る!
ゲームシステムはいわゆる3D格闘ゲームで、四方向の移動(スティック、十字キー、WASDキー)と、四方向の攻撃(Xboxキー配置のXボタンが左上、Yボタンが右上、Aボタンが左下、Bボタンが右下)、LRボタンの同時押しで掴み、Lトリガーでロングガードをします。なお、キャラクター同士の距離が近い場合は攻撃が剣の他にパンチやキックで相手の体勢を崩して隙を作ることも可能です。
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試合は三本先取制で、相手プレイヤーの武器の持ち手や胸や頭部といった箇所に致命傷を与える、もしくは一定以上のダメージを蓄積させることで相手プレイヤーを倒せます。
プレイして最初のうちはボタンを適当に連打して剣先をぶつけあうだけでも楽しめますが、しばらくして安定して勝てるようになりたいと思い始めます。とはいえ、筆者のように格闘ゲームの経験が少ないプレイヤーでも尻込みする必要はありません。なにぶん、一撃でも攻撃が当たれば勝負が決まるので、攻撃ボタンに対応する攻撃方向を覚えながら相手との間合いを維持するだけで十分に戦えます。
上達を目指すのであればポーズ画面に表示されるコマンドリストをスクリーンショットで撮影して、ゲーム画面と並行して見ながら戦うといいでしょう。
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プレイヤーが勝利に近づくための近道は防御を知ることです。本作は攻撃していない状態では基本的にガード扱いとなり、攻撃中でもキャラクター後ろの方向にキーを入力することで攻撃モーションをキャンセルできます。通常のガードは剣を垂直方向に、ロングガードは水平方向に剣を構えますが、ガード中でも敵の剣がプレイヤーの身体を切り裂けば容赦なく負けるので、相手の剣の向きを予想しながら適切な間合いを維持することが重要です。
ロングガードから攻撃を決めるとパニッシュと呼ばれる相手の首を切り落とす特殊攻撃が決まります。むやみやたらと攻撃するだけではスタミナが減って隙が生まれやすくなるため、フェイントで相手の攻撃を空ぶりさせたり、的確に剣の方向を制御して攻撃を防ぎながら反撃の機会を伺うことが勝利の鍵となるでしょう。両者の攻撃のタイミング次第では相打ちによる引き分けにもなりますが、この場合はどちらのプレイヤーも勝利数がカウントされません。
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ゲームのモードは現時点でCPUとの対戦(AIの難易度は四段階)、プレイヤー同士の対戦(オンライン対戦はSteam Remote TogetherかPersecを利用)、サバイバルモード(CPUとの勝ち抜き戦)の三つが用意されています。練習モードも用意はされていますが、剣が木の棒に変更される以外の機能は実装されていないので、まずはCPUとの対戦を繰り返して慣れていきましょう。
なお、今回はSteam Remote Play Togetherで筆者の友人とプレイした動画として用意しました。3D格闘ゲーム初心者の筆者とブシドーブレード(本作とコンセプトが類似している有名な一撃必殺の剣戟格闘ゲーム)のプレイ経験がある友人の組み合わせとなっています。
本作のチュートリアルはプレイ動画とコマンドの併記のみに留まっており、プレイしながら学べるものではありません。そのため、格闘ゲームのセオリーがわかっている人であれば苦労しないと思われますが、そうでない人にとっては慣れるのに時間がかかるでしょう。今後のアップデートでチュートリアルの充実に期待したいところです。
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本作は武器が剣戟限定とはいえ、キャラクターごとにロングソード、サーベル、レイピアなど、武器の種類や長さ、キャラクターの体格によってプレイ感覚がかなり異なります。基本的にはリーチの長い剣で攻撃の弾き合いになるのですが、サーベル使いのコサックとレイピア使いの銃士の2人は上級者向けだと感じました。
コサックのキャラクターは近距離の取っ組み合いが得意ですが、取っ組み合いができるほど間合いを詰める前に剣でバッサリと切られるリスクを背負います。レイピアの銃士は刺突が得意な一方で切る動作が弱く、レイピアのリーチも短いため間合いを詰めすぎるとレイピアの攻撃が届く前に相手の剣でバッサリと切られます。格闘ゲームに慣れない人はリーチの長いキャラクターを使うとプレイが安定するでしょう。
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高品質なビジュアルながら、気になる点も……
本作の3DCGのビジュアルはインディーゲームとしてかなり高水準です。記事の冒頭でも触れたように、『ウィッチャー3』のアニメーションを担当したスタッフが中心に本作を開発しており、酒場、草原、処刑場といったステージのロケーションも同作冒頭の舞台「ホワイト・オーチャード」や「主なき地(ヴェレン)」を想起させます。
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実際に剣を振る舞っているように感じられる重量感のある動きは、傷の痛みや命のやり取りを想起させる流血描写と相まって一触即発のゲームプレイの緊張感を増幅します。先ほど相手の頭部を叩ききるパニッシュについて言及しましたが、逆に言うと頭部以外の部位は欠損せず、真っ赤な傷跡の線が引かれて少し血しぶきが漏れる程度に描写されます。欧米のゲームの暴力表現にある程度の耐性があれば、本作の描写を拒絶することもないでしょう。オプションでゴア表現をなくすことも可能なので、ゴア表現が苦手な方でもプレイできます。
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基本的には美麗な本作ですが、キャラクターの顔の表情(特に目)が全く動かないため表情が死んでいることにどうしても違和感を覚えます。ゲームをプレイしている際は気になりにくいですが、勝利時にカメラがキャラクターの顔に近づくとどうしても意識せざるをえません。
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■おわりに
本作の魅力は、近世ヨーロッパの雰囲気に浸りながら緊張感のある対戦アクションを短時間で楽しめる点にあります。短時間で試合が決着する分、プレイヤーの思考がシンプルになるので格ゲー初心者でも入りやすいです。チュートリアルやシングルプレイのボリュームが充実し、オンライン対戦の機能がきちんと実装されれば満足度の高い剣戟対戦格闘ゲームになるでしょう。タイトル:Hellish Quart
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年2月17日(Steam版)
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:1730円
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