エレクトロニック・アーツよりついに発売された『Mass Effect Legendary Edition』。
名作として聞いたことはあるけれど、観たことはない映画。評判は良いけれど、行ったことは無い飲食店。近くて遠い外国。そんな経験が誰しも一度はあるはずです。筆者にとって『Mass Effect』シリーズはそんな存在でした。
その評判は、あの『Anthem』を開発したBiowareはかつて傑作を送り出していた。という評判でもあるし、最終的にエンディング拡張DLCが出るという、ゲーム史に残る『Mass Effect 3』の「エンディング論争」の評判でもあります。とにかく、プレイしたことの無い『Mass Effect』シリーズに何やらどでかいエネルギーがあるらしい。と知ってはいたものの、今日までプレイする機会がありませんでした。
しかし、去年末には次回作も発表され、これから盛り上がること間違いなしな本シリーズ。本記事では、そんな、機会を逸しつつも気になっていた方に同作を紹介していきます。
『Mass Effect Legendary Edition』ってどんなゲーム?
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本作は『Mass Effect』『Mass Effect 2』『Mass Effect 3』の3作と40以上のDLCがPS4やPS5、XboxOneやXbox Series Xで一挙に遊べるようになるだけでなく、4K Ultra HDやHDRへの対応、オーディオの音質やキャラクターカスタマイズなどにも改善が施されたリマスター版です。
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『Mass Effect』シリーズは火星で見つかった(先駆文明の物質)のリバースエンジニアリングで本格的に宇宙入植が進んだ22世紀を舞台に、プレイヤーは地球連合軍のシェパード少佐(女性の場合はジェーン少佐)として多くの異星文明や惑星、異星人との交流の場である「評議会」を股にかけ活躍していくゲームシリーズで、世界観の近い他作品としては映像作品「スタートレック」シリーズや小説「老人と宇宙」シリーズが挙げられるでしょう。
ゲームシステムは基本的に3人称視点で進行するオーソドックスなTPSですが、自身の装備変更はもちろん仲間の装備変更や能力値の割り振り、「クラス」システムなど、RPG要素の強いゲームとなっています。
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また、本作の特徴でもある、会話システムによるストーリー分岐は前作のセーブデータを引き継ぐことで、『Mass Effect 1』の結末を『Mass Effect 2』に反映させたり、『Mass Effect 2』の結末を『Mass Effect 3』に反映させたりできます。
では早速、ゲームの立ち上げから『Mass Effect』の序盤までをプレイレポしていきます。なお、記事内で触れる変更点に関してはエレクトロニック・アーツとBiowareから提供されているアップデート詳報を元に記載していきます。
ゲームの立ち上げ
今回はPC版でプレイしていきますが、PCの場合はSteamとエレクトロニック・アーツ直販のOriginに分かれています。記事執筆時点(5月15日14時)ではSteam版にはゲームが起動しない不具合が存在するようです。起動に関する不具合は致命的な為、最優先でアップデートされるでしょうが、Steam版を購入しようとしている方は気を付けた方が良いでしょう。
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Originでゲームを起動すると各タイトルを選ぶランチャーが表示されます。この時点ではPCに接続したPS4コントローラーを使用できましたが……
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タイトルを選びゲーム本編を起動するとコントローラーが効かなくなってしまいました。この現象は1~3までの全タイトルに共通しており、設定を確認しても改善の糸口を掴めませんでした。ランチャーでは適切に機能するというのも疑問符がつくところです。
こちらも改善されていくでしょうが、今のところOrigin 版ではPS4コントローラーが使用できないのは注意すべきところです。
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ちなみに、ゲームを開始しても字幕を有効化させないと日本語が表示されないので、ゲームを始める前に設定から字幕設定を有効化することをおすすめします。
出自まで決められる!キャラクリエイト
気を取り直してマウスでプレイしていきます。新規ゲームを選ぶと演出の後、キャラ作成の画面になります。
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キャラ作成では主人公の性別や出自、経歴といったゲーム以前の物語を選択できます。
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顔に関しても、それほど多くは無いですが、様々なビジュアルに変更できます。
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今回は主人公らしい要素を詰め込み、このような設定ではじめてみました。
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ちなみに、キャラクリエイトで選んだ出自はゲーム中のコーデックスで詳細を確認できます。
序盤の物語
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物語は試験航行中の宇宙船ノルマンディー号から始まります。
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と、いきなり明らかな地球外生命体が艦橋に。彼は銀河の秩序を安定させる目的で異星文明が集結した「評議会」から派遣されたお目付け役のナイラス。すると、ナイラスに話があると呼ばれ、試験航行の真の目的は惑星「エデン・プライム」で発見された先駆文明プロセアンの遺物「ビーコン」を回収することだと告げられます。
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しかし、話の最中で緊急入電が。どうやらエデン・プライムは機械生命体ゲスにより侵攻されているようです。しかし、ビーコンを渡すわけにはいきません。そこで主人公率いる少数部隊がエデン・プライムへと潜入することになりました。
物語の導入の時点で画面は違和感なく美しくなっており、現在の多くのゲームと比べても遜色ありません。もちろん、最高峰のグラフィックというわけではありませんが、オリジナル版の発売が14年前であることを考えると十二分に美しくなっています。
単なるテクスチャの改善だけでなく、ライティングや音響、会話シーンにおける被写界深度といったビジュアル上の要素が追加されているようです。
快適になった戦闘
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エデン・プライムに降り立つと早速、機械生命体ゲスと戦うことに。
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基本的な戦闘はオーソドックスなTPSですが、本作の特徴は仲間に指示を出せること。敵を指定しての攻撃指示や移動指示ができます。オリジナル版では移動の個別指示が不可能でしたが、本作では個別に指示を出すことで火力の集中といった戦術をとれるようになりました。
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部隊メンバーのメニューから上げられる能力値は一定まで上がるとアビリティが解放され、戦闘中に使用すれば敵に対し優位に立てます。アビリティに関してはオリジナル版よりも強化されているようです。また、メディジェル(回復)のクールタイム時間の短縮や遮蔽物に身を隠すカバー挙動が改善された他、武器の照準精度も向上しています。全体的に戦闘はストレス要素が削られ、快適になったようです。
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ちなみに、前作は戦闘時以外では走れなかったようですが、本作では基本的にどの場面でも走れるようになっています。とはいえ、ダッシュ時はすぐ息切れしてしまう印象があります。もしかすると能力を上げていけば改善されるのかもしれませんが、戦闘外でも持久力を気にせざるを得ない現状は少し残念です。
Mokoと呼ばれる惑星探索車両に関しては、運転時のコントロールを向上させるカメラ連動ステアリングやタレット銃のレティクルの改善、物理演算の改善、溶岩に突っ込んでも即座にミッション失敗にならないと、快適性が大幅に向上しています。
フォトモード
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『Mass Effect Legendary Edition』ではフォトモードも搭載されています。フォトモードでは、カメラ・レンズの種類や焦点距離、被写界深度、ぼかしの強さといった基本的なことはもちろん、キャラクターや車両のモデルの表示を消すこともできます。
ちなみにフォトモードで撮影した写真は#MassEffect や#MyShepardといったタグでシェアしてね、と呼びかけられています。皆さんも宇宙の冒険を切り取ってみてはいかがでしょうか。
ここまで紹介してきた『Mass Effect Legendary Edition』ですが、リマスター前のゲームプレイ動画と比べてもグラフィックが大幅に美麗になっていますし、細かな挙動に関しても手が加わり、14年前の過去の名作が現代に蘇っています。
Steam版での不具合といった技術的な問題は存在するものの、この問題も解決策があるようです。(筆者はOrigin 版の為、自信を持って解決しているとは断言できない状況です。)また、残念ながらオリジナル版に存在したオンライン対戦にも対応していません。
しかし、『Mass Effect』に興味がある方なら、3部作を通して体験でき、さらに膨大なDLCまで最初から導入されている『Mass Effect Legendary Edition』から始めて間違いありません。そろそろ梅雨に突入し家で過ごすことが多くなる季節、様々な知的生命体が入り混じる壮大な銀河で冒険するのいかがでしょうか。