海外版のファミコン「Nintendo Entertainment System(通称、NES)」で発売されたゲームタイトルは、日本版と同内容にもかかわらず登場するキャラクターが全く違ったということが多々あります。
特に人気のある漫画やアニメのキャラクターを用いた、いわゆる“キャラゲー”と呼ばれるジャンルは版権等の問題があり、差し替え対応となることが多い時代でした。
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しかし版権だけではなく、単に現地での「知名度」が低いためにキャラクターが差し替えされたケースも存在します。
今回取り上げる「オバケのQ太郎」もまた、インターネットが存在しない当時の海外では、限られたマニアのみが知る作品でした。そのため、1985年にバンダイより発売されたファミコンソフト『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』のローカライズもまた、今振り返ると「どうしてこうなった?」と思うような事態になってしまったわけです。
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藤子不二雄さんによる不朽の名作漫画(アニメ)『オバケのQ太郎』をテーマとした本作。慣れればなんとかなるものの、少々難解な操作感とゲームシステム。そして、子供向けとはいえない高い難易度を誇っていました。僕の個人的な記憶ですが、自分も含め、友人の間でも全面をクリアしたというのを見たこともない聞いたこともなかったです……。
さて、そんな作品は海外でどのように発売されたのか。とにもかくにも、日本のカルチャーが世界に伝わっていなかった時代です。日本では知らない人はいない「オバケのQ太郎」も、海外では知名度が低く、他の“版権モノ”タイトル同様、キャラクターを差し替える対応が取られました。
それではどのように差し替えがされているのかを見ていきましょう!
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まずはタイトル画面。日本版はゴージャスかつ賑やかな装飾がされ、Q太郎が動き回るものでしたが、海外版は意外とシンプル。タイトルも『CHUBBY CHERUB』と変化しています。
これを直訳しますと、「ぽっちゃりとした天童」。つまり、ちょっと太った天使、神様の子供的な解釈なるかと思います。オバケが天童になってしまいました。
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気になるゲーム画面がこちら。画面真ん中少し上の主人公が、「Q太郎」から差し替えられたキャラクター“ぽっちゃり天童”です。た、確かにぽっちゃりとした天使に見えなくもないですが、なかなかのお姿ですね……。
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ゲームは主人公がマップ上に点在する食べ物を食べ、バイタリティーを回復させながら進んでいきます。おにぎりやペロペロキャンディー、団子、イチゴ、ケーキなどが出てくるのですが、驚くべきことに食べ物の種類は日本版・海外版共に同じです。
日本特有の表現と思われる、おにぎりや団子もそのまま登場。これ、当時のアメリカンキッズたちは、おにぎりや団子を見てどう思ったのでしょうか?ぜひ、知りたいものです。
なお主人公の「Q太郎」以外に、各ステージに登場する人間やU子さん等の仲間たちも差し替えがされています。いくつか見ていきましょう。
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まずは姉御肌の豪快なオバケの仲間、「U子」さん。そもそも日本版からドット制限もあって『犬神家の一族』スケキヨ的になっていますが、海外版はなんだかスカしたイケメンオバケになってしまいました。
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そして可愛い弟「O次郎」ちゃんは、これまたちょっとアメリカンな少年に。どうしてこうなった……。
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キュートで可愛いしっかり者、妹の「P子」ちゃんもご覧の通り。一体……。
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オバケたちはみな、面影なく変わってしまいました。最後にヒロインである「よっちゃん」はどう変わっているのでしょうか?
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…た、大して変わっていないよ……。リボンに小さなドットが入って、笑顔になっただけでした。
ということで、今回は『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』の海外版を紹介いたしました。レトロゲームにおけるローカライズにはまだまだ「嘘だろ!」と言いたくなるような作品が多数存在しています。これからも定期的に書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
SUKESANでした、お読みいただきありがとうごさいました!
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