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「デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回は名作ファンタジーボードゲーム『テラミスティカ』から派生したSF戦略ボードゲーム『ガイアプロジェクト(Gaia Project)』をお届けします。
本作はDIGIDICEDによって、2021年5月31日にSteamで配信されました。同社は『テラミスティカ』以外に、『ワイナリーの四季(Viticulture)』や『コットンガーデン』『アグリコラ 牧場の動物たち(Agricola: All Creatures Big and Small)』といった有名ボードゲームのデジタル版をSteamで配信してきています。
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本作の元となる『テラミスティカ』ですが、2012年にドイツで発売された後、翌年のドイツゲーム大賞を受賞しました。ファンタジー世界「テラミスティカ」を舞台とした、種族対抗の覇権争いゲームです。
大型ボードゲームだけあってルールは結構複雑。しかも種族ごとにプレイ方針がガラッと変わってしまうため、プレイが出来るようになるまでのハードルがそこそこ高いのですが、いったん遊び方が分かると、戦略性と中毒性の高いゲームに早変わりします(筆者も『テラミスティカ』が好きで、以前自分のブログに種族別攻略情報などを書いていました)。
本作『ガイアプロジェクト』ですが、『テラミスティカ』のシステムをベースに作られた作品で、2017年に発売されました。ゲーム内容は『テラミスティカ』をさらに複雑化した物になっており、舞台もファンタジーからSFに移行しています。『テラミスティカ』のプレイヤーからは、「『ガイアプロジェクト』の方が面白い」との意見も多々見られます。
本作ですが、大型ボードゲームは準備が大変というのもあり、デジタル版はその辺りの手間を減らせるという意味では有意義です。また情報量の多いゲームなので、「ルール把握を一人でじっくりと行いたい」という人にも適しているかと思います。それでは『テラミスティカ』未プレイの方にも分かるように解説を加え、ゲームを見ていきましょう。
ゲームの概要をざっくりと紹介!
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本作はランキングマッチが行える「ランキングゲーム」、一般対戦の「カジュアルゲーム」、ローカルでの対戦もしくはAI相手の「ローカルゲーム」の3つのモードがあります。またゲームを学ぶことのできる「チュートリアル」もあります。
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チュートリアルから見ていきましょう。配信当初は英語テキストのみだったのですが、現在ではパッチが当たって日本語も表示されるようになりました。
ちなみに筆者は、Steamに配信されているDIGIDICEDのデジタルボードゲームをすべて所持していますが、どのゲームもチュートリアルの説明が極めて分かりづらいという問題があります。ぶっちゃけ本作も分かりづらいです。予想通りと言えば予想通りなのですが……。
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そこでチュートリアルを無視し、分かりやすい形でざっくりとルール説明していきます。本作は最大4人までプレイすることが可能で、6ラウンド後に勝利点が一番多かったプレイヤーの勝ちとなります。
ゲームボードはヘクスマップになっています。実際のボードゲームだと10枚のボードがあり、それらを組み合わせてマップを作ります(プレイヤー数によって使用枚数が変わります)。
『テラミスティカ』の場合、マップが固定されてしまっていたため、プレイの流れが似通ってきてしまうという問題があったのですが、本作だと組み合わせを変えることで、毎回違うマップを楽しむことができます。
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次にプレイする種族を決めます。本作では14種類もの種族があり、それぞれ特徴があります。そのため、種族によって戦略も変わってきます。最初の内は覚えきれないとは思いますので、何度かプレイする必要があるでしょう。初プレイ時はビジュアルで選んでしまってもいいかと思います。
それと日本語設定だと、種族特徴の説明文がバグって表示されていませんね。(2021年6月8日現在)内容を知りたい方は英語表示に直すか、ネットで攻略ブログをググれば分かるかと思います(人気ゲームなので情報は多いです)。次のパッチには直ることを期待しています。
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それぞれの種族には、「適した惑星」というのがあります。適した惑星には建設物「鉱山」(『テラミスティカ』で言うところの「居住地」)を置くことができますが、そうでない惑星は「惑星改造」を行ってからでないと置けません。
画面上部中央に惑星タイプが並んでいますが、中央が適した惑星、そこから離れるに従ってコスト「鉱石」が多く掛かってきます。必要な鉱石量は、後述する「研究」によってコストダウンすることが可能です。ゲーム開始時は、適した惑星を2つ選択し、そこに鉱山を無料で置くことができます。
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本作はルールが複雑で、出来ることも多いため、初プレイの方は「何をやっていいのか分からない」と思うかもしれません。重要なのは、勝利点を取ることです。前述したように、本作は6ラウンド中に、一番多くの勝利点を取ったプレイヤーの勝ちです。これを常に意識してプレイしてください。
勝利点の取り方ですが、それぞれのラウンドにはランダムで目標(画像の中央下部に並ぶ6つのマス)が設定されます。例えば画像では、1ラウンド目は「鉱山を交易所にアップグレード」すると、1回に付き3点もらえます。次のラウンドの目的は何かを見て、それに沿った戦略を立てていくといいでしょう。
またゲーム全体の目標も、ランダムで2つ設定されます(画像中央右の縦並びのマス)。画像では「最も多く同盟の建物を建てた人」「ガイア惑星に最も多く建物を建てた人」の2つで、1位は18点、2位は12点、3位は6点もらえます。
それ以外にも、ラウンド開始時に1個もらえる「ラウンドブースター」(画像中央の5つのコマ)からも、条件を満たせば勝利点を取れるものがあります。とにかく「勝利点を取るゲーム」ということを念頭に置いてプレイしていきましょう。
プレイの流れとゲームのコツをざっくりと
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適した惑星を2つ選んで鉱山を置き、ラウンド開始時にラウンドブースターを1つ選ぶと、収入を受け取って1ラウンド目が開始します。各プレイヤーは以下の事が可能です。
惑星に鉱山を建設
建物のアップグレード
惑星改造
研究トラックを進める
同盟提携
パワーの使用
特殊アクションを行う
パスする
出来ることが無くなったら、パスをして行動終了。プレイヤー全員がパスをしたら、そのラウンドは終了になります。これを6ラウンドまで繰り返します。
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「惑星に鉱山を建設」では、適した惑星に建てる場合以外は、前述したように「惑星改造」を先にする必要があります。また建てられる惑星は、現在持っている惑星から、航行距離以内の惑星に限られます。航行距離は研究を進めることにより伸ばしていけます(最初は1マス)。
鉱山に対しては「建物のアップグレード」が出来ます。まずは「交易所」、その次は分岐し、「首府」か、「研究所」→「学院」となります。首府は種族の特殊能力をアクティブ化し、研究所ルートだと「知識」が獲得できます。またボーナスタイルを1つ取得した後、研究トラックを1つ進められます。
ゲームは6ターンしか無いので、何を建てるかは、勝利点が獲得できるかどうかも合わせ、よくよく考えた方が良いでしょう。
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「研究トラックを進める」では、6つの研究トラックがあり、知識4を払うことによって1ランク上へ進ませることができます。もしくは先述したように、研究所か学院を建てた時にボーナスタイル(画像中央下部の9枚のタイルの内1枚)を獲得し、研究を1つ進められます。
研究トラックですが、左から「惑星改造のコストダウン」「航行距離」「人工知能(QICコマの獲得。ガイア惑星のテラフォーミングや、航行距離+2の即時効果、特典との交換に使える)」「ガイア計画(紫色の惑星をガイア惑星にするためのガイアフォーマーコマ獲得やコストダウン)」「経済(収入アップ)」「科学(知識収入アップ)」になっています。
ただ、何度も言うように6ターンしかないので、あれもこれも研究するのは無理です。目的や勝利点獲得条件に合わせて、何を研究するかを絞りましょう。それと研究レベル3になると4点、レベル4では8点、レベル5では12点の勝利点がもらえます。2カ所をレベル3にして8点取るよりは、1カ所をレベル4にした方がコスト的にはお得です。
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「同盟提携」のアクションでは、鉱山を1、交易所 と 研究所を2、惑星首府と学院を3としたとき、合計7になるように選び、その間にコマ(衛星)を置いてつないでいきます(必ず最短ルートでつながなくてはなりません)。そうすることで、ボーナスタイル(画像中央下に並ぶ6つのタイル)から1つを獲得できます。
最終勝利目標で、「最も多くの衛星を置いた人」があった場合は、積極的に狙っていくといいでしょう。
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「パワーの使用」では、パワーを消費して様々なボーナスを得ることが出来ます。緑色のブロックはQICコマと言い、これを消費してボーナスを得ることも可能。また「特殊アクション」があれば、この画面で行うこともできます。
それと最後の点数計算では、余った「金」「鉱石」「研究」トークン3つごとに1点が得られます(組み合わせは問いません)。これはあくまでオマケなので、必要なトークンは使い切ってしまった方が良いでしょう。
前述したように、基本的には「ラウンドごとの目標」「最終目標」を意識して勝利点を稼いでいくのがいいかと思います。6ラウンドは本当に短いですから、無駄な行動をしている暇は無いと思った方が良いでしょう。
気になる種族をピックアップ
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最後に、気になる種族と、ゲームの進め方をリプレイ代わりにピックアップ。まずは「地球人」です。何を選んでいいのか分からなければ、とりあえずここから始めてもいいでしょう(ビジュアル的に)。ガイア計画研究が最初から1段階進んでおり、ガイアフォームに有利な条件が整っています。
首府を作るとガイアフォームでの追加資源ボーナスが入るので、なるべく早めに首府を作っておきたいところです。それから入植しやすいよう、研究で航行距離も伸ばしておくといいでしょう。
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研究大好きな「フィラク族」。知識収入が他の種族の場合1ですが、フィラク族は2。また、首府を作れば、研究所を交易所にダウングレードすることによって、無料で研究トラックを1つ進められます。どんどん研究して勝利点を稼いでいくのがいいでしょう。
ただ、研究は進んでも、ゲームの目標は勝利点を取ることなので、最終的に何点取れるかを考えながらプレイした方が良いかと思います。また、資源不足になりがちなので、経済や科学の研究を進めるのもいいでしょう。科学者系の種族と言えます。
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初心者から上級者まで、幅広い層に支持される高スペック種族「アンバス人」。他の種族より鉱石収入が1多く、QICコマも2つあり、航行距離の研究も1つ進んでいるので、開拓が捗ります。
また首府の能力は、首府と鉱山の位置を入れ替えることが出来ます。これを利用して、同盟を何カ所も作ることが可能。特に大きな欠点も無く、使いやすい種族と言えます。
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惑星改造を得意とする「ジオデン人」。惑星改造がレベル1からスタートしますので、とにかく惑星改造を上げていって、ガンガン入植していきましょう。首府の能力ですが、新たな惑星に入植するたびに知識3が手に入るので、建設と研究を同時進行していけます。航行距離を伸ばす研究を進めておくのもいいですね。
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金の力で解決していくスタイルの成金星人「ハッシュ・ホラ人」。首府を建てれば、鉱石・知識・QICといったリソースを、金を使って買っていくことができるので便利です。また最初から経済レベルが1なので、スタートダッシュにも強みがありますね。経済を研究して収入を増やし、それを元手に拡大していくのがいいでしょう。
他にも特徴的な種族がいろいろいますが、初プレイ時で何したらいいか分からないという時には、とりあえずこの5種族から選んでもいいかと思います。
中毒性の高い名作ボードゲーム
本作は名作ボードゲームのデジタル版だけあって、面白さは保証付きです。『テラミスティカ』だと勢力の伸ばし方に定石がありましたが、本作はマップが固定でないため、プレイごとに戦略が大きく変わってきます。リプレイ性の高い作りになっていますね。
ただデジタル版は、バグが現在もまだ見られます。それと日本語表示もおかしい所があるので、この辺りも早く直して欲しいところです。
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それとオンライン対戦ですが、一応ランクマッチも用意されてはいます。ただ筆者が試してみた時には、プレイヤーはいませんでした。基本的にはフレンドと遊んだ方が良さそうです。CPUもそこそこ強いので、一人用でも楽しめるかと。「『ガイアプロジェクト』を遊んでみたかったけど、遊ぶ友達がいない」という方は、とりあえず本作を試してはいかがでしょうか。
製品情報
開発・販売:DIGIDICED
対象OS:Windows、MacOS、Linux
通常価格:2,570円
サポート言語:日本語、英語、中国語(簡体字)など8カ国語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1516400/Gaia_Project/