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今年2021年2月11日に公開されたフリーゲーム『ASTLIBRA』。実に開発期間が14年にも及んだアクションRPGであり、その長い期間に違わない完成度を見せたことで話題となりました。弊誌でも『ASTLIBRA』が公開されたときには報道を行っております。
そんな驚異的な完成度によって注目され、なんと中国のパブリッシャーであるWhisperGamesと契約。Steamにてアップグレード版となる『ASTLIBRA Revision』の開発が現在進められています。「東京ゲームショウ2021 オンライン」ではリリースに先駆け、本作の試遊版が展示されていました。今回はそんなアップグレード版のゲームプレイがどんな模様かをお届けいたしましょう。
どことなく懐かしい手触りの世界観
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さて『ASTLIBRA Revision』に触れてみてまず感じたのは、どことなく懐かしいことでした。横スクロールのアクションといえばもちろん『スーパーマリオブラザーズ』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』などが思い浮かぶでしょう。しかし懐かしいといっても、そんな家庭用ゲーム機の名作とは遠い印象なのです。
どちらかというと、往年の日本ファルコムがPCゲームでリリースした『ロマンシア』や『イースIII』といった、横スクロールのアクションRPGの匂いに満ちているのではないでしょうか。絵柄こそ実写画像を加工したものをベースに作り上げているのですが、その精神の奥にはPC-88にて起動していた、少ない色数で世界を表現していたころのゲームの気配があるように感じました。
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それは世界観の素朴さもあるかもしれません。『ASTLIBRA Revision』のストーリーを見てもらえばわかるでしょうか。ある日、何者かに追われた少年と少女は、逃げていくなかで少女の姿を見失います。少年は喋る鳥のカロンとともに少女を探す旅へ出かけ、8年の歳月が流れる……といった、ストレートなファンタジーを描いているのです。
爽快感のあるバトル、素材探しの面白さ
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そんなストレートさと裏腹に、バトルになれば派手さと爽快感がこれでもかと表現されております。基本的には攻撃ボタンを駆使したコンボによって、スライムのような多数の敵を一気に倒しお金やアイテムを一気に獲得するゲームプレイであり、単純に言えばハック&スラッシュの手触りに近いと言えるでしょう。
攻撃方法は武器によって変わっていくため、状況に合わせて使い分けることも。たとえばナイフではリーチが短い代わりに攻撃のスピードやコンボが早いですし、斧ならば動きは重くなるが高い攻撃力を持つ、という具合にバラエティ豊かな武器が用意されており飽きさせません。
もちろん、ただ連打で倒していくだけではなく、爽快感を高める仕様が含まれています。たとえばブレイクのシステムがそうでしょう。これは敵に連続で攻撃を当てていくと「Break!」というタイポグラフィとともに、敵が無防備になって硬直するシステムです。大きなスキが生まれるため、さらに攻撃を叩きこんでいく爽快感がありました。
また、コンボをどんどん重ねていくごとにステータスにボーナスがかかることも爽快感に繋がっています。たとえば10連コンボからダメージが上がるなど、リズムよく敵たちに攻撃を重ねれば重ねるほどプレイヤーが強化されていく仕組みです。
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戦闘だけではなく、アイテムの素材探しも本作の面白さのひとつです。たとえばマップには岩壁に採掘ポイントが設定されており、アイテムのつるはしを使うと様々な素材を入手できます。つるはしの種類によって素材のレア度が変わってくるため、素材集めの面白さもあるわけですね。
集めた素材は武器などを購入するときにお金と共に必要となるので、主人公を強化するためになるべくマップを探索し、素材を見つけていくモチベーションとなっております。
このように『ASTLIBRA Revision』では、往年のPC-88でリリースされたようなアクションRPGの懐かしさに加え、コンボを重ねてゆくたびに強くなるアクションの爽快感、マップを探索して素材やアイテムを見つけ出す楽しさが、試遊した範囲でもぎゅっと詰まっているのです。
例えるなら14年間熟成したお酒のような濃厚な味わいが、わずかなプレイ時間でも凝縮されているようなゲームであると感じました。今回プレイしてみて、さらにアップグレードされるという本作がどう味を深めていくかが楽しみです。さらに詳しい開発秘話について知りたい方は、先日Game*Sparkにて公開された開発者のKEIZO氏のインタビューもぜひお読みください。
『ASTLIBRA Revision』は2022年にリリースを予定しています。Steamでは現在、体験版も公開中。今回のプレイレポでもし興味を持ったら、ウィッシュリストに登録してみましょう。