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長い歴史を刻み、今もなおゲーム業界の最前線で輝き続ける『ゼルダの伝説』シリーズ。2021年には更なる新作の登場も予告されており、ファンの心を捉えて離しません。
そんな名シリーズに名を連ねる『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(以下、トワプリ)が、本日12月2日で15周年を迎えました。本作は、Wiiとニンテンドーゲームキューブ(以下、GC)に向けて同時に発売され、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の路線を受け継ぐリアル系な3D表現で冒険を臨場感たっぷりに描きました。
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本シリーズは基本的に、ひとつのハードに向けてリリースされるケースが大半。異なる2つのプラットフォームにまたがって同日に発売されたのは、この『トワプリ』がシリーズ初です。また、本作以降もそうした構成は非常に珍しく、このほかにはWii Uとニンテンドースイッチに向けて発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』だけです。
しかも本作は、Wii版とGC版で違いがあります。その中でも最も特徴的なのは、お互いのゲーム内世界が左右反転していること。GC版の主人公(名前は任意で入力可能ですが、本記事では「リンク」で統一)は左利きですが、世界が反転しているため、Wii版のリンクは右利き。もちろん、ゲーム内の描写も全て鏡合わせのように反転しています。
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ゲームの内容自体は同じでも、見た目が全く逆というのは、あまり類を見ないユニークな違いと言えるでしょう。ちなみにWii版はリモコンを剣に見立てて攻撃できるため、プレイヤーの多数派である右利きに合わせて調整をしたのだと思われます。
2機種に同時発売し、シリーズ初の“右利きリンク”を表現するなど、軽く振り返るだけでも特徴的な点が思い出される『トワプリ』。また、グラフィックは当時のシリーズ屈指の美しさを誇り、表現が広がったためかCEROはシリーズ初の「B」。さらに、満足度の高いプレイボリュームや正当進化を果たした3Dバトルなど、魅力を挙げればキリがありません。
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ですが、その中でも群を抜いて印象深いのが、本作のパートナーと言える「ミドナ」の存在でしょう。魔物のような姿をしたこの少女は、初対面でも物怖じしない強気な口調を放ち、ミステリアスかつパワフルなキャラクターとしてプレイヤーに衝撃を与えました。
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ほどなく彼女は、実は影の世界を統べる国の姫だと判明。臣下だった「ザント」により、魔物じみた見た目に変えられてしまったとのこと。そしてこのザントは、影の世界だけでは物足りず、リンクたちが住むハイラル──光の世界にも侵攻。リンクはハイラルを、そしてミドナは影の世界を守るべく、共に協力しあって様々な冒険へ挑みます。
当初はリンクを小馬鹿にするような発言もあったミドナですが、姫としての品格は失っておらず、また冒険を続ける中でリンクへの信頼感が増していくのが分かります。そうした好意的な感情を素直に出せない場面もありますが、それもどこかいじらしく、そうした表情豊かなミドナの振る舞いに多くのユーザーが陥落。虜となりました。
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ちなみにミドナの外見は前述した通り、魔物を連想させる容姿。サイズは子供に近いものの見た目から受ける印象は大きく異なり、「標準的な人間の子供」とはかなり離れたデザインになっています。いささか乱暴な表現ですが、「万人に好かれやすいキャッチーな外見」とはあまり言えません。
小柄ながら四肢は独特の曲線を描き、顔の半分が恐ろしげな仮面に覆われているミドナ。豊かな表情は明るいだけでなく、時に怒りや敵意を覗かせることも。そこからは少なくとも、“可愛さを最重要視して生まれたデザイン”といった印象は受けません。
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──ですが、ミドナが可愛くないのかと言われれば、答えは明らかにNoです。もちろん、内面からわき出る可愛らしさもありますが、“魔物のよう”・“人間らしからぬフォルム”・“恐ろしげな仮面”などを備えながらも、各要素を妖艶な魅力まで昇華し、畏怖と魅力を合わせ持つビジュアル作りに成功しているためです。
好みはそれぞれなので、ミドナの容姿に惹かれない方もいることでしょう。ですが、国内外でミドナが高い人気を誇っているのもまた事実。その評価も、内面のみに限った話ではなく、その外見を様々な形で綴るファンアートも数多くあります。
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それだけミドナのデザインが完成されているのか。共に旅をすることで生まれる絆が、容姿に特別な魅力を付加してくれるのか。惹かれる理由はきっと多岐に渡り、そして言葉による理解を超えた直感こそが、最も正解に近いのでしょう。
そんなミドナの魅力にまだ触れていない方は、この15周年を機に『トワプリ』を是非プレイしてみてください。今遊ぶなら、Wii Uソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』がお勧め。より美しく描かれたミドナを、こちらでたっぷり堪能できます。ちなみに、Wii U版のリンクは左利き。GC版に準拠しています。
また、この15年の月日は、ミドナへのアプローチが増える期間でもありました。特に見逃せないのは、『ゼルダ無双』への出演です。『トワプリ』で共に行動するとはいえ、操作の主体はリンク。ミドナを単独で操作して敵を倒すといった醍醐味までは味わえません。
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ですが『ゼルダ無双』ならば、ミドナの扱いはプレイアブルキャラクター。彼女を直接操作し、大勢の敵を薙ぎ払う爽快感を満喫できます。しかも、本来の姿となるバージョンも個別に実装されており、それぞれのミドナで楽しめる贅沢仕様。これは、『ゼルダ無双』ならではの魅力です。
ちなみ『ゼルダ無双』は、オリジナルのWii U版、携帯機向けの3DS版、そして完全版とも言えるニンテンドースイッチ版『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX』があります。今から遊ぶなら、やはりスイッチ版が一番。ミドナを直接操作したい方は、この『DX』を視野に入れてください。ちなみに、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』には登場していないので、その点はご注意を。
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そしてもうひとつ、amiiboになったミドナも魅力的な存在です。こちらは、狼になったリンクに騎乗したミドナが立体化されており、まさに『トワプリ』を象徴するようなフィギュア。amiiboとして使えるのは言うまでもありませんが、見栄えもいいので飾っておくのもお勧めです。
原点となったWii版・GC版の発売から、早くも15年が経った『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』。リンクとミドナが辿った冒険は、一昔前のものになってしまったのかもしれません。
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ですが、その時間の中でWii U版が生まれ、amiibo化も果たし、ミドナは『ゼルダ無双』にも登場。遠ざかるだけでなく、新たなものが生み出された年月でもありました。
思い出は懐かしく、新たな出会いも絶えることなく。光と影のようにどちらも表裏一体のまま、『トワプリ』はこれからもファンに寄り添い続けてくれることでしょう。
※本記事の『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』のゲーム画像は、Wii U版のものです。