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12月18日、秋葉原はソフマップAKIBA アミューズメント館にて、角川ゲームスの新作ロボットシミュレーションRPG『Relayer(リレイヤー)』のゲームプレイ体験会とトークイベントが行われました。
本記事ではゲームプレイ体験とトークショーの様子に加え、開発者の方とのお話で独自に得られた情報をお伝えしていきます。
『Relayer』とは
本作は宇宙に進出した人類と、「リレイヤー」と呼ばれる謎の地球外生命体との闘いを描くシミュレーションRPG作品。特殊能力が覚醒した主人公の少女「テラ」を中心に星×メカ×ギリシャ神話の要素を組み合わせた壮大な物語となっています。
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公開済みの情報では各勢力に属するキャラクターが複雑に関係しあっており、そうした関係性がゲームプレイ時のユニット組み合わせ相性にも関わってくるようです。
高い評価を獲得したシミュレーションRPG 『GOD WARS』開発チームがPS5の開発環境で開発を進めており、シミュレーションRPGファンとしては期待の高まる作品ですが、実際のゲームプレイはどのようなものなのか、お伝えしていきます。
ユーザビリティの高い戦闘
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今回体験できたのはPS4版の「アステリズム 戦闘シミュレーター」ステージ。氷に覆われた極地のようなステージビジュアルで、出撃機体は4機でした。TGS2021でのプレイ体験では6機で出撃していたので、ステージによって出撃可能機体数が異なるのでしょう。
ちなみに、本作では物語が進行する「実戦」ステージと経験値などを上げる「戦闘シミュレーター」ステージが45+45の90ステージ程あるそうです。
ユニットである「ステラギア」は対リレイヤーの特殊機動兵器で、アサルト、タンク、スナイプ、スカウトの4種類が存在しており、それぞれ得意とする役割が異なります。
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ステージを開始するとまず編成フェーズが始まり、ユニットの配置を入れ替え、タンクを前衛にしたりスナイプを後方に配置したりできました。
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ちなみに、敵の配置もワンボタンで確認が可能。「戦場の霧」の要素は無く、撃ちあい・殴り合い、に特化したゲームとなっているようです。シミュレーションRPGの名作『X-COM』シリーズでは戦場の霧で敵が見えず、予測不可能な不意の接敵での部隊の大崩壊がストレスだったので、個人的には好きなシステムです。
プレイしていると、この予測可能性は大事にされているように感じました。危険範囲内に入らないと敵は動かないので、『X-COM』のように不意の接敵で敵ユニットがアクティブになる、ということはなさそうです。
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また、マスの移動範囲と攻撃可能範囲は色付けされており、移動を間違えた場合もターンを終えるまでは戻せるので、操作ミスをしても安心です。全体的にユーザビリティが高い印象でした。
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戦闘のカットシーンは、敵を攻撃した場合と敵から攻撃される場合に移行。全ての武器カスタマイズに応じてカットシーンが収録されるほか、敵と味方の武器の組み合わせに応じても特別なカットシーンが楽しめます。
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戦闘シーンへの移行はPS4でもロードが無く、スムーズに移行するのは驚きでした。後述するオプションでシーンの速度調整なども可能です。
戦闘は敵の射程を把握しつつ、役割に合わせてステラギアを操作するのが肝要。敵味方の攻撃が重く、緊張感のあるバトルが楽しめそうです。
さて、ここまで読まれた読者は本作と類似したゲームとして、『ファイアーエムブレム』シリーズや『スーパーロボット大戦』シリーズを想起したのではないでしょうか。確かにそれらゲームから影響を受けていることは間違いないでしょうが、本作の特徴として「ヘイト」と「多様なキャラクターの組み合わせ」が挙げられます。
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「ヘイト」は敵から狙われやすくなる値のことで、タンクタイプは自身のヘイトを高めるスキルを持っています。防御力の高いステラギアに攻撃を集中させつつ、他の機体で攻め込むといった戦闘が楽しめそうです。
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「キャラクターの組み合わせ」も重要で、キャラクターの持つ固有スキルやステラギアのタイプといった要素の組み合わせで多様な戦い方が出来そうでした。本作は敵を攻撃する際に別の味方ユニットが攻撃可能であれば、共同して敵を攻撃する「バックスタブ」もあり、キャラクター同士の相性は重要な要素になってきそうです。
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スキルは「スターキューブ」にて解放できます。スキルを解放していくと「ジョブ」を選択することになります。
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ジョブを選択するともう一方のジョブに進めなくなるので、これは悩み所になりそうです。
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また、スターキューブで獲得したパッシブスキルは編成フェーズで付けることができました。
充実のオプション、PS4とPS5の違い
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オプションも充実しており、敵・味方別に戦闘シーンの速度調整やオン/オフ切り替えができ、遊びやすさに配慮されています。
PS4とPS5版の違いとして、PS4版ではフレームレートや解像度、戦闘シーンでのパーティクル量が減少しているとのこと。ただし、フレームレートは30FPSが出ており、PS4でも十分に楽しめそうです。
ストーリー&ゲームボリューム
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ストーリーは複数の勢力同士、各キャラクター同士が相互に影響しあっており、複雑な関係性が楽しめそうです。筆者は群像劇やキャラクター間の関係性に注目した作品が大好きなので、本作のストーリーには期待しています。
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ストーリーは、ステージごとに進む他、艦内でも交流ができます。
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また角川ゲームスの社長、安田善巳氏にお話を伺うと、ストーリーにはギリシャ神話の要素の他、J・P・ホーガン氏(代表作「星を継ぐもの」など)といった本格SFにも影響を受けているそう。たしかに、公式サイトには「これは―星を継ぐ者達の戦いの記録」とあります。
プレイ時間は40~50時間ほど(約90ステージ)+数十時間におよぶ星の誕生秘話などを追う「アステリズム航海記」というエンドコンテンツが30ステージ以上あり、ボリュームは十分そうです。
主人公は22歳!キャラクターの魅力に迫るトークショー
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トークショーには主人公テラ役の明坂聡美さん、マーキュリー役の本多真梨子さん、角川ゲームスより安田善巳氏が登壇。キャラクターの魅力やストーリーの一端が紹介されました。
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まず、安田氏から主人公であるテラは22歳の4月22日「地球の日」生まれ、身長は162センチという発表が。22歳という年齢は、いわゆるオタクコンテンツに登場する人物としては比較的高めの設定ですね。
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趣味は旅とカメラ。好きな物は味の濃いもの、嫌いなものは味の薄い食べ物、とのこと。趣味のカメラは私服姿の際に首からぶら下げていました。好物に関しては明坂さん、本多さんから健康面で心配の声も。
明坂さんはテラを「純粋で真っすぐ、芯が強く、少し頑固」と評していました。また、テラの魅力については「私には無い純粋さ」とも語っており、これには本多さんが突っ込む場面も。テラは人に対して献身的で、なりふり構わないところがあり、そこが魅力的になっているそうです。
「テラは口調がマイルドだけど、明坂さんは意外と突っ込んでくる。でも、探究心や好奇心が強いところは似ているかも」とは本多さんの談。好奇心の強い明坂さんは最近『Relayer』でもストーリー上の鍵となる星の成り立ちなどをナショナルジオグラフィックで楽しんでいるそうです。
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次いでマーキュリーの紹介に。マーキュリーはあまり感情を表に出さず、真面目な性格。姉を非常に尊敬しており、姉の代わりになれるよう、人知れず努力している努力家です。人付き合いは苦手で、周囲と壁を作るものの、仲良くなるとベッタリ、となかなかに重そうなキャラクターのようでした。
年齢は19歳ですが、誕生日は秘密。趣味は読書で、紙の本を愛読しているそう。好きなものは努力、嫌いなものは非科学的なものだといいます。
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本多さんはマーキュリーを「男性からも女性からもあまり好かれないプライドの高い女」と笑いながら評していました。特に序盤は「嘘だろと思うぐらいプライドが高く、ツンツンしている」と語っています。
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ただ、サン(CV.園崎未恵さん)には懐いており、「落としたらめちゃめちゃ気持ち良いです」と語ります。関係性の変化が魅力となるキャラクターのようです。明坂さんはマーキュリーを「猫のよう」とも評していました。
トークショーを聞いていると、キャラクター同士の関係性が本作の大きな要素となっているように感じます。ゲームシステム的にも組み合わせが攻略の鍵になっており、群像劇のストーリーに期待です。また思わぬ裏切りもあるそうで、ハードなストーリーを予感させられました。
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トークショーの終わりには、サイン入りTシャツや色紙が送られるジャンケン大会も行われ、最後まで大盛り上がりとなりました。
『Relayer』は2022年2月17日(木)よりPS5/PS4向けに発売予定。価格は通常版が7,980円(税込)、限定版「リレイヤー デラックスエディション」が9,980円(税込)です。なお、PS4版はPS5版への無償アップグレードに対応しています。