Blizzard Entertainmentは、アクションRPG『ディアブロ イモータル』をiOS/Android向けに基本無料で2022年リリース予定です。
本作は、『ディアブロ』シリーズ初のモバイル向けタイトルとして開発。『ディアブロ II』と『ディアブロ III』の間の時代の物語が描かれます。また、多くのプレイヤーが公平に楽しみやすくなる「ワールドパラゴン」など、本作ならではのシステムが搭載されています。
本稿では、2022年1月8日まで開催されたクローズドベータのプレイレポートをお届け。モバイル環境で気軽に、それでいて『ディアブロ』シリーズらしい楽しさを兼ね備えた本作の魅力をお伝えしていきます。
ベータで追加された「ネクロマンサー」が楽しすぎる!
今回のクローズドべータでは、新たに開放されたクラス「ネクロマンサー」でプレイ。ネクロマンサーは死の力を操り戦うクラスで、初期状態から2体のスケルトンが仲間として召喚されているので序盤から非常に心強く感じます。
使用するスキルは範囲の広い近接攻撃「禍々しき大鎌」や攻撃とスタンを与える「ボーンスパイク」、死体を爆破させてダメージを与える「コープスエクスプロージョン」など強力な攻撃が可能。強力な召喚スキルと範囲攻撃だけでなく、状態異常や防御壁など多彩なスキルを備えています。
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『ディアブロ イモータル』で特に強力なのが「禍々しき大鎌」です。本作では大鎌を敵に当てることで、敵を倒さずともその足元に死体を発生させることができます。死体は「コープスエクスプロージョン」で爆破させて大ダメージを与えてくれる頼もしい存在。戦闘開始時の敵を倒していない状態や、雑魚敵が少ないボス戦でも強力なコンボを狙えるのは大きな利点です。
本作の特徴として「マナの概念が存在しない」というものがあります。すべてのスキルはクールダウン式で、一部のスキルは使用回数がスタックされている方式。また、体力回復のポーションもクールダウン式のゲージ制で、敵を倒したり宝箱を回収すればゲージが補充されます。
マナの概念がないことで、これまでのシリーズに比べてリソース管理は比較的簡単になっている印象です。クールダウンがあるため連発できるわけではないですが、連戦でも気兼ねなくスキルを使用できるのは、気軽にプレイできる利点でもあります。
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モバイルならではの操作感も良好!UIも見やすい
クエストを受けられるNPCなどはマップで表示されるほか、受けているクエストの目的地への道も表示されるので迷うことはないと思います。マップ内でのガイド、スキルのクールダウンや最低限のヘルプなどの表示も親切です。もちろん、目的地以外の場所にも宝箱やエリートモンスターなどがいるので、トレハンのためには寄り道も欠かせません。
プレイした実感として、アクション面で『ディアブロ』シリーズの感覚をそのまま楽しめるという印象。大勢の敵が次々襲いかかってくるのを倒しながらお金や経験値を貯め、ドロップ品で装備を更新していくという基本的な楽しさをしっかりと受け継いでいます。プレイヤーのインベントリもそれなりに広く、装備品をたくさん集めて吟味できるのも嬉しいところです。
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スキルはレベルが上がることで自動的に習得・ランクアップしていく方式。通常攻撃のほかに4つまで登録できるほか、敵と戦ってゲージが溜まれば強力な「アルティメット」スキルが使用可能になります。スキルの組み合わせに制限はなく、覚えてしまえばすべてのスキルを気軽に試せるのもうれしいところです。
正直なところ筆者はプレイ前に「バーチャルパッドで快適にプレイできるのかな」と心配していたのですが、モバイルでの操作感はとても良好でした。移動はもちろん、方向指定スキルなどの操作も違和感がないどころか、むしろモバイルならではの気軽さを感じられ、(行儀は悪いですが)布団で寝転がりながらのプレイもはかどりました。
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なお、今回のベータテストからコントローラー対応。筆者は「Xbox ワイヤレス コントローラー」で試してみましたが、こちらのプレイでも移動や攻撃は快適そのものです。入力遅延などもなく、戦闘中画面全体が見られるためこちらを好む人もいるかも知れません。ただし、現段階ではアクションでしかコントローラーを使えず、多くの場面でタッチ操作が必要です。サービス開始後の正式対応で改善されればより遊びやすくなるでしょう。
筆者の場合は最終的にバーチャルパッドでのプレイ時間が長くなりました。リラックスした姿勢でひたすらにトレハンできるのは止め時が難しく、これは恐ろしいなと遊びながらしみじみ思います。
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気になるMMO要素や課金は?
本作ではMMO要素を備えており、ゲーム内では他のプレイヤーの姿を見ることがあります。ただし、マップ内での戦闘はそれぞれ別の敵が登場しており、MMOにおける「敵の取り合い」のような状況は発生しません。クランやパーティなどを活用すれば協力することも可能ですが、ソロで遊ぶ分には他プレイヤーを意識しなくても問題なくプレイできます。
協力要素としては「ダンジョン」「チャレンジ・リフト」「エルダーリフト」などのダンジョン攻略コンテンツやPvEレイドなどが存在。ダンジョンはオートマッチング機能が実装されているほか、ソロでも挑戦可能です。また、PvPコンテンツ「闘争の円環」や、リフトでのランキングなどもあり、他プレイヤーと競争しながら楽しむこともできます。
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そのほかゲーム内では、「特定エリアで敵を一定数倒す」「指定ボスを倒す」などのチャレンジを受注できる“賞金掲示板”なども存在。エリア内でモンスターがまれにドロップする「モンスターの精髄」を集めることで解放されていく“怪物にまつわる書物”などのコレクション要素も用意されています。
町や集落では装備強化用の「鍛冶屋」やジュエルを扱う「宝石職人」のほか、「鑑定師」や他プレイヤーとの取引が行えるショップなども存在。強化済みの装備品から新しい装備に変更する際に、装備品のランクを一部引き継ぐことも可能なため、よほど貴重な素材でもない限り比較的気軽に装備品を強化できるのも嬉しいところです。
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気になる課金コンテンツとしては、ゲーム内の進捗状況によって報酬が獲得できるバトルパスの有料レーン解放や、素材などの購入が中心。また、装備品を強化するジュエルを入手できる「エルダーリフト」の報酬をアップさせる“紋石”も購入できます。バトルパスでは素材などのほか、限定のコスメアイテムなどが入手可能になるようです。
ベータテストを遊んだ限りでは、課金なしでも十分ゲームの醍醐味を楽しむことは可能です。ただし、ジュエルなどでキャラクター強化を極めたいプレイヤーや、ひたすらラダーランクを上げるために研鑽したいプレイヤー、コスメティックで見た目にこだわりたいプレイヤーなどは最低でもバトルパスは必須になりそうです。ただ、繰り返しますが基本的な戦闘やトレハンでは無課金でも十分楽しめます。
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ここまで紹介してきた『ディアブロ イモータル』ですが、これまでの『ディアブロ』シリーズの面白さを損なわず、モバイル向けに各要素をアレンジしている印象。マナの撤廃などのシステムで戦闘は気軽に楽しめ、チャレンジ要素で毎日のプレイを継続させるようなゲームデザインです。
モバイルでの操作感も良く、大量の敵を相手にしても動作が重くなるようなことはありませんでした。驚いたのはバーチャルパッドの反応の良さで、直感的な操作にも十分対応してくれます。もちろんコントローラーでも遊びやすく、どちらの操作を選んでも本作の戦闘の楽しみを損なうことはありません。
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『ディアブロ イモータル』は2022年にiOS/Android向けにリリース予定。現在公式サイトではAndroid版の事前登録を受付中です。