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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はHenry's House, Oscar Brittain, Rob Grossが開発を、Akupara Gamesがパブリッシャーを担い、2022年2月11日(日本時間)にリリースされたゲーム『Kardboard Kings: Card Shop Simulator』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Kardboard Kings: Card Shop Simulator』って?
本作はとある街のカードショップを経営するシミュレーションゲーム。プレイヤーはこのお店の店長となって、ネットショップなどを通じてカードを購入し、それらを陳列。来店したユーザーにカードを販売して、さらに資金を稼ぎまたカードを仕入れる……というのが基本的な流れになります。
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筆者は数年前まで「遊戯王」をしていたこともあり、実在のカードショップには何度も訪れました。それだけに、さまざまなカードが並んでいる光景は見覚えがあります。しかし、経営となると話はまた別。ユーザーの立場からはわからない、お店の苦労を味わえます。
強いカードを扱う“だけ”ではないショップ経営
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このお店で扱うのは、ゲームの世界で大人気の「Warlock」というカードゲーム。各カードには「色」「パワー」「タイプ」などが割り振られている他、キラキラ光るレアリティの高いものや、逆に傷の入った状態の悪いものもあります。しかし、必ずしも高いカードを仕入れる訳にはいきません。カードの相場は変化するのです。
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例えば、「Warlock」の元世界チャンプである「フランシス・バロン」が好きなパックについて話したり、大会で特定のタイプのカードが活躍すると、それに応じてカードの価値が上昇。安く仕入れていたカードが予想より高値で売れていきます。
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さらに教会が特定の「色」のカードを批判すると、なぜかその色のカード価値が上昇します。これらの情報が出てから、カード価値が上がるまでは2、3日の余裕があるので、ゲーム中は教会の批判したカードを必死に買い集めることになるでしょう。やっぱり信じるものは救われるな!
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一方、パックの再販は困りもの。ユーザーからすれば、過去のカードが手に入るチャンスですが、お店にとってはカードの資産価値が下がる要因となるのです。さらに、強すぎるカードは公式から禁止扱いとなり、対戦で使用できなくなります。そういったカードは急いで店頭に置き、早めに手放しましょう。
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また、お店の評判は客足に直結します。電話注文に誠実に応えたり、時には赤字覚悟でカードを販売したりして、評判を良くしなければなりません。
このように本作では、環境を鑑みて掘り出し物のカードを探しつつ、うまくユーザーの期待にも答える必要があるのです。
アクの強すぎるキャラクターたち
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そんな「Warlock」を楽しむユーザーたちも個性派ばかり。面白郵便配達員の「グスタフ」や、「Warlock」をテーマに論文を書いている「ビー」に、スマホ片手に勝手にお店でネット配信をするヤンチャボーイ(好意的表現)の「ケビン」など、一癖も二癖もあるメンバーが揃っています。
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人間ばかりでなく、経営アドバイスをくれる頼れる相棒にして喋る鳥「ジュセッペ」、お店にやってきてカードを買ったり拾ったカードを売りに来たりする犬「ピッコロ」なども登場。思わず「大丈夫か?」と思ってしまいそうですが、これらキャラクターの要望や質問にしっかり答えられれば、お店の評判も上がっていきます。何より翻訳の妙も相まって、ただ会話をしているだけでも楽しくなってしまいます。
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悲喜こもごもだが、それでもお店経営は面白い
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本作はカードショップ経営という、人を選びそうなゲームではあります。
しかし日々入ってくるニュースや環境を考慮しつつ、仕入れるカードを選択するのは、かなり頭を使います。カード入手後も、どのタイミングで陳列するのか、どのカードなら安売りしても良いのか、一点一点吟味しなければなりません。また特定のタグを付ければ特定のカードを高くしたり、来客の注目を集めたりできます。
店の評判と売上。実店舗と同じく、この2つを両立するのが難しい所です。
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とりあえずゲームを始めたばかりの時は、各パックの収録カードをスクショしておくと便利です。カードゲームを触れたことがあるなら、ぜひ本作に挑戦してみてください。個性豊かなキャラクターと、骨のあるシミュレーションパートが新しい経営者を歓迎してくれるはすです。でも、手に入れたカードを禁止にするのだけは勘弁な!
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タイトル:『Kardboard Kings: Card Shop Simulator』
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2022年2月10日
記事執筆時の著者プレイ時間:1時間20分
価格:通常価格2,050円、セール価格1,845円(2021年2月18日まで)