注意
本記事は性質上『ELDEN RING』のネタバレを含んでいます。事前情報を極力仕入れずにプレイしたい方におかれましては、この時点でブラウザバックなどで記事から離れることを強くお勧めします。
2022年03月17日に『ELDEN RING』のアップデートが配信されました。昨今のゲームでは不具合の修正等がネットワークで配信されるようになったため、内容一つでゲーム内容が大きく変容するのも珍しくありません。実際に、今回のアップデートにはユーザー間で言われていた一部の戦技、遺灰の弱体化など非常に大きな変更が含まれています。
そんなアップデート、とくに影響を受けやすいのはやはり限界を突き詰めるRTA(リアルタイムアタック)に挑戦する褪せ人たちでしょう。本記事では、アップデート前には30分をすでに切る速度となっていたRTAにおいて彼らが何をやっているか、の手がかりとなる重要なテクニックの説明とともに、アップデートによる影響を解説していきます。
ワープグリッチ
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ゲーム開始時から持っている、「祝福の記憶」という『ソウル』シリーズお馴染みのアイテムがあります。現在のルーンを全て破棄して直前の祝福に戻るという効果があるのですが、使用してから、本当に短い時間ですが地図メニューから祝福を選択することができます。
本作品には四鐘楼と呼ばれる祝福があり、そこからゲーム開始のオープニングポイントや、崩れゆくファルムアズラなどにワープできます。後者はゲーム最後半のダンジョンですが、こちらのワープからはチラ見せという感じでマップが外から見られるだけの観光地のような場所になっています。
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ですが、このワープが本グリッチのキモになっていて、「四鐘楼の祝福に触れた後ファルムアズラに行き、祝福の記憶を使用し、嵐丘のボロ家の祝福を時間内で選択する」ことで何故かファルムアズラの本来の入口へとワープすることが出来ます。このワープグリッチを複数箇所で複合させることで、ゲーム開始約10分でリエーニアから霜踏みが使用できる氷殻の斧を回収した後、ファルムアズラへと突入するというのが直近のRTAのベースルートになっていました。ですが、今回のアップデートでも、このルートは使用可能です。
王騎士バフの修正と霜踏みの弱体化
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今回のアップデートでRTAに大きく影響を及ぼすのが、表題にもある部分でしょう。「片手に”王騎士の決意”もしくは”デタミネーション”を付けた武器を持ち、空いている手にメイン武器を持つとメイン武器側にもバフが乗る」この不具合はRTAでよく採用されていました(修正前までは「仕様では無いか?」と言われていましたが今回のアップデートで不具合として挙げられていたためバグと表記しています)。
ファルムアズラでは武器の強化に必要な鍛石が進行ルートで揃うため、同ポイントの祝福を解放した後、魔術学院から火山館の地下へワープし、王騎士の決意を回収するというのが定石になっていました。ですが、今回のアップデートでこの手法が使えなくなったため、今後のRTAでは大きくルート取りが変わることになるでしょう。
ボススキップ
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強力なボスの中でも”百智卿ギデオン”と”最初の王ゴッドフレイ"はスキップが可能です。画面写真の位置からプロロを行うことでゴッドフレイを無視してラスボスへとたどり着けるようになります(皮肉なことにPS5版ではローディングが早すぎることが幸いし、グラフィックの読み込みが間に合ってしまうため本テクニックが使用できずゴッドフレイと戦闘する必要があります)。
シークエンスブレイクはあれどプレイヤースキルは必要
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本記事をネタバレを気にせずここまで見ておられるであろう読者の方々はゲーム自体はクリア済だと思われますが、ファルムアズラを被弾すればほぼダウンする状態で駆け抜け、強力なボスを大ルーンとタリスマンなしで約60レベルで攻略しなければならない、といえば本作品のRTAの難しさが良く分かるのではないでしょうか?
グリッチを使用してもプレイヤースキルは必要になります。前述の技を駆使しても”神肌のふたり”と”黒き剣のマリケス”は撃破しなければなりません。30レベル付近で前者を、50レベル付近で後者を倒すのは現状では必須。アップデート前ですら、霜踏みが強力とはいえ被弾すればほぼ終わりという強力なボスを避けることはできませんでした。この二人を退けたとしてもラスボスも強力です。氷殻の斧+9と王騎士バフしか主要な攻撃がないためプレイヤースキルも求められる本スピードランは、見所の連続でした。
アップデートで大きく内容の変更が求められるようになった今後、本作品のRTAがどう変わっていくのか、限界に挑む褪せ人たちの新たな「工夫」がどうなっていくか楽しみです。