ナイトレーベンを仕上げる
組み立てたキットを分解し塗装の順番を確認します。塗装はエアインテークやエンジン内部、内部兵装→パテで合わせ目消し→サフ→シャドー吹き→塗装の順。モールドのスミ入れや塗装の手順の問題から、最後に上翼と下翼を繋ぐパーツを最後に取り付け+塗装します。内部は指定色C338ライトグレーFS36495を少し黒くする指示があるものの、制作時間がないために効率化からそのまま使用しました。
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一見モールドのように見える合わせ目は、組説の塗装ガイドを見るとかなり多く存在するため、可能な限り埋める方向で対処しました(消し忘れたラインもある)。パテがそこそこ硬化したら、ある程度削り落としてプラモデル表面を平らにします。全体にサーフェイサーを吹きつけ、パネルラインに合わせたシャドー吹きも終えたら、動翼の部位にニュートラルグレーIVを塗装し、マスキング。そして機体全体の塗料はC305グレーFS36118を選択しました。
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塗装し終えてパネルラインへのスミ入れも終えたら、最後に翼端のパーツを取り付けます。今思えば別々に塗装し、最後に取り付けるだけでも良かったのですが、このときは作業を進めることを優先したので取り付け後に塗装しました(少しばかりの修正塗装も同時にした)。最後に各パーツへの部分塗装とデカールの貼り付けを終えて、完成です。
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塗装後のナイトレーベン全体を眺める
完成したナイトレーベンを見てみましょう。思った以上に暗めの色となってしまいましたが、ミリタリーチックな雰囲気が出せたので一安心です。機体中央のコックピットは、コフィンシステムで構成されているために中のパイロットが見えません。
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白色のデカールは薄黒いグレーと相性が良く、注意書きが書かれているだろう横線によって精密感が強調されました。一方で『エースコンバット インフィニティ』実装時に追加された機体下部のウェポンベイは、後付けとは言え機体のデザインと良く馴染んでおり、違和感を生んでいません。
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ナイトレーベンのサイズはこれまでの立体化されてきたオリジナル機以上に大きく、1/72サイズの戦闘機に匹敵するほど。キース機が運悪くナイトレーベンの主翼間に挟まってしまうのも納得の大きさです。
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『エースコンバット3』は登場機体において、流線型を主体とした“生き物風”のシルエットを強く意識させる機体が多く登場します(特にニューコム機で顕著)。R-101デルフィナス#1は文字通りイルカ的で、R-211オルシナスはシャチ的であることを踏まえると、黒く2枚の翼を束ねイーオン粒子によって著しい機動性を発揮する巨大なナイトレーベンは「夜のワタリガラス」とニックネームが付いているものの、暗闇で光に引き寄せられる「蛾」も同時に連想させてしまいます。
オーセンティックな飛行機の構成から離れ巨大であるが故に、背面や正面から見るとカッコ良さや禍々しさを通り越した、大きな羽を持ち鱗粉を撒き散らしながら飛ぶ蛾のような印象があるのです。
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曲線を用いたUIだけで無く生き物のようなデザインの航空機が数多く登場する『エースコンバット3』は、分岐するストーリー展開を含めて多彩さを見せたことも含め、シリーズそのものの許容度を大きく引き上げたことに20年以上経った今気付かされます。