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このところ台湾初のホラー映画が次々とヒットし、日本のホラーファンたちはすっかり虜になりつつあります。そんな台湾ホラーブームのなかで、今こそ振り返るべきだと思われるのが、『返校 -Detention-』。一連のブームの先駆けとなった作品の1つでした。
「台湾ホラー」がブレイクするまで
7月8日には、ケヴィン・コー監督によるホラー映画「呪詛」がNetflixで公開。同作は台湾史上もっとも恐ろしいとも言われた作品であり、日本のSNS上でも大きな衝撃をもって受け止められました。
また、7月1日から劇場公開されているゾンビパニック映画「哭悲/THE SADNESS」も、口コミで人気沸騰中。映画好きやホラーファンの間で、台湾発のホラーが注目を浴びていることは間違いありません。
これらの作品群の先駆けとして、2019年には「返校 言葉が消えた日」というホラー映画も話題になっていました。そして同映画の原作だったのが、2017年に台湾のデベロッパー「Red Candle Games」(赤燭遊戯)がリリースしたゲーム『返校 -Detention-』です。
実在の事件をもとにした伝説のホラーゲーム
『返校 -Detention-』の舞台は、1960年代の台湾。当時は中国国民党の強権政治が行われていた時代であり、作中には政治的に緊張した空気が漂っています。
そんな体制下で主人公の少女、ファン・レイシン(レイ)は、明らかに様子がおかしい、異界と化した学校に閉じ込められることに。幽霊や地獄の使者がさまよう学校を探索する内、プレイヤーはこの学校がレイの内面と密接に絡み合っていることを理解していきます…。
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ゲーム内のグラフィックや設定には、台湾の文化や風習、宗教観が反映されているのが特徴。「哭悲/THE SADNESS」や「呪詛」にも通じるような独特の世界観に、プレイヤーとして全身で没入できます。国産ホラーゲームをプレイするのとは、まったく違った体験を得られるでしょう。
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さらにホラーとして完成度が高いだけでなく、作品を進めることで、台湾の歴史をその身でダイナミックに感じられるはず。ゲーマーの間でも高く評価されており、Steamでは約9,000件に及ぶレビューにて「圧倒的に好評」を獲得しています。
なお『返校 -Detention-』はPCだけでなく、PS4やニンテンドースイッチ、iOS/Androidなどでもリリース済み。台湾ホラーに魅了された人は、この機会にプレイしてみてはいかがでしょうか。