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残暑お見舞い申し上げます。今年も記録的な猛暑が続き、みなさんの大好きな夏休みはもちろん、夏という季節そのものも終わろうとしています。
筆者は相変わらず、夜中にお菓子を食べて寝てゲームばかりしていますが、そんな時期にぴったりの風物なゲームが現れたので紹介したいと思います。今回は、8月31日からSteamにて早期アクセスを開始した、むつむつプロジェクト開発の『徹夜報告書 | Midnight Report』のプレイレポートをお届けします。
『徹夜報告書 | Midnight Report』とは
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本作は、日本の個人ゲーム制作者によるインディーホラーゲームであり、全編日本語に対応しています。レポート課題の締め切りに追われる学生の焦燥感をテーマに、日本式の機能建築や伝統的な古民家が登場し、ねっとりとして陰鬱なジャパニーズホラーを表現した作品です。
プレイするたびに変化するアイテムやマップ、レトロな面影が残るVHS風の画面エフェクトなど、“恐怖の演出”という一点に対して並々ならぬこだわりが感じられます。雰囲気としては、2000年代の『SIREN』や『サイレントヒル』といった国産ホラーの代表作に近いものがあり、一人称視点で進む構成は現代の流派をなぞっています。
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筆者は学生時代に他人の宿題をコピー&ペーストして提出していましたが、いまでも「宿題を忘れて留年する」という悪夢にうなされるので、それが具現化したものが本作という説もなくはないでしょう。
これは悪夢か現実か
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本作のストーリーは開発者自身の体験をもとに、あくまで徹夜作業の末の幻覚という形で展開。冒頭、破格の安さに釣られて片田舎に越してきたばかりの主人公は、しがない学生として明日に迫った課題の提出に追われています。焦る気持ちを抑えながらパソコンの電源を入れると、計ったようにブレーカーが落ちてしまい、今度は地下室へ赴くことに。
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ゲーム進行に必要なカギや懐中電灯などのアイテムはランダムに隠されており、その後の本編に備えたチュートリアルとなっています。本作の雰囲気や特徴的な仕様をひとつずつ、丁寧に理解し、あらかた操作にも慣れたところで恐怖が襲いかかるのです。
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何度やっても終わらないループの中で、少しずつ確実に、何かが蝕まれていきます。暗闇で光るオモチャの赤色灯、前触れもなく割れるライトはループの後も残り続け、ついには不気味な人形が消えた跡に謎の一文が残されていました。
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遭遇
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幾度ものループを経て、まるで始まりを告げるかのように恐怖心を煽る甲高いBGMが再生され、画面左上のタスクも警告文に変化します。いったい、何が起きているのか。いつものように扉を開けると……。
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なんとも無機質で殺気的、それでいて言葉すら通じない、血塗りの不気味な人形が本作のチェイサーです。
これが悪夢の一言で済むのなら結構ですが、プレイヤーは一切攻撃できず、生き残るために隠れて逃げ延びるしかありません。最初の章では、人ひとり分の狭い廊下や部屋の中で対峙し、接触するだけで死んでしまいます。
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しかし、幸いにも敵の動きは直線的で視野も狭いので、しゃがんで脇に入れば見つかる心配はほぼありません。それでも、条件が圧倒的に不利であることに変わりはなく、配置がランダムなのもあって探索に手間取れば見つかる可能性も高まります。
相手との距離は心音の強弱で分かりますが、もし見つかってしまったら全力疾走や、ロッカーに隠れてやり過ごしましょう。
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発電機を直して逃げるというデジャヴ
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なんとか敵から逃れて地下室に逃げ込むと、前の住人にして人形の創造者と思われる何者かの助言に従い、ブレーカーを5つ直して脱出することになります。先のステージは顔見せに近い内容でしたが、続く第2章では新種の敵や本格的な攻略アイテムが登場し、ここから本作の実質的な本編がスタートです。
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人形とは違う霊的な敵も存在し、金切り声とともに、どこからともなく現れて追いかけてきます。この敵に触れられても即死はしませんが、呪われて画面が激しく振動し、呪い殺される前にスタート地点まで戻らなければ死んでしまいます。
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また、肝心のブレーカーの位置が非常に分かりにくく、筆者のプレイ時間の9割は第2章であてもなく彷徨った分が占めています。本作には「霊感ストロボ」というアイテムがあり、持っているだけで近くのブレーカーを検知するのですが、複雑に入り組んだ2フロアの迷路の中で敵を避けつつ探すのは容易ではありません。
肝心のホラー要素はしっかり備わっているだけに、それ以外の部分でストレスを感じるのがもったいない。もう少し、ストロボが強くても問題ないと思います。
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ホラーにこそ友情が必要
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第2章をクリアするとエンドロールが流れ、本作の第3章「足掻」、そして最高難易度「博士号」が解放されます。
マップや目的は同じですが、レンズフレアから始まる妙に完成度の高いカットシーンが発生し、謎の男「野田」が仲間になります。野田はライフルで武装し、これまで逃げる一辺倒だった本作に、新たな楽しみ方が追加されました。
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5つあるブレーカーのうち2つを自ら修理し、プレイヤーと敵の間に入って一方的に殲滅する頼もしい野田を引き連れ、エレベーターで脱出することが第3章のゴールです。
それでも、プレイヤーが死に至る例も多いですが、ひたすらに怖い本作を前向きに遊べる唯一無二の要素。プレイヤーは野田に追従と待機の命令を出し、現状でも、いくらか戦術的な対応ができます。
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なんだかんだ、7時間かけてゲームクリアまでこぎつけました。とにかく最初から最後まで怖いというほかないです。すでに、有名な配信者たちが手に取って遊んでいるのもあり、本作が国産インディーホラーゲームとして注目を集めていくことは間違いないでしょう。
ただ、怖さばかり詰め込むのではなく、ゲームとしての面白さも両立させるのがホラーゲームです。「怖いけど楽しい」というゲーム部分では第3章で助っ人の野田が登場し、早期アクセスということで、今後もアップデートにより様々な要素が追加されます。
公開されている情報では、日本の村のようなステージも制作中で、これからどのように完成されていくのか要注目です。
『徹夜報告書 | Midnight Report』は、Steam向けに早期アクセス中。リリース記念で9月7日まで10%オフとなっており、本作の公式サイトでは体験版が公開されています。
タイトル:徹夜報告書 | Midnight Report
対応機種:筆者がプレイした機種:PC(Steam)
発売日:2022年8月31日
記事執筆時の著者プレイ時間:7時間
価格:620円