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1999年12月に発売された『ヴァルキリープロファイル』は、ゲームシステムと結びついた物語展開、仲間となる英雄たちの濃密な生き様とドラマ、攻撃を組み合わせるコンビネーションの楽しさと爽快感など、幅広い魅力でたちまち人気作の座を射止めました。
後にシリーズ展開を迎え、その魅力を受け継ぐ一方でゲーム性を変化させていきますが、こうした動きは2008年発売の『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』で一度途絶えます。2016年から2021年にかけて運営した、ソーシャルゲームの『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』が好評を博したものの、家庭用ゲーム機へのリリースは長い間沈黙を保っていました。
ですが、本シリーズの最新作『ヴァルキリーエリュシオン』が、PS5/PS4/PC(Steam)に向けて2022年9月29日に発売されます。しかも本作ではジャンルを大きく変え、アクションRPGとして登場。令和に訪れる新たな『ヴァルキリー』の物語はどのような形で紡がれるのか、気になる方も多いことでしょう。
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今回、製品版相当のPS5版『ヴァルキリーエリュシオン』をプレイする機会に恵まれたので、リリースに先駆けて本作の特徴に迫るプレイレポをお届け。購入するか悩んでいる方は、判断材料の一助としてご覧ください。
なお、物語については触れませんが、記事の性質上ネタバレが含まれるので、その点についてご注意ください。また、序盤のプレイ内容に絞ったレポートとなります。
■危機的状況から始まる“神々の黄昏”。だからこそ、予備情報なく入り込める利点も。
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詳細については触れませんが、『ヴァルキリー』シリーズの要である世界観は、今回も北欧神話をモチーフとしています。ただし、物語が幕開けした時点で神族のほとんどが滅んでいるという、かなりのっぴきならない状況を突きつけられます。
最序盤は、主人公であるヴァルキリーを除くと、話しかけられる相手はオーディンしかおらず、豪奢な宮殿もかなり閑散とした印象を受けます。この状況は物語が進むと少しずつ改善されますが、プレイ開始当初は少々面食らうかもしれません。
しかしこうした危機的状況だからこそ、必要となる前提情報は少なくて済みますし、開始時点のプロローグだけで現状の把握は事足ります。踏み込んだ考察となると話は変わりますが、ごく普通に遊ぶ分には、シリーズの過去作などの情報がなくとも大きな問題はありません。そのため、終末感の漂うこの世界の戦いを、シリーズ未経験者でもすんなりと楽しめます。
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また、これだけ極まった状況で幕を開ける物語が、今後どんな展開を迎えていくのか。そうした点に期待を抱くこともでき、プレイ意欲を後押ししてくれます。
ちなみに、ヴァルキリーが導く英雄たち──エインフェリアとの接点もなかなか色濃く、彼らの背景を垣間見る機会もあります。『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』では少々物足りなく感じた部分でしたが、本作はエインフェリアの掘り下げにも期待が持てます。
■ヴァルキリーのひとり旅は、少々きつめ。エインフェリアが加わってからが本番!
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本作のジャンルは、アクションRPG。立体的に描かれた3D空間の中で、多数の敵を相手に戦いを繰り広げます。『ヴァルキリー』シリーズとしては初の方向性なので、その手触りも気になるポイントのひとつでしょう。
まずゲームを開始すると、一通りの操作を学ぶチュートリアルから始まります。といっても、ゲーム的に切り離されているわけではなく、オーディンがヴァルキリーの戦いぶりを確認するといった趣です。
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このチュートリアルで、バトルにおける様々な要素を一気に学びますが、いざ本編が始まるとエインフェリアは誰もおらず、武器やスキルも最低限。一からのスタートになります。
戦闘中にヴァルキリーが取れる動きは、アクションRPGとして必要なものが一通り備わっています。いわゆる弱・強攻撃と、その攻撃の組み合わせによって派生するコンボ、ガードに回避、武器の持ち替えに多彩なスキルなど、基本は全て押さえられていると言っていいほどです。
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また、敵やギミックに向けて放ち、そこへ高速移動できる「ソウルチェイン」という、本作独自の要素もあります。3Dフィールドで戦うため、状況によっては敵が散らばることもありますが、このソウルチェインを使えばすぐに接敵可能。バトルにおける移動の手間を、かなり抑えてくれるシステムです。また、空中にいる敵も補足できますし、そのまま空中コンボにも繋げられるなど、使用用途が広い点も助かります。
ただし、プレイを通してバトル面で少し気になった点があります。ヴァルキリーの攻撃は、コンボの派生によってモーションや効果などが変化しますが、その中には長めのモーションや、攻撃終わりの硬直が気になるものもありました。
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もちろんそれは、アクションRPGにつきものの要素ですが、本作の場合は硬直などが少しだけ強めに影響しているような手応えです。敵は基本的に複数で登場するため、ある敵と戦っていると、コンボの終わり際や硬直などに合わせ、横槍を受ける機会がたびたびありました。
と、ここまで読んで「本作のバトルは爽快感がないのか?」と不安に思った方もいるはず。ですが、肝心の要点はここから。ヴァルキリーひとりで戦うバランスが少しだけきつめなのは、本作が“エインフェリアと共闘”できるためです。
シリーズ1作目『ヴァルキリープロファイル』では、主人公やエインフェリアの攻撃は各ボタンに割り振られており、〇×△□の組み合わせが、そのままキャラの攻撃となりました。それは、ターン制RPGだからこそのシステムでもあります。
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そしてアクションRPGとなった本作では、敵の遭遇に合わせてエインフェリアを召喚。呼び出した後の彼らは自動的に戦ってくれるので、余分な操作をすることなく共闘が楽しめます。
過去作のような、ボタンの組み合わせによるコンボこそ楽しめませんが、攻撃を繰り出すエインフェリアの動きに合わせ、リアルタイムにこちらの攻撃を重ねるといった醍醐味はまた格別。方向性が異なるため直接比較するのは難しいところですが、本作の連携も手応えがあり十分刺激的です。
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しかも攻撃する対象に向けてエインフェリアを送れるので、手ごわい敵に戦力を集中するもよし、自分が狙う敵とは別の敵に差し向け、負担を分散するもよし。的確にエインフェリアを使うことで、敵からの横槍を受ける危険性が実質的に減ります。こうした連携要素があるため、ヴァルキリー単体の戦いは若干厳しいバランスなのでしょう。
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本編でエインフェリアが加わるまで、少しだけ時間がかかります。そのため、ヴァルキリー単独で戦っている間に若干のストレスを覚えても、それは『ヴァルキリーエリュシオン』が持つ本来のゲーム性とは少し異なります。そこで諦めることなく、ぜひエインフェリアの加入まで進めてください。ターン制からアクション性へと変化した、新たな『ヴァルキリー』の戦いと爽快感を味わえます。
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今回は『ヴァルキリー』シリーズの最新作として特に気になる、物語面(ネタバレなし)や、コンボから連携に変化したエインフェリアとの共闘感に絞ってお届けしました。
ヴァルキリー自身も、成長に伴ってアクションやできることが増えていくので、逆算すると開始直後が一番物足りない時期とも言えます。だからこそ、その最初期で躓くのはもったいないばかり。そこをぜひ乗り越え、徐々に広がる『ヴァルキリーエリュシオン』のアクション性を堪能してもらえれば幸いです。
細かいゲームシステムなどが気になる方は、PS5/PS4向けに配信中の体験版に触れてみるのもお勧めです。ただし繰り返しになりますが、エインフェリアがいない状態でのバトルはちょっとだけ苦労するので、その点だけお覚悟を。
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