海外レビューひとまとめ『ソニックフロンティア』―ゲームの大半は驚くほど楽しい。ソニックのゲームと言うのは、こういうものなのだ

本作は、ソニックシリーズの低迷から見事な復帰を果たした作品だ。それでもソニックのゲームであることに変わりはなく、今までシリーズ作品になかった分野に進出していても、しっかりとその本質はこれまでのシリーズ作品に忠実なのだ。

あらゆるメジャーなシリーズがオープンワールドを採用してきているように思える。最初はソニックがこのシステムにひどくマッチしていないように思うだろう。しかし、驚くほどうまくいっているのだ。どの島も、戦闘と3Dアクションのチャレンジがわかりやすく分けられている。規模はどうあれ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の本質的な体験ができるのだ。しかし残念ながら、これは時に大きな苛立ちを覚えることも意味している。疲れるストーリーミッション、不可能なパズル、そして残酷なアクロバットが待ち受けているのだ。しかし、ゲームの大半は驚くほど楽しい。ソニックのゲームと言うのは、こういうものなのだ。ジェットコースターのように、めまいがするような高揚感とまったくダメな部分に満ちている。ゲームとしての本作には、注意すべき欠点もある。しかし、ソニックのゲームとして、本作は本当に最高級の作品だ。

何十年にもわたって惨めな失敗を繰り返してきたソニックチームが、ついに良質の3D『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』ゲームを作り上げた。そしてそれは、これまでのオープンワールドアクションゲームの中でも最高傑作の一つなのだ。

本作はあの青いやつが初めて挑戦するオープンワールドというジャンルであり、不安定な作品だ。しかしソニックチームが作り上げた作品は愛すべきものであり、非常に楽しいものであることは変わらない。ソニックの象徴であるスピード感を移動と戦闘に不可欠な要素として取り入れつつ、「サイバー・スペース」ステージは過去の作品のオマージュとなっており、その中心となるシステムは楽しいものとなっている。完璧とは言えないが、一生懸命作られた作品であり、粗のあるゲームながらも温かい思い出ができた。

2006年の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ソニックトゥーン』のように完全にぶっ壊れているわけではないものの、本作のストーリー、技術、ゲームプレイのデザインには疑問符がつき、良いアイデアを台無しにした大きく見当違いなゲームだ。ソニックチームは『ソニック ジェネレーションズ』や『ソニックマニア』といった新作や、『ソニックアドベンチャー』シリーズのような旧作の長所を活かすのではなく、他のオープンワールドゲームをライバル視し、荒っぽいやり方をしつつ、この青いやつをどうすればいいかよく分かっていないことを証明し続けているのだ。