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目まぐるしく移り変わる世の中、ゲーム業界も光の速さで進歩し、どれが自分に合うゲームなのか見極めるのは誰にとっても悩みどころです。懐の予算や遊ぶ時間と向き合いながら、いますぐ新作ゲームの情報が知りたい。そんなときのための「爆速プレイレポ」でございます。
今回は、tinyBuildがパブリッシャーを担当し、2022年12月7日に配信された『Hello Neighbor 2』をプレイして気になる内容を紹介します。
『Hello Neighbor 2』とは
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本作は、ジャーナリストとして正義と好奇心を抑えられない主人公がご近所宅に潜入し、町に秘められた(と思われる)謎を解き明かしていく一人称視点のアドベンチャー。プレイヤーを追い払おうとする住民たちとのチェイスなど、ドキッとする瞬間もありますが、基本的には全年齢向けの表現となっています。
こっそり忍び込んで探索するステルスや巧妙に仕組まれたパズル、プレイヤーの傾向から学習するAIなど、前作『Hello Neighbor』から引き継がれたシステムも多数。その一方で前作に登場した隣人以外にも、いろんな人物が住んでいる町「レイヴン・ブルックス」を自由に移動でき、確かな進化と幅広いシチュエーションを体験できます。
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また、本作は日本語をはじめとした複数言語に対応し、ボタン表記込みのコントローラー操作も可能です。
最も試されるのは自己解決力
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さっそく目星をつけた主人公が張り込んでいたところに、前作でも対峙したチョビひげ男が子供を誘拐する瞬間を目撃し、慌てて運転した車ごと納屋に突っ込んだ直後からゲームがスタート。建物から脱出するためにレバーを動かしたり、塞がれたルートをバールなどの道具で切り開いたり、実際にプレイする過程で基本操作を体得します。
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しかし、細かい部分を見落として早くも行き詰まり、このときから本作のプレイにあたって常に感じたことがあります。それはストーリーを含め、プレイヤーに具体的なヒントが与えられることがほとんど無いのです。タスクやナレーションといった補助も説明もなく、巷で騒がれているジャンルとは、また違った難しさがありました。
納屋を脱出したところで隣人に殴られて気絶し、はじめはそれが夢オチかどうかも判別できず、その後も何が目的でどこへ向かうべきなのかも分かりません。一応、遠回しな手掛かりがルート上に置かれていますが、マップの広さもあって迷子になることもしばしば。筆者のような完全初見のプレイヤーにとっては、本作の遊び方を理解するまでが少しばかり大変だと思います。
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それでも手探りで模索を続け、まずはオープニングで子供がさらわれた家へ向かい、警官の目をかいくぐりながら謎を解きはじめると要領が分かってきます。広大なフィールドに家々が点在しているものの、攻略対象となる現場や追跡者が同時に大量に配置されるわけではなく、1箇所ずつ集中して取り組む形です。
最初に忍び込む家の正面は警官が見張っていて、道具やカギがないと開けられないドアも多いのですが、逆を言えばアプローチが絞られていて分かりやすいです。最初から最後まで、ほぼノーヒントで進みますが、しっかり観察すれば隠されたものが見えてきます。諦めずに答えを探してみましょう。
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ギミックの地産地消
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進行によって変化する追跡者の行動も本作の特徴ですが、それ以上に大きなウエイトを占めているのは、やはり謎解きの部分。物語の真相を確かめるためには、キーアイテムや情報を集めて用意された問題を解決し、ゲームを進めていくしかありません。
趣向を凝らしたギミックと謎を解く手段は近い場所にあり、たいていは同じ部屋にまとめて置かれているので、あっちこっちを行き来する手間は少ないです。そういう意味では、しつこく迫ってくる追跡者とのステルスゲームに比重があるとも言えますが、屋内の狭い空間で追いかけっこをするバランスだと考えれば納得でした。
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追跡者はプレイヤーの動きに合わせて移動し、足音や騒音に対して敏感に反応します。捕まると特定のアイテムを除いた所持品を没収されて追い出され、プレイヤーが捨てたものを元の場所に戻しに行くこともあるので、仕様はかなり細かいです。発見された場合は走って逃げたり、ロッカーに隠れたりしてやり過ごせますが、見られた状態だと引きずり出されるので油断はできません。
まだ序盤の段階で何度もリトライすることになったので、後のステージは確実により難しくなると思われ、謎解きや追跡者がどういう風に発展するのか。そもそも、プレイヤーによっては同じ部屋で何十分も費やす可能性があり、すでに息切れを起こした筆者としても気になるところです。
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この手の観察力や推理力を問われる作品全般に言えることですが、謎解きは難しいからこそ解けた達成感も大きいので、なるべく自力で挑戦することをオススメします。ぱっと見ただけでなんでも鋭く気付いてしまう方もいますが、こういうときは本当に畏敬の念を抱かずにはいられません。
第1ステージをなんとかクリアした感想としては、3Dを活かした本格的な謎解きに加えてチェイスの要素もあるので、難易度が割と高い印象でした。キャラクターやグラフィックのデザインにも独特のクセがありますが、全体的に柔らかい印象で教育上の心配に触れるような表現も特になく、プレイヤー層がふるいにかけられることはないでしょう。
ただ、謎解きというゲームの性質上、ひらめきが起きなければ時間をかけても解決できない可能性があります。クリアまで辿り着けるかどうかは、プレイヤーの根気と直感にかかっているのかもしれません。
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『Hello Neighbor 2』は、PC(Steam、Epic Gamesストア)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox SeriesX|S向けで配信中。ニンテンドースイッチ版は現在、海外向けのみとなっています。
タイトル:Hello Neighbor 2
筆者がプレイした機種:PC(Steam)
発売日:2022年12月7日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:4,100円(Steam版)