
MSXの生みの親である西和彦氏によるMSX 3プロジェクトは着々と進行し、日々Twitterで進捗状況が伝えられてきました。実際に触れるマシンはまだか!?というユーザーの熱い要望の中、ついにクラウドファンディングの形ですが、プロジェクトの関連製品の販売がアナウンスされました。
しかし今回は「MSX 3」ではなく「MSX 0」。5cm×5cmの超小型マシン「M5Stack」上で動作するMSX2シミュレーターとなります。
◆超小型マシン上で公式MSX2が動く!M5Stackとは?
まず11月17日に、オリジナルの公式エミュがM5Stack上で動いたことが報告されました。
M5Stackは中国シンセン市の企業が開発した超小型マイコンキットです。ESP32というWi-FiやBluetoothにも対応したSoCを搭載しています。CPUコアはARMではなく、XtensaというRISCアーキテクチャの32bit 240MHz デュアルコアのプロセッサを採用しています。
入出力は320×240ドットカラー液晶。3つのボタン、電源兼リセットスイッチ、USB Type-C、そしてセンサー接続などに使うGrove端子を持ちます。このM5StackとMSX2エミュレーターのセットが「MSX 0」のようです。
西氏はMSX 0のGrove端子に300種類以上のセンサーを繋ぎ、BASICでプログラミングできるとツイートしています。
MSX 0のBASICは拡張され、USB3、Grove、クラウド(おそらくWi-Fi経由)に対応するとのこと。 単なるMSX2ではないのですよ。IoTできちゃうMSX2なのです。
◆これは痺れる!掌に載るMSX2マシンでゲームもできる
M5Stackに超小型フルキーボードやゲームパッドなどをセットにした「M5Stack Faces」にMSX2エミュレーターを載せたものが「MSX 0」として今回、クラウドファンディングの対象となるようです。
キーボードとゲームパッドは差し替えることができると思われます。
もちろん、MSXのゲームも動く!
さらにセットには充電ベースやUSBケーブル、ケースも付き、WindowsやAndroidから接続するためのコントロールパネルはWebサイトからダウンロードできるようです。
◆クラウドファンディングは2023年1月15日開始を予定
クラウドファンディングのスケジュールは以下を予定されています。
・1月15日 スタート
・3月31日 締めきり
・4月20日 発送
クラウドファンディングの条件は3,000台売れること。達成しなければ中止。 値段は見積もり中とのことです。
上記のスケジュールなどは、変更の可能性もあります。 興味のある人は、西和彦氏のツイートを定期的にチェックしてみましょう。
◆MSX3の方も大変なことに!
なお「MSX 3」の方は32bit版と64bit版がある他、ガチの現役スパコンに使われている4096コアCPUの搭載の「MSX Turbo S 4096」が計画されています(厳密にはMSX 3とは別の規格のようですが、TAOXというソフト基盤上で互換性が保たれると思われます)。
さらに512コア版のモンスターノートPCの話も。
512コア版は1コア=1000円で50万円台を目指すとのこと。64bitの浮動小数点演算性能は約4.9TFlOPS。NVIDIA GeForce RTX 3080 Laptopが64bitだと0.3TFLOPSぐらいなので、超お買い得になるかもしれません。
ここからは筆者の妄想ですが、流行のAIイラスト作画ソフトウェア、その中でもStable Diffusionはオープンソースなので、この超お買い得なマシンへと移植できる可能性もあります。筆者の妄想ツイートに西和彦氏は「はい」とだけ答えてくれました。
こちらも期待ですね!