※UPDATE(2023/01/23 19:46):「スパ柱レポ」を閲覧いただき、ありがとうございます。本企画の制作におきましては、メディアにのみ許可されているSteam正規の手段でゲームを入手しており、不審なデベロッパーに著しく大きな収益を与えることや返品は行っていません。
また、記事本文に挿入している販売ページへのリンクは購入を促すものではなく、記事内で取り扱ったソフトウェアの情報共有を意図していることを、予めご了承ください。
日夜多くのゲームがリリースされているSteam……その中には、得体のしれない謎タイトルもズラリ。本シリーズ「スパ柱レポ」では、膨大なゲーム群から様々な理由で皆が避けて通る一本を直撃レポ! 謎多きゲームの魔境に踏み込んで行きます。
今回スパ柱として身を投じるのは、お値段197,997円のFPS『Action: Vengeance』。約20万円というだけでも十二分に驚きですが、なんと容量はまさかの46GB……! まさしく大作ゲームのボリュームです(参考までに『ELDEN RING』のサイズは49.86GB、『DEATHLOOP』は30.98GB)。ただ、AAA規模でもない本作のプレイ映像から、そんな“大作ゲームらしい雰囲気”は見て取れません。
さすがに46GBといえども、20万円の価値を内包しているとは考えづらいのですが……長いダウンロード時間、否応なしに期待(と不安)は高まります。
もしかしたら「スパ柱レポで謎の超大型タイトルを発掘!」みたいに……もしかするともしかするんじゃないのか……!? そんな淡い期待を抱いて沈むプレイレポ、ぜひご一読ください。
なんでこんなに容量がいるんだ……? 随所に粗さを感じる一作!
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本作で語られるのは、腐敗した治安維持部隊に反逆するといったストーリー。オープニングでニュース映像が流れ、その後に治安維持部隊が闊歩する戦場に向かうこととなります。ニュース映像以外にイベントやチュートリアルらしきものはなく、早速戦いの火ぶたが切って落とされました。
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チュートリアルがないことに一瞬戸惑ったのですが、本作は非常にシンプルなFPS。こうした一人称視点シューターを遊んだことがある方なら、少しの試行錯誤でボタン配置を把握できるでしょう。
ゲームの流れを言うと、続々と湧き出る敵兵を倒しながらターゲットマークが書かれている所に移動するとステージクリア。ざっくりと端折ったわけではなく、本当にそれのみです。物語を感じられるイベントなどはなく、次のステージに移行していきます。
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FPSに触れたことのある方なら、大方詰まる内容ではないと考えますが……本作には難しいポイントも存在します。それは「敵兵がランダムに移動する」というところ。おそらく、敵兵の行動ルーチンがしっかり設定されていないからこその挙動なのでしょう。
これによって、パターンが読めず「気づかなかった敵兵が背後から急襲してくる」という場面もちらほら。それに加え、こちらの被ダメージ演出は非常に薄く、銃撃を食らっていても気づきにくいところも恐怖です。物陰に隠れてしまった敵兵を見逃して先に進むと、気づかない間にダメージが蓄積しているという事態が多発します。
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さらに、銃撃音そのものは聞こえるのですが強弱が薄く、敵の位置を判断するための材料にできません。あくまで「どこかから銃撃を受けている」と認識できるのみ。そのため、発砲箇所が前方だと考え索敵しているうちに、後ろから体力を削られていくことに……。
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銃弾を確保する方法が「相手がドロップした装備を奪う」以外にないのも難点のひとつ。敵を倒さず銃弾を使い果たしたら、大抵の場合詰みになります。
ただ、本作では距離によるダメージ減衰がありません。アサルトライフルやハンドガンなどの武器種があるのですが、それらの弾の威力もあまり変わらない印象も……。
連射して弾を使い切ってしまうアサルトライフルより、ダメージ減衰の無さを利用して、ハンドガンで遠距離射撃していた方が敵を効率的に撃破できます。粗さゆえに難しいのなら、それを逆手にとった攻略もあるということです。
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ステージ5あたりまでクリアした時点の印象ですが、本作は総じて「作りが粗い」と感じてしまいます。「20万円に見合うかどうか」という評価軸を差し置いても、本作に向ける感想は辛口にならざるを得ません。
……強いて言うなら、逆にその粗さが味を出していることは否定できません。前述の粗さを前提とした攻略に加えて、下水道でやたらと走り回るネズミや、多すぎるハエの数……「なんでそこに力を入れているんだ!」と思わせられるシュールさもありました。
また、舞台となる街を占拠している敵の服を見ると「POLICE」だけでなく「FBI」と書かれてもいます。腐敗した治安維持部隊ってFBIなの……!? アセットを使用しているから滲み出たのであろうチープさが、妙な注目ポイントを生み出しています。
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果たして「20万円」はどのような意図でつけられた値段なのか?
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さて、本作には特徴となるゲームシステムは存在しておらず、敵兵やオブジェクトも至って簡素なもの。筆者の率直な感想として、その粗い作りから多くのゲーマーに勧められないFPSと考えています。
では、本作はいわゆる20万円という価格を利用した「悪質な商法」なのでしょうか?ここまで遊んだ感想から言うと、決してそうではないと感じられます。マップを進んでいくと爆発エフェクトが発生したりと、敵の配置がやや工夫されていたりと、ゲームで表現されるもののすべてが完全に投げ槍といった印象もありません。「開発者の意図が感じられる作品」として、粗さが目立つのです。
その証拠に、SteamDBを確認するとほとんどの地域で2,000円前後の価格帯で販売されていることが確認できました。USドルでは$14.50。日本円に換算すると約1,900円です。推測ですが、$14.50を$1,450と入力してしまった価格で販売されているのではないでしょうか。
以前「スパ柱」企画で取り上げた『Outbreak 2030』でも似たようなミスが起こっていましたので、この可能性は十二分にあるでしょう。
20万円という高価格は意図してつけたものではなさそうで、アセットの多用から生み出されるチープな面白さを感じてしまったのも事実ですが……このクオリティで46GBの大容量は非常に厳しいとは感じます。
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あらためて、『Action: Vengeance』はSteamにて19万7,997円で販売中。日本以外では2,000円前後で販売されていますので、タイプミスの可能性が推測されます。Game*Spark編集部は本作の販売価格について、パブリッシャーのKnuckle Dusterに問い合わせています。製品情報に変更があった際は、続報をお届けします。
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)