コーエーテクモゲームスは、PC/PS5/PS4/ニンテンドースイッチ向け競馬シミュレーションゲーム『Winning Post 10』を2023年3月30日に発売予定です。
4年ぶりの新規ナンバリングタイトルとなる本作では、競走馬の3Dモデルやレース演出などを大幅にクオリティアップ。馬の内面的な個性を表現する「ウマーソナリティ(ウマ+パーソナリティ)」や日本競馬の歴史的調教技術を再現する“史実調教”など、新たな要素が登場するほか、開始年シナリオや結婚など、シリーズ人気コンテンツも多数実装します。
そんななか本稿では、シリーズ30周年記念作品『Winning Post 10』発売直前となる今、シリーズ第1作の『ウイニングポスト』を振り返ります。なお、記事ではスーパーファミコン版を使用しています。
30年の歴史を持つ『ウイニングポスト』
シリーズ第1作『ウイニングポスト』は1993年に発売。はじめはPC-9801向けにリリースされ、その後は他のPC機種やスーパーファミコンやメガCDなど多くのプラットフォーム向けに移植されています。また、データなどを変更した『ウイニングポストEX』といった派生作品も後に発売されています。
ゲームとしては、プレイヤーが馬主として競走馬を育成しながらレースに勝利し、牧場を購入したり、繁殖でより強い馬を育てていくのが目的。調教師や騎手などとの関係性にも重点が置かれ、馬の育成だけでなく人との交流も重要な作品として描かれています。
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第1作『ウイニングポスト』では、プレイヤーは大きな目標となる「凱旋門賞」以外は国内中央レースのみ挑戦可能でしたが、その後のシリーズでは地方競馬や海外競馬への挑戦が可能になるなど世界規模はスケールアップ。競走馬の血統や配合などのデータもより細かく、より奥深いものへと進化していきます。
2014年に発売された『ウイニングポスト8』では「結婚」がシステムとして採用され、本作の特徴的な人間関係もパワーアップ。なお、この『ウイニングポスト』シリーズは単純な新作タイトルではなく、パワーアップキットや派生タイトルも多く登場しており、近年はナンバリングごとに大きくシステムを追加・変更しています。
新人馬主として日本競馬界へ乗り込め!
シリーズ第1作『ウイニングポスト』は、プレイヤーが1億円の資金を持った状態からスタート。最初はそれぞれ1頭ずつプレゼントされた4歳馬と3歳馬を育成し、レースの勝利を目指しながら馬主としての経験値や資金を稼いでいくことになります。他にも誕生日や血液型、最初に馬を預ける調教師などを選択しましょう。
ちなみに冒頭に登場する秘書「有馬桜子」は、シリーズおなじみの看板キャラクター。最新作『Winning Post 10』でも、桜子さんはもちろん「アリスリード」「関屋未来」などの歴代人気キャラクターも登場します。また、最初の設定で年齢を未成年にするとレース画面で勝馬投票券を買えないなどのちょっとした小ネタも。
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初代でもっとも大切なことは、あくまでプレイヤーは競馬界に殴り込んだ新人ということ。ゲーム内では馬主としての「経験値」というパラメーターがあり、低いうちは馬を預けた調教師や他の馬主など、多くの人間にまともに話を聞いてもらえません。そのため、序盤はひたすら所有馬と調教師を信じて日々を過ごすことになります。
ある程度成長してくると調教師へ指示を出したり、他の馬主から馬を購入するなど、やれることが広がっていきます。初代『ウイニングポスト』は特に馬がレースに出ることが重要で、レースで好成績を残すことで馬主としての経験値だけでなく、走った愛馬も成長していきます。
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幸い最初に選ぶ馬も(基本的に)そこまで弱いということはなく、初期資金もある程度は余裕があるので、任せている状態でも即座に困ることはありません。
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シリーズ原点にしてすでにやりごたえ十分!
ゲームは毎週ごとに行動を決める形式。毎週頭には調教師から預けている馬をどのレースに出すかなどの予定が打診されます。厩舎を訪ねたり他の馬主と話したりなどの行動もできます。週の終わりには競馬場画面へ移動して、レースを見たり勝馬投票券を購入することも可能です。
また、決まった時期になると幼駒や当歳馬の「セリ市」が開催されます。プレイヤーは初期状態では自身の牧場がないため、購入することでしか競走馬を増やすことができません。当然競りで勝つには多くのお金が必要ですが、調教師のアドバイスなどを聞きながら少しでも血統が優秀な馬を探し出しましょう。
とにかく本作の肝は「ひたすらレース回数を稼ぐ」ことです。前述の馬主経験値や競走馬育成のためにも、なるべく多くの馬を所有しなければなりません。破産さえしなければゲームオーバーにはならないのでゆっくり遊んでもいいのですが、重賞に勝つためには一筋縄ではいかないのです。
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ある程度ゲームを進めていくと牧場を入手し、念願の“自分だけの産駒”を作り出せるようになります。もちろんインブリードやアウトブリードと言った配合理論もあるので、上手に組み合わせることが大切です。他の馬主から種牡馬の種付け権を購入しておくことで、有力馬を選ぶこともできます。
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競走馬の中には、通常よりも強力な能力を持つ“スーパーホース”がいて、こちらもシリーズ恒例の要素となっています。“スーパーホース”を入手するのは簡単なことではないのですが、運さえ良ければ比較的初期から見つけられることも。地道に育成していくのも楽しいのですが、こういった奇跡を求めるのもロマンですね。
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人と馬のドラマはシリーズ初代から!
『ウイニングポスト』シリーズはプレイヤーが馬主となり、調教師や騎手と交流していくのが重要な要素として登場しています。それはシリーズ第1作から存在していて、レースでの成績などを通じて彼らとの「友好度」が上がっていきます。
友好度が上がると、騎手ならば騎乗を優先してくれるなどの恩恵があり、育成面で大きな助けとなります。ある程度特定の厩舎や騎手を優先し、それぞれとの関係を築けていくことで「自分なりの競走馬コミュニティ」が出来上がっていくのも本シリーズの醍醐味と言えます。
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交流要素は他の馬主にもあり、例えば競馬場で同じレースに出馬させている馬主から話しかけられることも。彼らはそれなりに優しく、新人である自分の所有馬が相手より上位になれば、先輩としてプレイヤーに経験値をプレゼントしてくれることもあります。馬主からは繁殖牝馬や幼駒、種付け権を購入する事ができるので、こちらも繋がりは重要です。
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ゲームの目標とも言える「凱旋門賞」での勝利への道のりは簡単なものではありません。育成はもちろん、考え抜いた血統を作り出したり、信頼関係を築いた騎手にすべてを任せたり、馬主としての経験値が大きく問われるのです。
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シリーズ第1作『ウイニングポスト』は今から30年前に発売されました。今あらためてプレイしてみても競馬シミュレーションとしての面白さは確立され、今も脈々と続いている「人と馬のドラマ」というシリーズならではの味も、原点の時代からしっかりと感じ取れるのです。
久しぶりに初代をプレイしてみると実際の競馬での変化も感じられます。1993年当時ではまだ「馬齢」の表記が異なっていたり、競走格付けを含めてレースの内容や種類も大きく異なります。こういった歴史を感じられるのも長年続くシリーズ、競馬やスポーツをモデルにした作品を遊ぶ醍醐味だと思います。
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シリーズは続いていくことにそのシステムや表現を進化させ、ナンバリングシリーズごとにまた異なる魅力を作り出しています。実に4年ぶりとなる新規ナンバリングタイトル『Winning Post 10』は果たしてどのようなドラマを生み出すのでしょうか?
『Winning Post 10』はPC(Steam)/PS5/PS4/ニンテンドースイッチ向けに2023年3月30日に発売予定。現在は製品版に引き継げる体験版も配信中です。