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2023年3月25日、梅田スカイビルでインディーゲーム展示会「ゲームパビリオンjp」が初開催されました。出展された約80ブースの中から『Brave and Desire』をピックアップしてお届けします。
イベント開催前の出展作品のプレビュー動画時点からそのクオリティの高さから注目されていたAqua Sirenブースの『Brave and Desire』。「インディーゲーム展示会だったよな?」と、いい意味で目を疑う美しいロゴと王道中世ファンタジー風のドット絵に誘われヘッドフォンを付けると、ケルト音楽風のBGMがワクワク感を盛り上げます。
ゲームはパーティ編成からスタート。デモ版では限定された7種類の職業の中から5人のパーティメンバーを選び冒険に旅立ちます。
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今作はプレイするごとに分岐やイベントが変わる、いわばローグライクな作品で、イベントを一つ終える度、「地獄への道」や「天国への道」などの選択肢の中から行き先を選び、森の中を歩き進みます。選んだ行き先により敵とのバトルが多かったり、宝箱を入手できたり、行商人からアイテムを購入できるなどのイベントがランダムに起こります。ダンジョンの先にはボスが待ち構えていて、平坦な道ばかりを選んでいると、バトル数が少なくレベルが足りず、ボス討伐を達成できないなどの弊害もあり、バランスを考えて道を選ぶ必要があります。
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バトルはターン制で、コマンド入力をしたらスピード順で行動が始まります。パーティメンバーは職業ごとの能力の差以外にも、配置によって使用可能なコマンドが変わるため、前列・中列・後列3種類(それぞれ3マス)のどこに配置するかが非常に重要です。配置はイベントごとに何度でも変更できますが、それぞれの能力と効果範囲を加味して設置する必要があるため、慣れるまでは確認しながらのバトルになりました。RPGを力押しで進む脳筋タイプの筆者は、初回プレイではすぐにゲームオーバーしてしまいましたが……。個人的に、後列の魔術師に前衛の戦士のHPを回復してもらうタイミングが特に難しく感じました。
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HPの回復はバトル中の回復行動、もしくは次の道へ進まずに休憩することで行うのですが、休憩中にも突然モンスターが現れる可能性もあるので、HPには余裕を持つことが大事です。戦闘中、前衛にいるメンバー全員のHPがゼロになると隊列が崩れ、中列や後列にいたメンバーが次から次へ矢面に立つことになります。
傷付いた戦士を回復のため後列に下げたいのですが、1ターン1マスしか下がれず、中列に別のメンバーを配置していると完全に邪魔に……かといって魔術師は後列からでないと隣接十字マスのメンバーの回復ができないため「ぐぬぬ」となっている間に戦士がやられてしまい隊列が崩れ……難しかったですが、慣れれば逆に楽しくなる部分でもあるなと感じました。
出展されていたBard氏に話を伺ったところ、基本的には一人で全ての企画ディレクション&プログラミングを担当していて、それ以外は外注で制作依頼をしているとのことです。
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デモ版にはストーリー展開やキャラクターのバックグラウンドストーリーなどは見られなかったのですが、お話を聞くと『FINAL FANTASY V』のジョブ編成などのパーティ編成要素や、『ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言』の戦闘システムがお好きだったとのことで、その部分をより楽しんでいただける作品にあえてしているのだそう。なんと本作のロゴデザインも『ヴィーナス&ブレイブス』のディレクターでありロゴデザインも担当している川口忠彦氏に依頼されたということでした。今までプレイした好きな作品の好きな要素を独自のバランスとアレンジで盛り込み、グラフィックやサウンドなども自身の好きな世界観のアーティストに依頼をしたとのことで、まさに”自分で作る夢のゲーム”的な作品ですね!
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そして後々判明したのですが、Bard氏は以前ブラウニーズでプログラマーをされていて、『EGGLIA~最期のたまご~』ではメインプログラマーを務めたのだそう。Bard氏が退社されたあとの作品ではありますが、筆者も同作のニンテンドースイッチ版『EGGLIA Rebirth』英語版の翻訳ディレクションを担当していたので、大阪での偶然の出会いにただならぬご縁を感じてしまいました。
『Brave and Desire』は2023年中にリリース予定で、都内の他イベントにも出展予定とのこと。本レポートで名前が上がった作品のファンの方も機会がありましたら是非プレイしてみてくださいね。
『Brave and Desire』作品紹介
ファンタジーの世界観をベースとし、パーティバトルをメインとした、オリジナルのローグライトRPGです。入手するアイテムや発生するイベントのランダム性の他、パーティ編成の組み替えにより、何度も繰り返し遊びたくなるようなゲーム性を目指しています。
企画ディレクション&プログラム:Bard
キャラクタードット絵&キャラクターデザイン:puking rabbit
背景:zunda
キービジュアル&アイテムイラスト:弥生がるた
UIグラフィック:オチカ
BGM:dama
タイトルロゴ:川口忠彦