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1987年12月18日に第1作目が発売され、35周年を迎えた『ファイナルファンタジー』シリーズ。前作から7年振りとなるナンバリングタイトル『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』がいよいよ本日6月22日に世界同時発売されました。
すでに配信されているデモ版でプレイヤーに大きな衝撃を与え、バトル、そしてストーリーでも重要な鍵として描かれている召喚獣。歴代の「FF」シリーズでも、その派手なアクションやストーリーへの関わり方で、発売前からプレイヤーをワクワクさせてきました。そこで本記事では歴代の「FF」ナンバリングシリーズから、『FF16』のタイトルロゴにも描かれているイフリートに焦点をあてて振り返ります。
※本記事では『FF16』のネタバレは極力控えていますが、
旧作に関しては一部ネタバレを含んでおります。ご注意ください。
炎を司るイフリートは、召喚獣が初めてシリーズに登場した『FF3』から全作品に登場している常連メンバーです。『FF16』では重要な役割を担うイフリートですが、過去作では比較的ストーリー序盤で登場することが多い、いわば初級召喚魔法のイメージが強い召喚獣でした。それでは、イフリートがどのように描かれてきたか振り返りましょう。
『FINAL FANTASY III(ファイナルファンタジー3)』
オリジナル版発売日:1990年4月27日
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召喚獣のシリーズ初登場は『FF3』から。今でもお馴染みのシヴァやバハムートなど、全8体の召喚獣が登場しました。主人公4人が全22種類のジョブを使い分けながら攻略する本作ですが、召喚魔法が使用できるジョブはお馴染みの「召喚士」という名称ではなく、「幻術師」「魔界幻士」「賢者」の3ジョブ。また、『FF3』のみ魔法名と実際の召喚獣名に差異があり、イフリートは「ヒートラ」という魔法名でした。
バハムート、オーディン、リバイアサンの3体は特別で、特別ダンジョンを超えたボス戦後にやっと力を貸してくれる、という流れがありましたが、イフリートは街で購入すればすぐに使用可能。作内で初めて訪れる召喚魔法ショップで手に入る5体のうちの1体でしかなく、ストーリーでの絡みもないため、購入せずとも問題なくクリアできてしまいます。
シリーズでお馴染みのイフリートの技名「地獄の火炎」もここから登場。ただし「地獄の火炎」で攻撃できるのは「魔界幻士」と「賢者」のみ。「幻術師」だと「怒りの炎」もしくはシリーズでも珍しいイフリートの回復魔法「いやしの光」のどちらかが発動します。
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ちなみに英語だと「ヒートラ」は「Heatra」で、「怒りの炎」は「Inferno」、「いやしの光」は「Healing Light」、「地獄の火炎」は「Hellfire」です。炎の魔神イフリートを象徴する2本のツノが特徴的なデザインはここからすでに見られます。
『FINAL FANTASY IV(ファイナルファンタジー4)』
オリジナル版発売日:1991年7月19日
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ストーリーの流れに沿ってパーティメンバーがドラマチックに変わる『FF4』。メンバーのジョブやアビリティも固有のものが用意されており、召喚士の少女・リディアが召喚コマンドを使用できる唯一のキャラクターです。
召喚士が暮らす「ミストの村」のただ一人の生き残りで、村を焼き尽くした炎がトラウマになり、炎の魔法を使わなくなってしまった彼女。イフリートは、そんなトラウマを乗り越え成長した彼女が、物語中盤で再び主人公・セシルの元へ合流した際に呼べるようになっている召喚獣、という位置付けでした。
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ストーリーで直接イフリートが言及されることはありませんが、リディア合流直後のボスの弱点が炎属性のため、イフリートの「地獄の火炎」を重宝したプレイヤーも多かったのではないでしょうか。
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ちなみに『FF4』では召喚獣が普段暮らしている「幻獣の町」を訪れることができ、幻獣たちにより親しみを感じられます。町にある幻獣図書館ではイフリートについて書かれた文学書も。
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「幻獣の町」は幻獣王リヴァイアサンと王妃アスラが治めていて、幻界の時間の流れは通常より早いという設定になっています。再会したリディアが成長しているのもそのため。残念ながら町でイフリートの姿は見られません。
『FINAL FANTASY V(ファイナルファンタジー5)』
オリジナル版発売日:1992年12月6日
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比較的序盤でストーリー進行上倒さなければならないボスの1体として登場。古代図書館の本の中に封印されていて、調べると主としての力を試すための戦いになり、倒すと召喚獣としてパーティに力を貸してくれます。
対イフリートとの戦闘は本作が初めてで、撃破後のセリフ「ま まいった!」は、戦闘前の誇り高い態度とのギャップにやられたごく一部のファンから人気があるとか。
『FF5』ではジョブとアビリティの組み合わせで、どのパーティメンバーでもイフリートの召喚で「地獄の火炎」を使用可能です。手に入れずともクリアできた同じくジョブシステムが光る『FF3』とは違い、『FF5』ではイフリートとタイタンの2体はイベント進行上必ず闘い入手することになる召喚獣です。
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『FINAL FANTASY VI(ファイナルファンタジー6)』
オリジナル版発売日:1994年4月2日
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『FF6』での幻獣は、人間が魔導の力を使うためのソースとして搾取されていて、ストーリーにも密接に絡んでいます。イフリートもその犠牲として描かれていて、魔導工場でシヴァと共に捨てられてしまっており、出会うシーンはなんと廃棄場。話しかけると戦闘になり、勝利すると「魔石」となってパーティに力を貸してくれます。
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作内では力尽きたあとの召喚獣は「魔石」になり、パーティメンバーが装備することで召喚魔法の使用、レベルアップ時のステータスボーナス付与、白・黒魔法を覚えることなどができるようになります。
イフリートの「魔石」は基本の炎魔法であるファイア、ファイラそしてドレインを覚えることができ、また、レベルアップ時に装備していると力が通常より+1アップするため、序盤はパーティメンバー同士で取り合いになることも。召喚魔法「地獄の火炎」は戦闘中に一度のみ使用が可能です。
世界観こそ違いますが、『FF4』に続き『FF6』でも幻獣が暮らす世界「幻獣界」が登場します。
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『FINAL FANTASY VII(ファイナルファンタジー7)』
オリジナル版発売日:1997年1月31日
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PlayStationに移行しイフリートも初めて3D化。『FF7』の召喚獣は戦闘中にも関わらず、その美麗さと演出時間の長さで発売前のニュースから話題になりました。前作『FF6』と違いストーリ上での絡みはあまりなく、あくまでもプレイヤーが任意で使える戦闘補助的な役回りとしての登場です。
『FF7』では召喚魔法も「マテリア」として装備に装着することで使用可能になり、イフリートも「召喚マテリア」の一つとして登場。“威力の強さから多発されないようにするためムービーを長くした”というエピソードもある召喚魔法ですが、一番長いナイツオブラウンドが1回の召喚で1分半超えの演出なのに対し、イフリートの尺は20秒程度なので、演出的には比較的短い部類ではありました。
イフリートのマテリアは、イベントで忍び込む神羅の運搬船でボスとの戦闘後にマップ上に現れ、取り損ねると二度と手に入らない鬼仕様。その後のマスターマテリア習得にも影響を及ぼすため後悔したプレイヤーもいたのではないでしょうか?(『FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジー7リメイク)』ではストーリー進行上で手に入り、取り逃がすことはなくなりました。)
『FINAL FANTASY VIII(ファイナルファンタジー8)』
オリジナル版発売日:1999年2月11日
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『FF8』では召喚獣が「GF(ガーディアンフォース)」という名称で、ストーリーにも密接に関わる形で登場。
「GF」は「ジャンクション」(いわゆる装備)することで召喚魔法を使うだけではなく、ステータス強化やアビリティを覚えられます。そのほか『FF8』初登場の要素としては、「GF」に自分の好きな名前をつけられる、パーティメンバーとの相性の存在、召喚魔法の演出映像中に「おうえん」することで召喚魔法の効果を上げることができる、などがありました。
イフリートは主人公・スコールがSeeDになるための試験で訪れる最初のダンジョン「炎の洞窟」のボスとして登場します。試験は避けて通れない登竜門になっているようで、マッチョで一見怖そうなイフリートが、毎回SeeD候補生の相手をしてあげていると思うと少しほっこりしますね。
使える召喚魔法は「地獄の火炎」。「力+20%」やHPを底上げできる「HPJ」のアビリティを習得できるため脳筋プレイヤーは特に重宝した「GF」でした。演出映像は約20秒。作内の最長記録「エデン」が約1分半なので、比較すると短い方ですよね。
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「GF」との相性については、特定のアイテムを使用したり、戦闘中に召喚魔法を使用することで相性の数値を上げることができ、親密になると召喚時間の短縮などが可能になります。また、相反する力を持つ「GF」との相性が上がると、逆に相性が下がってしまいます。シヴァと仲良くしすぎると拗ねてしまうイフリート……ちょっとかわいらしいですね。
イフリートと心も体もリンクしたマブダチになり、自分だけのあだ名をつけて、召喚魔法中にもボタン連打で推し活できる……とは少し言い過ぎかもしれませんが、そう考えると『FF8』はシリーズでも特殊かもしれません。
『FINAL FANTASY IX(ファイナルファンタジー9)』
オリジナル版発売日:2000年7月7日
『FF9』では召喚士と召喚獣がストーリーに密接に関わっています。メインキャラクターのうち2人が「召喚」コマンドを使用でき、それぞれ使用できる召喚獣が異なります。イフリートはアレクサンドリアの姫・ガーネットが使えるようになる召喚獣として登場します。
「トパーズ」を入手することで召喚可能になり、アイテム欄の「トパーズ」所持数で「地獄の火炎」の与ダメージが上がります。ちなみに『FF9』英語版では「地獄の火炎」は従来の「Hellfire」ではなく「Flames of Hell」表記に変わっています(前後の『FF8』、『FF10』では「Hellfire」に戻っています。)
『FINAL FANTASY X(ファイナルファンタジー10)』
オリジナル版発売日:2001年7月19日
歌舞伎化もされた『FFX』は、召喚士と召喚獣が物語の中核となっています。
メインキャラクターの召喚士・ユウナの父親は、世界を脅かす魔物『シン』を命と引き換えに倒した大召喚士ブラスカです。再び復活した『シン』を倒すため、そのことで自分も命を落とすことになる運命と知りながらも、試練を乗り越え召喚獣の協力を得ながら旅をします。イフリートも、ユウナが「キーリカ寺院」での試練を超えることで力を貸してくれるようになります。
また、『FF10』では召喚獣が各々の召喚魔法を使用するだけでなくバトルで共に闘ってくれるのですが、召喚時にイフリートがユウナを肩にちょこんと乗せてくれる様子がプリティです。使用可能なコマンドも「たたかう」、「メテオストライク」、そしてオーバードライブの「地獄の火炎」です。「メテオストライク」は『FF6』のマッシュの必殺技の一つとして初登場し、「魔列車」を持ち上げられると一部で話題になった技でした。その後も『FF7』でティファ、『FF8』でゼルに引き継がれていました。
シリーズ初となるPlayStation 2で発売され、初めてボイスがついた作品ではありますが、残念ながら『FF10』ではイフリートには声優さんは付きませんでした。
『FINAL FANTASY XI(ファイナルファンタジー11)』『FINAL FANTASY XII(ファイナルファンタジー12)』『FINAL FANTASY XIII(ファイナルファンタジー13)』
『FF11』オリジナル版発売日:2002年5月16日
『FF12』オリジナル版発売日:2006年3月16日
『FF13』オリジナル版発売日:2009年12月17日
シリーズ初のオンライン作品となった『FF11』では、イフリートはサーバ名に(のちにワールド統合のためオーディンサーバーに吸収。戦闘や召喚も可能。)旧作お馴染みの召喚獣が登場しない『FF12』ではイフリートはついに乗り物になり、「イフリート級巡洋艦」となり世界を駆けました。『FF13』ではノーチラスでのパレード「ポンパ・サンクタ」で悪い召喚獣役で登場。
召喚獣として登場しなくなり、“イフリートがリストラされた”などと言われることもあり、代わりに炎の召喚獣として『FF12』には「ベリアス」、『FF13』には「ブリュンヒルデ」が登場していました。
『FINAL FANTASY XIV(ファイナルファンタジー14)』
オリジナル版発売日:2010年9月30日
『FF16』の制作陣と同じ第三開発事業本部による『FF14』は『FF11』と同じくオンライン作品です。召喚獣は「蛮神」として登場しています。英語で「蛮神」は「Primals」で、同作の公式バンドの名前ににもなっています。
現在もアップデートが続き多くのプレイヤーに愛されており、イフリートも新生エオルゼアに「焔神イフリート」として登場し、”神”らしく蛮神戦でプレイヤーを阿鼻叫喚させています。
『FINAL FANTASY XV(ファイナルファンタジー15)』
オリジナル版発売日:2016年11月29日
『FF15』ではストーリー終盤に重要なボスとして登場します。勝利しても召喚獣として仲間になることもなく、召喚もできません。
本作では他の召喚獣を裏切り戦争を起こした悪として描かれており、姿も歴代シリーズの中で一番ニンゲンらしい顔をしており、魔人というよりは武器を持った魔王のような風貌です。旧作では闘うことがあっても比較的序盤のボスとして登場することの多かったイフリートですが、『FF15』では終盤のクライマックス近くで戦闘することになり、プレイヤーに衝撃と新鮮なイメージを与えました
そして『FF16』へ……
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序盤の常連召喚獣から脱却し、強いイメージに変わりつつある『FF』シリーズのイフリート。物語では重要な役割を果たすであろうシリーズ最新作『ファイナルファンタジー16』は、PS5向けに発売中です。
※『FF1』~『FF6』の画像は『FINAL FANTASY PIXEL REMASTER』のスクリーンショットを使用しています。