紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】

本作の14年に渡る開発までの道のりも掲載しています。

連載・特集 プレイレポート
紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】
  • 紆余曲折の14年を経てついに発売!協力型FPS『Six Days in Fallujah』プレイレポート―やりごたえ抜群の緊張感は協力プレイでこそ輝く【特集】

Victuraは、Highwire Gamesが開発を手がけるタクティカルFPS『Six Days in Fallujah』を、PC(Steam)向けに早期アクセスでリリース開始しました。

本作は、100人以上の海兵隊員や兵士、24人以上のイラク市民と兵士らの協力の下で開発された実話に基づいた作品。プレイヤーは、プロシージャル生成される地形や高度なAIなど、さまざまな困難に立ち向かいながら戦略を立てて作戦を遂行していかなければなりません。

本稿では、ついにリリースされた『Six Days in Fallujah』のプレイレポートをお伝えしていきます。なお、早期アクセス版では、戦闘初日の海兵隊に焦点を当てた、最大4人の協力プレイが可能な4つのミッションが用意されています。

『Six Days in Fallujah』が発売されるまで

本作の開発の歴史は非常に長く、始まりは今から14年前まで遡ることになります。2004年にイラクで発生した「ファルージャの戦闘」をテーマにした本作は2009年に開発を発表。当初は米コナミがパブリッシャー、Atomic Gamesが開発を務めていました。

しかし、開発の発表後に多くの批判が集まり、その後パブリッシャーの米コナミによる販売権を放棄。開発のAtomic Gamesは、2010年に本作の開発が完了したものの、新たなパブリッシャーが見つかっていないことを報告していました。



そこから新たな動きが持ち上がったのはおよそ11年後。2021年に突如としてパブリッシャーVictura、デベロッパーHighwire Gamesによって『Six Days in Fallujah』が再び姿を表します。Victuraは、Atomic GamesのCEOを務めていたPeter Tamte氏が設立したスタジオです。

しかし、復活後も『Six Days in Fallujah』は議論の対象となり、米イスラム団体が本作の販売自粛を各ストアに求めるなどの騒動に発展していました。また、ゲームの開発も難航し、2022年に発売予定だったものが一時無期限延期状態となり、2023年6月に公式から早期アクセスでのリリースが発表されたのです。

そのテーマの重さから、発表以来さまざまな議論や反発を招いてきた『Six Days in Fallujah』。次項からは、14年という歳月をかけ、ついに発売までこぎつけた本作の、ゲームとしての内容をお伝えしていこうと思います。




「先に何があるかわからない」緊張感抜群の戦場

早期アクセス開始時点でプレイできるモードは、4人協力モードの「ファイアチームミッション」と「トレーニング」のみ。トレーニングでは移動や射撃、壁の乗り越えや扉の開け方などを学んでいきます。移動はダッシュやしゃがみなどの行動もあり、リーン(傾き)も可能です。

銃の射撃はマウス右クリックでADS状態になり、そこからマウスホイールでスコープなどに視点を切り替える方式。少し独特なのが、ダメージを追った時に「逃げてカバー状態になること」で回復アクションが始まるということです。傷によっては出血治療も必要ですが、こちらも同様にカバー状態でしか行なえません。

全体的には、カバーできるポジションを見つけて索敵しながら目標を達成していく、比較的オーソドックスなFPSに近いプレイ感覚です。ただし、本作はどのミッションもプレイ開始時にマップ全体がプロシージャル生成されるため、プレイごとに攻略するべきルートが変わるのが大きな特徴です。

これは開発コンセプトとして「海兵隊員たちは建物の中やその先に何があるのかをまったく知らなかった」という話を基に再現したシステム。もちろん敵の配置も毎回異なり、前回は安全だったルートや家屋が、次回では入り組んで敵が多い困難な場所になることも珍しくありません。

さらに、こちらも開発コンセプトのひとつとして「守る側が基本的に有利」というものがあり、外と室内の明るさのギャップや、逆光状態の陽射しなど視界的な戦いづらさをゲームの難易度として盛り込んであるので、かなり難しい印象です。ゲームとしてはかなり「音」の情報が多いので、敵の足跡や声などをしっかり聞くのが重要ですね。

筆者はまずミッションをソロプレイで遊んでみたのですが、地形や敵AIの動きなどに翻弄され、あっさり殺されてしまうのを繰り返しました。ストアページにも「1人で生き残ることは難しい」と書かれていた通り、やはり無茶な戦いでした。

ドアをC4で破壊することもできます。

仲間と助け合い戦場を生き抜け!

現在プレイできる「ファイアチームミッション」では、隊員を募集するマッチメイキングやフレンドの招待、過去に一緒に遊んだプレイヤーの招待機能などが搭載されています。筆者は発売初日にプレイしたのですが、すぐにマッチメイキングが決まるくらいにはプレイヤーがいました。

「ファイアチームミッション」は4つのマップが用意されていて、それぞれ敵勢力の排除や指定ポイントの防衛など、いくつかのオブジェクト目標を達成していくことでミッションクリアとなります。ちなみに、部隊は役割ごとに武器が異なり、リーダー以外はその役割はランダムに割り振られます。

協力プレイでは味方に方向指示を出せたり、ダウンした仲間を救出できたり、開始地点などで死んだ仲間のリスポーンができたり(別の兵士扱いなのか装備が異なることも……)と、かなり遊びやすくなっています。本作の敵AIは基本的にある程度まとまったりフォーメーションを組むので、広い視野を持てるだけでも圧倒的に戦いやすいですね。

そして何より協力プレイでありがたいのが、どこに敵が潜んでいるかわからないという恐怖感がかなり和らぐ、ということです。本作の建物内は本当に暗く、探索するだけでもかなり緊張感があります。本作は潜んでる側が大きく有利なので、バックアップしてくれる仲間の存在は本当に大きいのです。

当然マルチプレイらしい戦略の幅も広がり、仲間が敵を惹きつけている間に別方向から強襲したり、同時にドアをブリーチングして翻弄したりといった戦い方も。コンパス型のUIで仲間がどの位置にいるのかが一目瞭然なのも親切な設計です。

協力型FPSとしてはほどよい緊張感と難しさ、仲間の大切さを実感できると思います。もちろん死ぬ時はあっという間に全滅しますが、一つのミッションは長くても15分くらいなので、気軽にリトライもしやすいですね。

死んだあとは観戦もできます。
迫りくる車両を破壊せよ!

今後のコンテンツ追加にも大きな期待

さて、ついに発売された『Six Days in Fallujah』ですが、やはり本作の“メッセージ性”の部分にも触れない訳にはいかないと思います。ゲームの初回起動時には「ファルージャの戦闘」に関わった人々のインタビュー映像や、当時のものと思われるさまざまな映像が流れます。

また、ゲーム内のローディング画面では、この戦闘に参加したと思われる人物のコメントが流れたり、19世紀に書かれた「戦争論」で知られるカール・フォン・クラウゼヴィッツ氏の言葉を引用したりと、印象的な“メッセージ”はゲーム中いろいろな場所で流れます。

ただし、早期アクセスの現時点ではあくまでゲームとしては分隊ミッションが遊べるのみ。導入などに多少の物語はあるものの、あくまで表現作品としての「ファルージャの戦闘」としては、ゲーム体験としてはそこまで強くないかな、という印象です。

今後は開発進行に伴い、イラク側のミッションや、現地で一般市民と遭遇するミッションなども追加されていくということです。さらに、両勢力の視点から戦闘を描くキャンペーンモードも予定されています。現在は今後の開発に関するロードマップも公開中です。

ゲームとしては戦略性の高いFPSとしてはやり応えがあるのですが、そもそものコンテンツが多いとは言えません。現時点では10分から15分くらいのミッション4つを何度も繰り返すことになるので、今後のモード追加には期待したい部分です。


制作発表から実に14年という歳月をかけて、ついに発売された『Six Days in Fallujah』。ランダム性と戦略性の高い戦闘や、協力プレイ向けに調整されている各種システムなど、緊張感とやりごたえのある作品に仕上がっています。

100人を超える関係者への取材や証言による、実際に起きた戦闘行為と言う題材は、やはり扱うのが非常に難しいものだと思います。同社CEOのPeter Tamte氏は、本作について「戦争そのものの善し悪しについての政治的論評を行うつもりはない」とコメントしています。

実際にプレイしてみて、さまざまな証言や映像に関してフラットな表現を行っているのではないかと思います。もちろん、それが実際に関与した人々、被害に遭われた人々、心を痛めた人々、さまざまな思いを持つ人々には違った姿が見えているのでしょう。

『Six Days in Fallujah』の題材や開発経緯など、どうしてもプレイヤーを選ぶ作品であるのは間違いありません。筆者は今回ゲーマーの視点としてゲームプレイ内容を中心にお送りしてきましたが、マルチプレイ向けのゲームとしては十分なやりごたえのある作品だと思います。



あまりに難しいテーマの本作は今後どうなるか、色々思う所あり。ゲームとしてはやりごたえのある、協力プレイが楽しい作品スパ。


タイトル:Six Days in Fallujah
対応機種:PC(Steam早期アクセス)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023 年6月22日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:4,500円


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top