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古都京都の恒例のゲーム展示会となった「BitSummit」。ビジネスデイと一般開放日の3日間にわたって行われた今回の「BitSummit Let’s Go!!」から気になった作品として、ヘンリク・シェンキェヴィチ氏の小説「北方十字軍の騎士たち」を原作とした『Krzyżacy - The Knights of the Cross』をご紹介いたします。
実は珍しい中世ポーランド近辺を舞台とした作品
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本作品は3部作からなる同名小説の1作目をベースにしており、ポーランド・リトアニア合同の騎士たちとドイツ騎士団とのタンネンベルクの戦いまでを描いた物語となっています。主人公「Zbyszko」は野心あふれる若い騎士で叔父と共に士官するところから始まります。グラフィック自体は重厚な方向性ではなく、一般的な現代のファンタジー作品といった趣で翻案されていて親しみやすいです。
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イベントや戦闘の進行はフェーズ毎に分かれており、マップ内から行く先を選ぶことで進行します。メインクエストは次のチャプターへ、ランダムクエストは同フェーズ内で選択肢によって様々な展開が行われます。本作品の戦闘後のキャラクターのHPは引き継ぎになっており、難易度によって異なりますが、HPが0になった場合はキャラクターも排除されるようになっています。サイドクエストもあり、現在の仲間次第では追加でイベントが発生する場合もあります。
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戦闘では事前に組んだデッキからランダムで手札が割り振られます。カードは左下のエネルギーの消費コストが続く限り使用でき、2枚まで手札を次のターンまで持ち越せます。敵の攻撃予測はカーソルを合わせることでも確認でき、戦闘中は時間制限もないのでじっくりと考えることが可能でした。
プレイの最初には難易度を選択できます。試遊では時間の関係でEasyを選択したのですが、こちらの被弾ダメージ/与えるダメージにバフが入っているとはいえ、それなりに戦闘には時間がかかったので攻撃方法はよく考える必要がありそうです。
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マップからキャンプ地へと進めば、フェーズ毎に訪れる商人やヒーラーを使用することもできます。特にHPが持ち越しの本作品ではダメージコントロールは非常に重要です。ノーマル以上の難易度であれば治療回数にも限りがあり、なかなか際どいバランスにもなっています。
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キャンプではランダムで選ばれた3人の中なら傭兵を雇い、パーティーを拡充できる場合もあります。最大の出撃人数は4人で、それ以降は控えにまわります。イージーではもしキャラクターがやられても治療できるため問題ありませんが、ノーマル以降の難易度ではパーマネントデスなので、パーティーバランスも若干考える必要があります。
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筆者の場合は丁度プレイ中に閉場時間を迎えてしまい、最初のボス戦で遊戯終了と相まってしまいました。戦闘はイージーであっても歯応えがある戦闘が続いていたのは印象的でした。
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本作品は2023年7月20日のPC(Steam)で発売予定ですが、現在でも特にコンソールにおけるパブリッシャーを募集しているとのことでした。なお、日本語は収録されておらず、展示デモやローンチ時の対応言語は英語と中国語のみです。個人的には綺麗なドットアニメーションと際どいバランスで成り立っている戦闘はかなり好みであったので、確実に購入してプレイしたい一作でした。