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遡ること5ヶ月ほど前、ストリーマーやRTA走者を中心に人気を博し、また同時にアセット問題で注目も集めたSCKR Gamesの理不尽系アクション『Only Up!』。リリースから間もなく何かと話題となった本作は、開発者判断により23年9月に販売中止となり、Steamストアページに「not available」の文字がしんみりと並ぶことで幕を閉じました。
しかし、令和の壺おじ(?)とも言える本作が各方面へ与えた影響は大きく、フォロワータイトルがいくつも登場。似たようなデザインのものから、奇をてらったもの、さらには名前までちゃっかりそのまま使用している太ぇものなど実に様々です。
そこで今回の記事では、じわじわと増えつつある『Only Up!』系ジャンルという新芽のタイトルをいくつかご紹介。すでにリリースされたものから、これから配信予定のものまで、早速見てまいりましょう。
『MAD WAY』
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元祖『Only Up!』から程なくしてリリースされた本作。元祖がジャンキーな少年を主人公にしていたのに対して、やや太ましく一部眩い中年です。若干判定がゆるいためか、無茶なアクションでもそこそこ進めるのがグッド……?なお個人的には、ベータ版コースを追加するなど発売後も割りとコンスタントにアップデートが行われている点も好感度が高いです。
『Only One Way Up』
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『MAD WAY』と1日違いでリリースされた本作。こちらもなんというか元祖そのままというか、ええ、もうそのまますぎます……!気の抜けたBGM、鼻声でどこか棒読みなナレーションなどなど腰砕け感はより増したような気も。なお後のアップデートでは、最大8人までのマルチプレイヤーモードが実装されました。
『Only Climb: Better Together』
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こちらも上記2タイトルとほぼ同時期にリリースされた作品。最初から最大8人までのマルチプレイヤーモードも用意されているものの、判定が渋かったり甘かったり動作が不安定だったりで、難度はさらに理不尽に寄ったものとなっています。ただし一方でそういった良くも悪くも大雑把なところが、序盤から変なルートによる強行軍を許してくれたりもします。
『Only Down!』
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じゃあ落ちるわ……という感じをたたえた澄んだ瞳が見つめる足元には、我らが母星の地球が横たわっていました……。こちらも23年7月中にリリースされたフォロワータイトルですが、そのなかでも異色作でありましょう。偶然かはたまた計算の上なのか、実際プレイすると「いかに上手に落下するか」という部分で絶妙な駆け引きが楽しいプレイフィールでした。ただ落ちれば良いというものではない、攻略しがいのあるレベルデザインもグッド。
『Void Runner』
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ひねりを利かせたフォロワータイトルではこちらも負けてはいません。23年8月にリリースされた本作は、上を目指してひたすら駆け上がることはそのままですがなんと一人称視点。親切なトレーニングモードからのメインモード開始……パルクールアクションという意味では、『ミラーズエッジ』寄りなプレイフィールかもしれませんが、大自然のなか無秩序に並べられたオブジェクトがカオスを加速させます。
『Only Up: With Friends』
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こちらも同じく23年8月にリリースされたタイトル。マルチプレイに対応しており、これまで紹介してきたタイトルと同様、オブジェクトが乱雑に配置された世界を駆け上がったりちょっとだけ下がったりしていきます。トレーニングモードの存在や、その後のアップデートで追加言語対応など、細々したところで開発者の「遊びやすさを目指す姿勢」が見えたり……?
『ONLY UP : Rising』
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23年9月にリリースされ、空中に浮かぶオブジェクトを足場にして高みを目指す本作。フォロワータイトルのなかで、本作はかなりアーティスティック(?)な方向へ傾いたタイプのタイトルだと感じました。この眼力の強い表情のせいでしょうか。肩越しカメラ、一人称視点の切り替え、さらには車両の運転やランダム天候など、なかなかにゴージャスな作りをしているのも特徴です。そして筆者のPCは本作起動時に何度かフリーズを起こしました。
『Only go up™』
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同じく23年9月にリリースされ、増水から逃げつつ上を目指していくデザインの本作。元祖をはじめ、『Only Up!』系統は、荒廃しながらもどこか爽やかな世界を走り抜けがちですが、本作は全体的に災害から避難するような雰囲気で画面が作られていると思います。とはいえ実際のプレイフィールとしては、胸元くらいまで水に浸かると死ぬという繊細な筋肉男を操作するシュールさがありましたね。そして若干怪しい日本語によるストアページの説明がまた味わい深い……。
『Girl UP』
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こちらもまた味わい深い日本語が踊るストアページを持つ、23年9月リリースのフォロワータイトル。ゲームを始めると陽気なBGMを流しつつ踊り狂うカップル、瞑想の姿勢で虚空へ座れていくカミロ、何から何まで狂った世界観に正気を削られ、そこへストアページの「カミロ:行方不明者。」という表記が静かな笑いを誘います。オブジェクトを登ってどうにかするという基本的なフォーマットに則りつつも、車やロボを導入することで変化球的アプローチを試みていることがわかりますね……?
『Only Up!』 (元タイトルは『Only Multiplayer: Up! 』)
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さてさてこちらは23年10月3日にリリースされた本作。マルチプレイでフレンドや野良プレイヤーとアイテムを駆使しながら登りましょう……という謳い文句で、各レベルごとにリスポーン地点が設けられますが、実際遊んでみると大味な判定と操作にラグがあるなど理不尽寄りのバランス。アイテムがあるから多少楽になるかと思いきや、バグなのかジャンプと併用できずそのまま溶岩に沈むなどなど。
なお元タイトルは『Only Multiplayer: Up! 』でしたが、Steam DBの更新履歴によれば、元祖が暖簾を下ろしてから程なくして『Only Up!』を名乗り始めるという肝の据わった(?)作品でもあります。その点を指摘するレビューも散見され、記事執筆時点においては、フォロワータイトルのなかでおそらく唯一の「非常に不評」というスコアです。
『Don't Fall』
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23年10月11日リリース予定なのがこちらのタイトル。カエルを操作して空の高みを目指していく本作は、チャージによるジャンプ高度の変化や、フラグ回収によるリスポーン開放など、アクション・アドベンチャーな要素が盛り込まれているようです。
『Park Up - Car』
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そしてさらに23年10月24日リリース予定の本作は、個人的に結構気になっていたり。人外系フォロワータイトルの中でもまさかのクルマを操作します。トレイラー映像を見る限り、車の挙動も程よく操作しやすそうで、様々なオブジェクトが不規則に並べられたコースを縦横無尽にかっ飛ばす爽快感を得られそうです。タイトルロゴがなんとなーく『マリオカート64』を彷彿とさせるのは考えすぎでしょうか?
『Chained Together』
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こちらは「近日登場」ということで発表されたフォロワータイトル。シングルプレイと最大5人のマルチプレイどちらにも対応しており、最大の特徴としてはプレイヤー同士が鎖で繋がれていることでしょうか。この鎖がプレイヤー同士の助け合いを促すものになるか、あるいは文字通り「足の引っ張り合い」になるのか……今からプレイフィールが気になりますね。
おわりに
こうして並んだ各タイトルを眺めて気づくのは、クオリティの程度がバラバラでありながらも、何かしら光るものを感じさせるゲームがいくつか、じわじわと現れていることです。
今回の記事では、直接的なフォロワータイトルではない(?)という判断で取り上げなかったものの、本格ボルダリングシム『New Heights: Realistic Climbing and Bouldering』や、よりゲーム性を高めて幻想的な世界とデザインに仕上げたアクションADV『Jusant』といった作品も存在。今後もきっと、こういった「登る」ことをテーマにしたタイトル達が発表されていくことと思いますが、それらが一体どんな進化を見せてくれるのか引き続き要チェックであります。