10月19日ついに発売を迎えた『恐怖の世界』。伊藤潤二氏やH..P.ラヴクラフトからの影響を受けた魅惑の恐ろしい世界を舞台に、様々な怪異が起こす事件に立ち向かうコズミックホラーRPGです。本稿では、そんな同作の低難易度シナリオプレイレポートと、つまづきポイントのアドバイスをお届けします。なお、一部イベントの流れを紹介しているので、ネタバレにはご注意ください。
やみつきラーメン…不気味で気持ち悪い怪事件にドキドキ
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本作はゲーム開始時にシナリオを選択できます。「カスタムプレイ」でルールを細かく決めるか、「クイックプレイ」でランダムなルールで始めるのが普通ですが、あらかじめキャラや条件が決められた「部活動」もしくはひとつの謎を解くまでの流れを覚えられる「身の毛もよだつハサミ女の未解決事件」を選択すれば、低難易度なルールで本作の基本を学習できます。
今回は「部活動」でプレイ。このモードではランダムに提示される4つの怪事件を解き明かし、舞台となる塩川町に禍をもたらす灯台に眠りし“旧き神”を倒すことが目的となります。
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ゲームを開始すると、自宅からスタート。ここでは回復や着替え、中断セーブなどが行なえ、調査する謎も選択できます。現在提示されている謎は4つ。まずはこの中から「死臭漂う神出鬼没のラーメン屋」から調査していきます。
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件のラーメン屋は、最近近所に開店したばかりのお店。料理評論家を狂わせるほどのラーメン、いったいどんな味なのでしょうか……。店にはとんでもない量の行列が常にあるといい、“やみつき”になってしまう恐ろしいラーメンであるようです……。
調査の基本は、◯が付いたロケーションに足を運ぶこと。調査していくことで物語が進行し、様々な展開が起こります。
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画面右側に出ている「ゴミ漁り」という項目は、この謎に付随するサブミッション。達成すると特別なアイテムを入手することができます。今回の謎では「アイテムを2回捨てること」が条件で、ラーメン屋が捨てたと思われる「異臭を放つ肉」を手に入れました。こんなの持っていたくない!
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調査をするごとに、ランダムなイベントも発生します。例えばこのイベントは、突如家のドアを怒鳴りながらノックされる……という、やけにリアルで恐ろしいイベントです。
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おそるおそる「用件を聞く」を選択すると、返事をする前にポストの扉が開き、見知らぬ人がこちらを覗き込もうとしていました。イベントの多くは自らのステータスチェックが行われ、要件を満たしていれば成功し、報酬がもらえます。一方で、失敗してしまうと体力や正気度などが減って死に近づいてしまうので、ステータスの管理が重要になります。
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場合によっては、戦闘に突入することも。こうなってしまったらイベントやショップで入手した武器やアイテムを駆使しつつ、敵に立ち向かうことになります。主人公が取れるアクションはかなり多くありますが、いずれもスピードと呼ばれるリソースを消費。強力なものほど必要なスピードも多くなりがちので、200あるスピード値の中に効率よく有効な行動を収めなければなりません。
多くの敵には弱点となる武器種・属性が存在しており、鋭利な刃物や魔除けの塩が効果的な場合も。倒せば多くの経験値が手に入りますが、体力の低下やアイテムの消費は免れないため、太刀打ちできなさそうな相手と対峙した場合は逃げることも頭にいれなければなりません。
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調査を続け、なんとか店に入った主人公。奇妙なラーメンには口をつけず、ガラス瓶にスープを注いで店を逃げるように後にします。
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学校の研究室に持っていき、スープと肉の解析をしてみると……なんと、それらは生きていて“人の血液”に反応することが判明。知らずにこんなものを食べていたら……と考えると、ゾッとします。
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怪異との戦闘にも備えて万全の準備でラーメン店に再び向かうと、なんとお店ごと無くなっており、ただの空き地に……。この後にも衝撃的な出来事が起こるのですが、それはぜひ皆様の目でお確かめください。
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このようにして謎を解いていくことで、「鍵」を入手できます。ゲームオーバーにならずに鍵を集め切って、街の外れにある灯台の鍵を開けると、「旧き神」と対峙。これが、本作の一連の流れとなります。
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他にも、赤マントを着た不審な男が出てきたり、虫の湧いた死体を発見してしまったりと、どこか不気味で気持ち悪いイベントを存分に楽しめるのが本作の魅力。こういったタイプのホラーが得意な方はきっと満足するはずです。
複雑で難しい?つまづきポイントをチェック
じめっとした恐怖体験がプレイヤーを楽しませてくれる本作ですが、誰もが直感的に楽しめる万人向けのゲームとは言えないのも事実。ここからは、初回プレイ時につまづきやすいポイントや、意識すべきポイントをご紹介します。
初心者がまず覚えるべきは、ユーザーインターフェース(UI)の見方。レトロなPCゲームをオマージュした本作はUIがやや複雑になっており、把握するのは一苦労です。しかし、一度覚えてしまえばそれほど難しくありません。
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上図で、UIの中でも特に覚えた方がいい項目を示しました。この中から、ステータスの見方を解説します。
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人物のステータスはすべて数値で表され、イベントの進行や戦闘などで上下します。STAはスタミナ、REAは理性を表す数値で、このどちらかが0以下になるとゲームオーバーになります。また、様々な行動で溜まっていく画面上部の「破滅値」は、100%になるとゲームオーバーです。
それ以外のステータスは以下の通りです。
STR:力強さ。力強さが問われるスキルチェックで参照され、特定の武器を扱う際にも関係する。
DEX:敏捷性。隠密行動のスキルチェックで参照されるほか、戦闘時の行動のスピードにも影響する。
PER:知覚。物や人を見つけたり探したりするスキルチェックで参照され、銃器の扱いにも関係する。
KNW:知識。知識が問われるスキルチェックで参照される。
CHA:人と話したり、仲間を募集するときに参照される。武器の使用には影響しない。
FND:所持金。アイテムショップや特定イベントで使用する。
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次に、ロケーション。中心街や学校、森や村など様々な場所に赴くことができ、不気味なイベントを楽しんだり、謎を解くための手がかりを得たりできます。
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装備欄は、Aに武器、Bに防具、Cにアイテムを装備できます。インベントリからちゃんと装備しないと効果がないので、アイテムを入手するたびに装備を検討しましょう!
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画面左の施設は調査とは別に訪れることができ、武器装備の購入や回復などが行えるスポット。調査や戦闘を有利に進めるために、ぜひ活用したいところです。
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右下の表示切替は、上の画像におけるインベントリ部に表示する情報を切り替えできます。それぞれの役割を左のアイコンから順に解説します。
インベントリ:アイテムを管理する画面。使用や破棄、売却や詳細確認などができる。いっぱいになったら、に保管できる。
呪文:とある施設で覚えられ、バフをつけたりスタミナや理性を回復したりできる。
仲間とパーク:学校で集められる仲間の状態や、半永久的に付与される効果を確認できるパークを確認できる。
街の状態:謎を解くごとに塩川町に訪れる“禍”の状態。一部の施設が使えなくなったり、出現する敵が強くなったりと、だんだんプレイヤーが追い詰められる。
あなた:プレイヤーのレベルアップやプレイ時間、シード値などを確認できる。
旧き神:家で休むと破滅値上昇、呪文を唱えると破滅値上昇など、旧き神がこのセッションで発生させている効果を確認できる。
この中でも「インベントリ」「呪文」「仲間とパーク」の3つは見るクセを付けたほうが良いでしょう。いつの間にか手に入れていたパークをうまく利用したり、呪文でピンチから抜け出せたりと、何かとプレイヤーの有利に働きます。他の項目も重要ですが、旧き神はセッション開始時、街の状態は謎解決時に表示されるので、気になったときだけでOKです。
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謎調査の基本は、◯がつけられたロケーションを探索していくこと。とにかく◯のついた場所をクリックして探索ボタンを押せば、謎が進んでいきます。謎に関するストーリーは画面中央の大きなウィンドウに表示されます。謎は複数のエンドに分かれていますが、サイドクエストの達成が必須なものもしばしば。難易度はまちまちなので、余裕があったらクリアを目指してみてください。
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とはいえ、探索中には様々なトラブルや戦闘が発生し、厳しいリソース管理を強いられます。生き延びるためには、施設を活用することが重要。初期は武器を持っていないことが多いので、中心街から行けるアイテムショップや港から行ける金物屋で武器を購入しましょう。鈍器や刃物は人間タイプの敵によく効くので、低難易度シナリオでは基本として持っておくといいかも。
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学校から校庭に行くと、噂話を聴いたり仲間を集めたりすることができます。少なくとも低難易度シナリオでは必須というほどではありませんが、時折仲間が必要なイベントなどがあります。他にも、図書館に訪れることが可能。ここでは破滅値が上昇する代わりに先述した呪文を覚えられるため、十分に検討の上で利用してみてください。
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もし戦闘に突入したら、まず目のアイコンをクリックして敵の素性をチェック。タイプや弱点などをチェックできるので、とにかく武器で殴りまくるのか、アイテムを使って効率的に戦うのか……など、方向性を定めることができます。
攻撃の命中率は基本的にやや低めで、外してしまうこともしばしば……。命中率を上げたり、次の攻撃を必ず命中させたりといったアクションが行えるので、うまく活用していきましょう。敵HPが多すぎたり、攻撃が強すぎたりする場合は、逃げることも大事。本作では破滅値が上昇する代わり必ず戦闘から逃げられるようになっています。
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そしてもし、死んでしまったとしても過度に落ち込まなくて大丈夫。本作はローグライトRPGで周回前提の作りになっているので、失敗も上等。繰り返しプレイすることで、徐々に感覚や攻略の仕方を掴んでいけるはずです。
何度も遊んでいくうちにクリアできるようになっていき、徐々に新たな要素が解放されていくはず。そのときにはあなたはもう、『恐怖の世界』に魅入られているでしょう……。
『恐怖の世界』は、PC(Steam)/PS4/ニンテンドースイッチ向けに配信中。あなたも不気味で不条理な魅惑の世界に足を踏み入れてみませんか?