皆さまはオープンワールドMMORPG『ブレイドアンドソウル2(Blade&Soul2)』に広大な世界のみならず、「武侠」的な世界観に基づいた歴史があることをご存じでしょうか。
『ブレイドアンドソウル2』公式サイト『ブレイドアンドソウル2』は、日本では2023年8月23日よりサービスが開始された“ソウルアクションRPG”。MMOとアクションが融合したかのようなゲームシステムで、2014年より運営されている『ブレイドアンドソウル』の続編です。最近では12VS12の戦いが繰り広げられる「闘争の広場」、世界中のプレイヤーが集まるマスターダンジョン「海龍の心臓高原」などが実装され、盛り上がりを見せています。
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そんな『ブレイドアンドソウル2』の世界を紐解くために、ひとりの男が立ち上がりました。その名も「ゲーミングレポーター響」! ゲームや屋外を問わずマップ&現場を駆け回るレポーターとしての探究心に満ち溢れた、この『ブレイドアンドソウル2』特別記事のために編集部に作られた悲しきモンスターです。そんなモンスターが相棒のスパくんと共に『ブレイドアンドソウル2』の世界をお届けしていきます!
◆『ブレイドアンドソウル2』ってどんな世界? 武侠的な世界と美麗なグラフィック!
『ブレイドアンドソウル2』は武侠や東洋ファンタジー的な世界観をモチーフにした作品。「武侠」とは元々中国小説の一分野、一部の文学研究においては「武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした小説の総称」とされており、諸説ありますが「水滸伝」などとも通じているとされています
そして「武侠」というジャンルは小説だけにとどまらず映画などのエンタメの世界にも影響を与え、“ワイヤーアクションで空を駆ける仙人や異能力者のいそうな世界”、アジアなテイストとファンタジーを融合させた武侠“的”世界観は、中国や韓国で人気を博しています。『ブレイドアンドソウル2』はまさしくそういった“武侠的世界”が表現されたタイトルと言えるでしょう。
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『ブレイドアンドソウル2』はMMORPGということで、リッチなキャラメイクからゲームが始まるのですが、筆者がまず驚いたのはそのグラフィックの美麗さ。ジン族、ゴン族、リン族から男女のキャラをカスタマイズ可能とあって、実に悩ませてくれます。
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ゲーミングレポーター響が迷わず選んだのは美女アバター。「女騎士でプレイしたい」という一心で作りましたが、その見目麗しいビジュアルが『ブレイドアンドソウル2』の世界を理解することを妨げないか若干心配です。しかし本作はMMORPG、使っていて楽しいキャラが正解なはず!
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オリジナルキャラを作ると早速、自キャラを迎えに来た「アラン」というキャラクターと空を駆ける美麗なオープニング。矢継ぎ早に壮大な物語が展開されていきます。攻撃も「飛炎脚」「回天脚」と武術を思わせるネーミングなのが特徴的ですね。
モバイル向けにも展開するMMORPGとあって「自動狩り」というオートバトルも搭載されているのですが、自分で設定した順序に“舞い踊るような武”が展開されるので観ていて気持ちいいです!
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移動シーンでも水面を駆けたり空を滑空したりと自由自在にキャラが動く姿は、まさしく“東洋ファンタジー”がゲームとして形になった姿と言えるでしょう。何かとダイナミックに動いてくれるので触っていて爽快ですし、ちょっとした散策中のキャラモーションから東洋ファンタジーらしさを味わえるところも『ブレイドアンドソウル2』の魅力です。
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アクションはもちろん大切ですが、もっと重要なのはそのアクションを使って巡っていく世界そのもの。『ブレイドアンドソウル2』のマップが備えている“駆け回りたくなる楽しさ”もぜひ知っていただきたいところです。東洋の牧歌的な風景はもちろん、港や広がる海……。西洋ファンタジーでないからこそ馴染み深く、それと同時に斬新さが感じられる風景が広がっていました。
ゲーム内では縦横無尽に移動しているのに、ゲームライターとして狭い室内に閉じこもっているばかりでは本作の魅力を伝えきれない……そう考えたゲーミングレポーター響はジャケットに大量のマウスやキャプチャーデバイス、SSDを入れ込んで編集部から旅立ちました。
◆外でも遊べる『ブレイドアンドソウル2』!“設定の深さ”が魅力に繋がる…!
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本作はPCであれば、独自のプラットフォーム「PURPLE」を使いながらプレイでき、スマートフォン/タブレットにおいてはiOS/Androidをサポート。もちろん、同じセーブデータを使用してのクロスプログレッションにも対応しています。つまり、家や室内でガッツリPCで遊んだデータを外出先でカジュアルに遊ぶこともできるということです。
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いざ街に出てみるとすっかり「世界の探索」に気持ちが染まってきたので、さっそく編集部近くの公園を訪れ、おもむろに案内板を撫で始めます。
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それは『ブレイドアンドソウル2』でも同じこと。本作では、作りこまれた物語設定を「石碑」という形で示してくれているのです。
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『ブレイドアンドソウル2』の「東洋ファンタジー」らしさを深く掘り下げる石碑は、ゲーム内に登場する組織「明恵団」が建てている……とされています。知への探究心をくすぐる「石碑」は、ゲーム内のバックストーリーを解説してくれる重要オブジェクトです。
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「水月港」では初級武器商人や雑貨商人などが店を出しており、プレイヤーの拠点として親しまれる港です。序盤で早々に訪れる都市とあって印象的なロケーションでもあります。しかし、そんな“ゲーム内の要素のひとつとして使う”だけでなく、歴史を読み解いてみると、また違った視点で歩くことも出来るわけです。
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上図の「石碑」では、ゲーム内では冒険らしさをどっぷり味わえるロケーション「水月港」をじっくり紹介。「遠洋漁業に挑まんとする地元漁師のために造船所が建てられ、港が成長していった」「その後は新しい海を冒険する探検隊が集まり、帝国や門派(クラン)、商団、傭兵団も港を賑わせていった」という物語を読み取れます。
濁気や海賊、そして海龍という脅威に抗いつつも港として繁栄していった……そんなバックボーンがあると考えながら訪れると、港にいる人間たちを見る視点も変わります。街にいる商人、貿易にかかわる人間たちだけでなく、造船に関わる大工が作業している姿にまで、ズッシリとした物語の重厚さを感じられるはず。それはまるで江戸という歴史を背負った東京のようでもあり、知的好奇心をガンガン刺激してくれます。
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もちろん「水月港」だけでなく、この“物語の深さ”は至るところから感じられます。序盤では「風車の丘」にて、マスコットキャラ的な獣人のバロン族からなる「霊交院」と「桃花商店」が登場し、主人公は双方の主張の擦れ違いを解消していくわけですが、石碑でさらに詳しく知ることによってマスコットキャラ的なバロン族の神秘性や、桃花商店の持つ経済力を実感できるのです。
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さらっとクリアしてしまいそうなクエストでも『ブレイドアンドソウル2』の世界を理解していると認識度が上がり、より深く楽しめるでしょう。「なんてことのないNPCでも、実際にその世界で生活しているんだ」と感じられますし、ちょっとした「街ブラ」も本作の広大な世界を楽しむために重要ですね!
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ゲーム内のロケーションはもちろん、団体やお店などゲーム内に出てくる架空の組織を良く知ることができるのも「石碑」の楽しさ。『ブレイドアンドソウル2』の「石碑」では歴史だけにとどまらず、世に蔓延る危険な存在までも教えてくれます。
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例えば「不滅者」の石碑を読めば、「なんとなく敵だと思っていた相手」や「とりあえず倒せば先に進める怪物」に対する理解がグッと深まることでしょう。メインストーリーにも大きくかかわってくる「修羅」、そして「不滅者」は単なる敵キャラではなく『ブレイドアンドソウル2』のストーリーの根底に関わっています。
もちろんゲーム内でも謎に包まれた存在であるため「石碑を読めばすべてが解き明かされる」なんてわけではありません。絶妙なのは、「現時点で“明恵団”がそのように把握している」というストーリーテリングです。
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ゲーム内のロアを読み解く楽しさは、MMORPGでも重要ですよね!淡々と進めてキャラクターを成長させたりするのも楽しいですが、「そこまで読み込むの!?」と思うくらいにストーリーをじっくり感じてから堪能するメインストーリーには、やはり感慨深いものがあります。
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本作では「石碑」でなく、「ランドマーク」という特別なロケーションも用意されています。豊かな景色を眺めながらその土地の理解を深めることのできる要素のひとつで、序盤から「風車の丘」「風見平原」など、様々な「ランドマーク」にアクセスできます。
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「石碑」や「ランドマーク」は、他のゲーム内コンテンツと比べると箸休め的な要素かもしれません。しかしながら、ゲームの世界やモチーフについてどんどん知識をつけたいゲーマーにとってはきっと大好物に間違いありません!
もちろん、「石碑」や「ランドマーク」はゲームプレイの進行に役立つアドバンテージも持っています。触れることでファストトラベルポイントとなって場所移動に役立ちますし、「石碑開放によるステータスアップ」も見逃せません。強敵に負けた時、ふらりと散歩に出かけることが強くなることにつながるわけですね。
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そして『ブレソ2』の探索を進めていけば、「石碑」や「ランドマーク」だけではなく「トモ」という可愛らしいキャラクターとも出会えます。この「トモ」を集めていくと、ストーリーよりも過去に起こった出来事「サーガ」を紐解けます。
こちらでもステータスアップの恩恵が得られますし、なにより小説のようなスタイルで語られるロアは、読みごたえたっぷり! ストーリーを更に深く味わいたい方なら、きっと「トモ」を必死で探すことになるでしょう。一方で私のいる東京には「トモ」はおらず、鳩しかいません。
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『ブレイドアンドソウル2』のような東洋ファンタジー的な物語は“日本産コンテンツならではのお約束”が通じず、分かりにくい点もあります。特に欧米では「日本のアニメに出てくる“麦茶”って何?」なんてキョトンとされることもあるようですが、同じように、東洋ファンタジーや武侠的な土台を持った作品で「これってなんだろう、分かるようで分からない……」と感じたゲーマーもいるのでは。『ブレイドアンドソウル2』では石碑集めやランドマーク巡りというコレクション要素で“なじみの薄い設定”への理解もしやすくなるのではないでしょうか。
『ブレイドアンドソウル2』の美しいグラフィックを堪能できるし、武侠的な世界を味わえるだけでなく、ゲーム的にお得……思わず“街ブラ”に歯止めが利かなくなりますね!
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ちなみに、東洋ファンタジーな世界というだけあってステータス上昇アイテムは「特大ギョウザ」が序盤から登場。見た目的には肉まんのようですが、日本人にとっても馴染み深く、ついついお腹が空くかもしれません……。
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実際にプレイしてみた感触としては、コンテンツ量が膨大で、非常に遊びごたえのあるMMORPGであった『ブレイドアンドソウル2』。ゲームの世界観を知るためのとっかかりとして「石碑」や「ランドマーク」「サーガ」はオススメですが、他にも様々なところで、そのユニークな世界設定を教え示してくれるモノと出会えます。
かつて『ブレイドアンドソウル』を遊んでいた方も、今から新しく始めるMMORPGを探している方も、アジアなファンタジー作品に心惹かれるならばやってみてはどうでしょうか!
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『ブレイドアンドソウル2』はGoogle Play/App Store/PURPLE(NCSOFT独自のPC向けクロスプレイサービス)にて基本プレイ無料で配信中です。
『ブレイドアンドソウル2』公式サイト