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日本時間3月19日にアメリカのロサンゼルス・ハリウッドにて、ニュージーランドのゲームデベロッパーGrinding Gear Gamesが現在開発しているハクスラアクションRPG『Path of Exile 2』のメディアとコンテンツクリエイター向け体験会が開催されました。
Game*SPark編集部も体験会場で開発中のバージョンを実際にプレイ。ゲームシステムは無印からどのように変わったか、そしてどのような仕上がりになりつつあるのかレポートをお届けします。
※今回体験したバージョンはクローズドアルファ前の開発段階のものとなるため、リリースさるものとは異なります。
開発途中の『Path of Exile 2』第1章をプレイ!
今回用意されていたPC版ビルドでは、ストーリー序盤のクエストを「Warrior(ウォーリアー)」、「Ranger(レンジャー)」、「Sorceress(ソーサレス)」の3クラスで体験できました。
もともと『Path of Exile 2』は前作『Path of Exile』の拡張DLCとして開発がスタートし、その後に方針を変えて続編タイトルに生まれ変わりました。 そのため、使用しているエンジンは共通しており、UIや基本的なシステムは前作のものをそのまま踏襲しています。
本作からは操作方式はマウスクリック、WASD、コントローラーの3つから選べるように。コントローラーは専用UIが用意されているそうで、お披露目は後日を予定しているとのこと。
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そんな『Path of Exile 2』は無印から25年後が舞台となります。 ゲームを開始すると3人の男女が絞首台に立たされていて処刑寸前という状況。 実はこの3名から選んだ1人がプレイヤーキャラクターとなり処刑を免れますが、選ばなかった2名はそのまま首を吊られるというなかなか衝撃的なスタートを迎えます。
このときにゲームモードを通常のスタンダードと、死亡=キャラクターロストのハードコアにするかも選べます。 なお、本ビルドでは選べたクラスは3つだけですが、製品版では合計12クラスが用意されます。
盾でカウンターを狙うWarrior
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「Warrior」は片手武器と片手盾を装備できるようになっていました。
盾はそのままでは攻撃できないですが、構えることで敵からの攻撃をノーダメージで防ぐこともできる優れた防御力を誇ります。 敵の攻撃タイミングに合わせてジャストガードをすると、攻撃を弾くだけでなくスタンも可能。 ボスの攻撃すらノーダメージで防いでカウンターを浴びせられるのは非常に強力です。ただしボスには防げない攻撃もあるので要注意。
盾を構えてダッシュして体当たりをするシールドチャージという攻撃スキルもあり、こちらも敵をノックバックさせてからスタンができます。
無敵に見える盾にも弱点はあります。盾には攻撃を防ぎきれるゲージがあり、攻撃を受けとめるたびにゲージを消耗していき、上限を突破してしまうとクールダウンが解消されるまで攻撃を防げなくなってしまいます。ジャストガード出来た場合は消耗しないので扱いこなせれば不沈のWarrior誕生です。
筆者が座った席の近くにいた凄腕プレイヤーのプレイを眺めていたのですが、押し寄せる大量の雑魚敵の攻撃を全て弾いて一斉にスタンさせ、両手武器に切り替えて攻撃を叩きつけて一掃する様はまさにWarriorらしい痛快なシーンでした。
多彩なスキルを組み合わせるRanger
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「Ranger」は弓矢を使った遠距離攻撃に多彩な属性攻撃を組み合わせた立ち回りが特徴です。
Rangerのメリットは弓矢で攻撃しながら移動し続けられる点。 そのため、敵の攻撃を避けると同時にそのまま攻撃したり距離を保ったりと、俊敏な行動を実現しています。
今回利用できた属性攻撃は凍結、電撃、毒、炎の4種類。属性攻撃は一定までダメージを蓄積させると敵に状態異常を付与できます。 Rangerは多彩な属性を状況にあわせて使い分ける多彩なプレイが楽しめました。
Rangerのスキルは一つ一つはそこまで強力ではないのですが、スキルを組み合わせることでコンボを発生させることができます。 毒ガスを撒き散らすスキルがあるのですが、スキルを強化させるサポートジェムを装備していると、毒ガスに火矢を撃つことで爆発を起こすことも可能。 地面に電撃のトラップを敷いておくと、トラップ上で別の電撃スキルが命中すると同時にトラップが追撃してくれます。
このように攻撃手段の幅という点ではRangerは他のクラスを圧倒している印象を受けました。 また、Rangerの弓矢そのものを強化するスキルもあり、たとえば弓をチャージしてタイミングよくボタンを押すとダメージが3倍になったり、矢を一度に大量につがえることでさらにダメージを底上げできたりするスキルもあります。
弱点は先にも述べたとおり一つ一つのスキルだと決定力に欠け、コンボをうまく繋げられないと火力不足になりがちというところ。 移動しながら矢を撃てますが、スキル使用時は足を止めてしまうのでその間に敵に詰められるとコンボが難しくなり負けてしまうということが何度かありました。
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なお、体験会でのプレゼンテーションで『Path of Exile 2』には待望の騎乗動物が登場することが発表され、Rangerなら騎乗中に攻撃スキルを使っても移動ペナルティなどは発生しないと語られました。
高火力で殲滅するSorceress
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「Sorceress」は他クラスよりも強力な火力で敵を蹴散らせられるのが魅力です。
Sorceressは炎と電撃と凍結の属性攻撃とスキルが用意されていて、デフォルトだと炎の遠距離攻撃が通常攻撃スキルとなります。
炎のスキルは横に伸びる炎の壁を生成し、その場にいる敵に強力な持続ダメージを与えつつ広範囲をカバーできるのですが、この壁越しに電撃のスキルを発動すると電撃に炎がまとわりついて2つの属性効果とダメージを与えられるコンボが発動します。 電撃は他の敵に連鎖していくので、セットで運用することで集団への攻撃力が上昇するのが便利でした。
凍結のスキルは自分の周りを一気に凍結させたり、氷のオーブを射出して任意のタイミングで周囲を凍結させる冷気を放出できます。 Rangerも同じように自分の周囲を凍結させるスキルを持っていますが、SorceressはRangerよりも隙が少なく連発も素早いことから集団戦ではこちらに利がありそうと感じました。
ただし、Sorceressは火力が高い分、防御力は他クラスよりダントツに低く、まさに高火力紙装甲という言葉が似合います。 Rangerと違い通常攻撃も足が止まるのでいかに適切な距離を保てるかが鍵といったところ。
各クラスには専用のパッシブスキルツリーが用意されていて、やはり『Path of Exile』らしく多岐にわたる選択肢が用意されていました。スキルツリーは最終版ではないとのことで掲載はNGでしたが、今作もビルド構成を考えるだけで時間が溶けることは間違いありません。
敵が多い!いや多すぎるぞ!
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前作はPCとMac以外には前世代機であるPS4、Xbox One向けにもリリースされていましたが、『Path of Exile 2』は現行機となるPS5、Xbox Series X|S、PC、Mac向けにリリースされることになり、旧世代機はカットされました。 この決定の背景をゲームディレクターのジョナサン・ロジャース氏に質問してみたところ、一度に出現できる敵の数を大幅に増やしつつ、グラフィックも向上させてフレームレートを安定させるには旧世代機のCPUでは非力すぎたので、PC/Macと現行機でのリリースに踏み切ったとのことでした。
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実際、チュートリアル初期のエリアですら大量の敵が出現するので、1080pでプレイしているとはいえフレームレートが落ちるかと心配したのですが、60fps以上に張り付いていました。
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各章には1つのエリアにいくつかのステージが用意されていました。今回プレイできたAct1は最初のステージを越えると拠点となる”The Lumberyard”に辿り着きます。 拠点にはクエスト係や商人などのNPCがいるほか、回復薬を補充する泉やファストトラベル用のウェイポイントが用意されており、他プレイヤー達も表示されます。 今回はマルチプレイ機能は制限されていましたが、製品版はもちろんマルチプレイ対応となります。
The Lumberyardでクエストを受諾すると、洞窟ステージに向かってボスを討伐するように頼まれます。『Path of Exile 2』は各ステージにボスが用意されているのが特徴で、目的のステージに向かっている途中のステージでボスと遭遇してしまったなんてことも発生します。 一応、各ボスの前には復活ポイントのウェイストーンが用意されているので、この先にボスがいるということは分かります。 ただし、各ステージは毎回マップがランダム生成されるので、どこでもボスと遭遇してしまうという危険も潜んでいます。
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今回のクエストボスは”The Devourer”という巨大なミミズのような相手で、上半身と下半身がそれぞれ物理と毒攻撃をしてきて雑魚も排出してくるので序盤にしては手強い相手です。基本的に『Path of Exile 2』は戦闘難度がちょっと高め。 そこはアクションRPGらしくレベルと装備を整えて攻略していくか、プレイヤースキルでゴリ押ししていくか攻略方法は様々です。
筆者はRangerで挑んだのですが、運に見放されて他クラス用武器ばかりドロップして、弓が初期装備のままかつ攻撃スキルもコンボができる組み合わせを解禁できておらず火力不足で苦しめられました。『Path of Exile 2』は他クラスの武器も装備できますが、基本スキルしか使えないので本領発揮はできません。
ボスに何度か挑むんでようやく討伐するとレアドロップ品をゲットできて苦労が報われました。
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手に入れたのは新武器のクロスボウ。 弓とクロスボウって役割被っていない?と思っていたのですが、実際に使ってみるとクロスボウではなくショットガンだったというオチで、非常に強力な散弾を扇状に撒き散らして、範囲攻撃も単体攻撃もできてしまうという強力な武器でした。火力不足に陥っていた筆者を救ってくれた逸品です。
ただし、クロスボウは一発ごとにリロードが入り動きが止まってしまうために、Rangerの移動しながら攻撃できるというメリットは失ってしまいました。 スキルも通常攻撃しかこのビルドでは用意されていなかったので、ずっと使い続けるには専用スキルや攻撃速度アップなどの補強が必要とも感じました。クロスボウの真価を発揮できるのは新クラスの「マーセナリー」なので使用するのが楽しみです。
前作らしさは残っているが現段階では課題も多く残っている
体験会を終えて感じたことは、前作の要素を残しつつ今作から入る新規層に向けた調整も施されているといった印象。 前作『Path of Exile』は「1000時間プレイしてチュートリアル終了」というジョークが生まれるほど奥が深いゲームでしたが、深くなりすぎて初心者には分かりづらくなっていたのも確か。 そこで『Path of Exile 2』は複雑な要素をなるべくシンプルにして、それでも『Path of Exile』らしく深堀りすればどこまでも深く入っていけるようにもなっています。
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しかし、現時点でのゲームビルドでは、改善の余地が必要と感じた部分が多く、まだまだ荒削りといった印象。
例えばクエストは次にどこに行けばをいいかを示すUIはほぼありません。 これはマップがランダム生成によるものなので仕方ありませんが、どこのステージに行けばいいかも分かりづらかったです。
クエストが次に進めるようになったという通知とスキルレベルアップの通知が同じアイコンで表示されるので紛らわしかったり、自キャラのレベルがメニューを開かないと確認できないなど、新規ユーザー視点で見るとUIが分かりづらく感じました。 ロジャース氏にUIの出来がイマイチなのではないかと聞いたところ、本人も「UIはまだまだ手を加えないといけない」と認めていました。
進行度とプレイヤーキャラのレベルの上がり方もバランスが取れているとは言えず、戦闘難度がちょっと高いという印象もバランスの悪さからきている部分もあります。 一度に出現する雑魚敵の数が非常に増えたものの、プレイヤーの序盤の殲滅力は低いせいで戦闘が大変です。 長年『Path of Exile』をプレイしていた他の参加者の方々も同様の発言をしていたので改善が必要でしょう。
今年6月のクローズドベータが中止に
そして、開発陣も現在のクオリティには満足しておらず、会場では6月に開催予定だったクローズドベータを中止するとロジャース氏が発表していました。
このままでは参加者に不満を抱かせてしまうと危惧をしたので、クローズドベータではなくクローズドアルファとしてごく少数のプレイヤーを招待してテストを実施することになります。 延期されたベータをいつ開催できるかは現時点では不明ながら、発売時期は遅らせないように努力しているともロジャース氏は語りました。
クローズドベータを楽しみにしていたファンの方々には残念なニュースですが、開発陣がちゃんと満足できていないものは世に出さないと姿勢を示したのは吉報と受け取りましょう。 なお、Game*Sparkはロジャース氏との単独インタビューもできましたので、その様子は別記事でお届けしますのでお楽しみに。
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『Path of Exile 2』は、PC/ macOS/ Xbox Series X|S/ PlayStation 5向けに現在開発中。 日本語の公式サイトも公開中です。
※UPDATE(2024/03/22 7:00):Warriorの説明の一部を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。