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『FINAL FANTASY VII REBIRTH(FF7 リバース)』でゴールドソーサーから旅に加わる謎のネコ型ロボット“ケット・シー”。その名前の由来から英語版ではスコットランド風のアクセントになっています。スコットランド訛りというと海賊がダミ声で喋っているイメージがあり、何を話してるか分からないと言われますが、そもそもスコットランドは「イングランド」ではないので、ゲール語やヴァイキングの影響を受けた独自のスコットランド語を持っています。発売前にケット・シーの発音が取り沙汰されたのもこのあたりの事情が関係していますが、それについてはまた改めて。
ケット・シーはスコットランド風と同時に慣用句を多用していて、英語版の会話では最も面白いキャラクターと言っていいでしょう。
Dialogue/Chapter 8:Cait Sith
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What do we have here?
A man with a rain cloud over his head!
So how about a reading to clear those somber skies?
Whether it be dark or bright, I’ll read your future right!
Just...dinnae go shooting' the messenger, eh?
お客さん、どうかされました?
雨雲に降られたよな顔ですな!
そんな憂鬱な空は占いで晴らしまへんか?
暗い未来か明るい未来か、ボクが占って差し上げます!
まさか、平和の使者は撃ちませんやろ?
まず、ここでの「We」はバレットに対する「You」がベースです。そこに自分を加えて「We」とすることで親身になる姿勢を表しています。会話の最初の"What do you have?”は、明らかに変わった様子、もしくは話したいことがありそうなときに「どうかした?」という感じで使う言葉です。
「Dinnae」はスコットランドらしさを出すのによく使われるもので、「Don't」とほぼ同じです。各単語の「No」「Not」を「Nae」に置き換え、「Couldnae」「Shouldnae」「Naebody」のように話します。特に“Ah dinnae ken”(I don't know)はスコットランドイジりのネタで、英米作品で見かけることもあるでしょう。
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I'm Cait Sith, fortune-teller extraordinarie!
ボクはケット・シー、凄腕の占い師でっせ!
発音で一悶着ありましたが、ケット・シーは自身のことをスコットランドに基づいて「ケッ(ト)セ」と言っていました。一方ユフィーの方は明確に「ケイト」と読んでおり、どちらがということではなさそうです。
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C'mon, pal. give us a smile!
So show us those parly whites.
ほらほらお兄さん、スマーイル!
何事も笑顔が一番やで!
“Pearly whites”、真珠のような白とは笑顔で見える歯のこと。“Shou us ~”は表情が硬い人に対してよく使われるフレーズです。
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Someone's got a bee in their bonnet!
なんや、ずいぶん思い詰めてはりますな?
「帽子の中に蜂がいる」、つまり何か目の前以外のことに気をとられている、ある考えに取りつかれてていることを表す慣用句です。
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Bullet:You tryin' to scam us?
Cait Sith:I wouldnae dream of such a thing! And to prove it, I'll foot the entire bill myself.
Foot bill:勘定を持つ
バレット:俺らを騙そうって魂胆か?
ケット・シー:そんなん夢にも思いませんて!証拠に、ここは全額ボクが持たしてもらいます。
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Things are looking up, so throw caution to the wind.
Put your trust in others, and a last-minute twist...may pleasantly surprise you.
Watch your belongings. Lucky color: black
Seek and you are sure to find. But alas, you shall forever lose... what you cherish most.
物事は順風、大胆になりましょう。周りを信用すると、土壇場で予想だにしない展開が?
失せ物注意。ラッキーカラー:黒
求めよ、さらば見つからん。しかし残念ながら、同時に失うでしょう…あなたの最も大切なものを。
クラウドはいまいちピンときていませんが、後のことを考えるとしっかり占っているようですね。“Seek and ~”は聖書にある有名な句、マタイによる福音書7章7節からの引用です。神羅が求める約束の地も旧約聖書に登場する概念なので、他と比べて強い印象を与えます。