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大人になったマックスに目覚めた新たな力…2つの世界を行き来するADV『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』プレイレポ

もし、もうひとつの人生があったら……。

連載・特集 プレイレポート
大人になったマックスに目覚めた新たな力…2つの世界を行き来するADV『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』プレイレポ
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『ライフイズストレンジ』から約8年、ついに続編となる『ライフイズストレンジ ダブルエクスポージャー』が発売されました。

時間を巻き戻す力を失ったマックスは、代わりに写真家として大成し、バーモント州にあるカレドン大学に客員教授として呼ばれています。そこでまたしても事件に遭遇し……?

美しいグラフィックと音楽、細かいキャラクター描写が素晴らしかったのですが、気になるところもいくつか見受けられました。クリアまで遊んだ感想を、重大なネタバレには配慮しつつお届けします!

●二重露光のように重なる2つの並行世界を行き来する冒険

本作の主人公は前作と引き続き、マックス・コールフィールド。内気なオタク女子高生だった彼女は、立派に成長し、大学で客員教授をしています。

天文学の道を進む大学院生のモーゼスや、詩人を志す大学院生のサフィといった友人らとともに穏やかに暮らす彼女ですが、心はまだあの頃のトラウマを引きずっていました。

(このトラウマというのは、初代『ライフイズストレンジ』のラストシーンでプレイヤーが選択した例の事件を指します。本作のゲーム開始時に、アルカディア・ベイとクロエのどちらを救ったかを入力するパートがあり、それによってゲーム内のセリフも変わってくるのです)。

そんなある日、サフィが銃撃されて死んでしまうという事件が起きてしまいました。またしても親しい人を亡くしたことで失意のどん底に落ちるマックスですが、とある能力を発現したことに気付きます。それは、サフィが生きている世界と今の世界を行き来する力でした。マックスはこの力を使い、サフィを殺した犯人を突き止めることを決意します。

ふたつの世界は光る裂け目に(PS5では)L1ボタンで触れることで行き来することができますが、特定のポイントにしか存在しません。また、常にR1ボタンを押すことで向こうの世界にある物体や人間たちの存在や声を薄っすらと感知することができます。

この能力を用いて、警察が非常線を引いている場所に忍び込んだり、怪しい人物の部屋を探ったりするのがゲームプレイの基本です。マックス、この年になっても人のプライバシーを覗き見しまくりです……。

事件が起こるまではただの同僚や上司であった人々に探りを入れていく過程で、この閑静な大学がひた隠しにしていたとある事件の真相を知っていくマックス……本作はミステリー仕立ての作りではありますが、そこまで頭を使う謎解きは存在しません。現在の目標に沿って歩いていけば、問題なく進めることができるでしょう。

そうして事件の手がかりを集めていくと、マックスは自分が関与していない超能力の介在を認知することとなります。真冬に咲く雑草に……もう一人の自分!? いったい何が起きているのか!?

●美しきカレドン大学と、ドラマを盛り立てる音楽

本作はバーモント州にある架空の大学、カレドン大学を舞台にしています。歴史あるレンガ作りの校舎は、広々とした庭園を見下ろしており、真ん中にはスケートができそうな巨大な池もあります(氷が薄いのでスケートは禁止されていますが、毎日ウェイウェイ言ってるような学部生がそんなことを聞くわけがありません)。

本作の美術はどれもこれも美しく、リアルな街を歩いている感覚に浸らせてくれます。行き来できるスポットはそこまで多くありませんが、どのマップも精緻に作られており、それぞれの人物の私室やオフィスは、持ち主の性格を表す私物がこれでもかと置かれています。

また、ゲームを彩る音楽も考え抜かれていて、物語が大きく動くシーンではボーカル曲が流れます。その都度、歌手と曲名のクレジットが表示されるので、あとでググって聴き直すのも簡単で良いですね!

●目立つバグや、粗のあるストーリー展開 その他の気になる点について

しかしながら、気になる点も多くありました。

まず目立ったのはバグです。セリフが再生されなかったり、ボタン表示が出ずにインタラクトできなかったり、存在するはずのないキャラクターが立っていたりと、バグの多さは目に余るものがありました。アップデートでの対応を待ちたいところです。

また、肝心のストーリー展開ですが、選択の重さが感じられた初代『ライフイズストレンジ』に比べると、本作はかなり一本道である印象を受けました

ミステリー要素が強くなったことで「誰が犯人なのか」と考えながら遊べたのは良かったのですが、“故郷か、友達か”を選ばせるドラマチックなストーリーを期待すると、肩透かしを食らうのは否めないでしょう。初代『ライフイズストレンジ』でモチーフとして登場した“青い蝶とバタフライエフェクト”のような、作り手側のSFマインドがあまり感じられなかったのも残念です。

とはいえ、大学生という不安定な時期を懸命に生きる学生たちや、それを支えようとしつつも、自分たちの事情にも振り回されてしまう先生たちという関係性は、充分に感じられる一作でした。誰にも悩みがあるんだ……という点は、今作においても描かれているので、本シリーズにそういった要素を求めているのであれば、ぜひチェックしてほしいですね。

『ライフイズストレンジ ダブルエクスポージャー』は、Steam/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中です。


《各務都心》

各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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