
京都は立命館大学の立命館大学ゲーム研究センター (Ritsumeikan Center for Game Studies)が、『国際日本ゲーム研究カンファレンス2013(International Conference on Japan Game Studies 2013)』を開催しました。大学関係者を中心に、『ゼビウス』の遠藤雅伸氏などクリエイターもまじえての講演が5月24日から26日までの3日間続けられました。その名の通り国際色があり、カナダの大学らと連携をとっており、次回以降は提携校での開催も予定されています。
最終日の26日でのテーマは、「日本国外でのビジュアルノベル事情」「日本のゲームオーディオの初期研究」「日本のインディーゲームの今後」(講演者氏)「日本における自主制作の課題と解決策」の4つ。プレゼンテーションの時間は短く、1テーマにつき20分程度でしたが、密度は低くありませんでした。

最大の違いは、「欧米人は即時的な結果を求め、日本人は長い対話を求める」点にあるとしました。

PSG→FM→PCM→Streamingの変化を例示しつつ紹介。
ゲーム内においてSEやBGMがどのような存在意義を持っていたか、など。

フラグメント化が進み、中心部が不明瞭になっていると指摘。
質疑応答では「オリジナリティが低くともクリエイティビティのある作品はありえる」と回答。

定量的なアプローチをとっていました。
二次創作マンガなどにくらべ、製作者間のコミュニケーションが少ないことを指摘。
非経済的報酬に動機づけられているがゆえに今後の課題となるとしました。
ラストセッションでは、RCGS吉田氏自ら、そもそも論として本カンファレンスの在り方がまず語られました。アカデミックディシプリンとしてのゲームスタディそのものが不明瞭であり、大学でゲームを研究する意義が不透明であること。さらに、学術的なゲーム研究は(少なくとも国内では)また始まったばかりで、形をもっていないことなどが指摘されました。
そして、さらなる前提論として「アカデミズムよりもクリエイターやファンの言説が強い」という、一見すれば当然であり、しかしながら産業一般としてはいささか歪な日本国内のゲーム潮流についても疑問が投げかけられました。この原因としては、研究者すらファンにとどまっている状態であることなどが挙げられています。
今後、他の学問領域との連携を強化し、「日本人のコンテンツを日本人がドメスティックに消費する」という構図の解消へ向けて、海外向けの情報発信を強化するとして締めくくられました。
