今回ご紹介するのはカナダのインディーデベロッパーLudeon StudiosがPC/Mac/Linux向けに開発中の『RimWorld』です。公式サイトの説明によれば、本作は海外ドラマシリーズ「ファイヤーフライ 宇宙大戦争」のSci-Fi西部劇な雰囲気にインスパイアされ、小説「デューン」やミニチュアゲーム「Warhammer 40,000」のような壮大なスケールを持ち、名作ゲーム『Dwarf Fortress』的なディープなシミュレーションを備えた作品との事です。
2013年に行われたKickstarterキャンペーンでは目標金額の20,000カナダドルを優に上回る、268,132カナダドル(バッカーは9,498人)を集め大成功を収めました。現在はバッカー向けにアルファテストが行われており、進化を続けています。本記事ではスクリーンショットを交えつつ『RimWorld』の様々な特徴お伝えしたいと思います。
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公式に日本語対応(一部未翻訳の部分もあります)
宇宙船の事故により脱出ポッドでとある惑星に不時着した3人の人間が、厳しい自然、原住民や宇宙海賊からの攻撃など、様々な脅威に耐えながら開拓を進め、最終的には宇宙船を建造し脱出を試みるという本作。中でも最も大きな特徴と言えるのが「AIストーリーテラー」です。
『Left 4 Dead』のAIディレクターをモデルにしたというこのシステムは、プレイヤーの状況を分析し、楽しいと思える展開になるように敵の襲撃やトレーダーの到着、嵐の到来といったイベントを引き起こします。現時点ではそれぞれ異なる性格を持った3人のストーリーテラーが存在しています。
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- カサンドラ クラシック
カサンドラは、緊張と挑戦のカーブが徐々に増加する、ストーリーイベントを作成します。
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- フェーベ ベースビルダー
フェーベは、あなたがリラックスして、自分の植民地を建設するのに十分な時間を与えます。しかし、注意してください - 高い難易度とスケールを襲ったならば、彼女は他の誰とも同じくらいひどく打ちます。
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- ランディ ランダム
ランディは、ルールは無用です。ランダムにイベントを生成し、ストーリーが大勝利で終わろうが、失意のどん底で終わろうが気にしません。それが彼の作ったドラマなのですから。
Ludeon Studiosはこの他にも、多人口、飢餓、季節的、気まぐれなど、コミュニティが考える様々なストーリーテラーの導入を検討しているとの事です。私はのんびりプレイしたかったのでフェーベを選択しました。
ゲームは惑星を生成するところからスタート。プレイヤーはシード値を入力して惑星を生成し、凍えるようなツンドラ、蒸し暑いジャングル、乾燥した砂漠など様々なバイオームが用意された広大な舞台の一部を選択し、脱出ポッドで着陸します。そこにはただただ広がる大地と散らばった僅かなアイテムがあるだけ。何をすればいいか戸惑うものの、通知システムが今何をすべきかを教えてくれるので安心です。また、教育システムがプレイヤーの状態を判別して操作方法などのヒントを適宜与えてくれます。
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いよいよコロニーの構築にとりかかりますが、まず各キャラクターのステータスを確認しておきましょう。『RimWorld』でプレイヤーが管理するキャラクターはプロの入植者ではありません。宇宙客船の事故から生還した生存者であるため、職業やスキルもバラバラです。それぞれの得意分野に合った作業を行うよう設定しておきます。
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スキルなどはゲーム開始前にランダムで設定可能
加えて健康管理も大切です。大きな怪我を負うとスキルに影響を与えますし、病気を放置しておくと死に至る場合もあります。しっかりと治療し、時には義肢や人工臓器の移植を行って貴重な人材を守らなければなりません。また精神面のケアも重要。ストレスに耐え切れず精神が壊れると、凶暴化して仲間を攻撃したりコロニーを出て行ってしまいます。
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至る所をナイフで切られて重傷
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精神が壊れて仲間を攻撃し始めてしまった!
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全滅……
衣食住が充実して安定してくると雷による火災、敵の襲撃、漏電による爆発、太陽フレア、日蝕など様々なイベントが発生します。前述のAIディレクターのおかげか、イベント発生のタイミングや対処の難しさはとても良い塩梅。定期的な刺激で長期プレイにも張り合いが出そうです。敵との戦闘は距離、スキル、角度、明るさといった要素が絡む武器アルゴリズムやカバーシステムなど、『Jagged Alliance 2』に似たシステムを採用しているので、この手のゲームにしては細かい戦術的な戦闘が楽しめます。
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原住民の襲撃
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敵対組織の襲撃
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機械化された何か……
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死屍累々
『RimWorld』には建築・栽培・作成・戦闘など色々な要素が詰まっていますが、本当の面白さはプレイヤー自身が物語を作り出すところにあると思います。各キャラクターにはランダムで生い立ち(幼年期、青年期の職業)や欠点、才能や性格が設定されるので、それらを把握しておくとイベントの展開はよりドラマチックに感じられるでしょう。
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マップの端で行き倒れていたLincolnは、Piの看病により回復。後に私達の仲間になりました
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Gizmo戦闘で脳を負傷し素早く動けなくなってしまいましたが、
社交スキルの高さによりトレーダーとの交渉役として活躍しています
アルファ段階ながら細部まで作りこまれている本作。ここから更に進化する可能性があるというのは非常に楽しみですね。アルファテストには公式サイトから本作を購入する事で参加可能。価格層は30ドルから200ドルまで用意されており、それぞれ幾つかの特典が付属します。
- Full Game Pack(30ドル)
・アルファ版への即時アクセス及び最終的な製品まですべての更新
・RimWorldの元になった、5つの初期ゲームデザインのプロトタイプパック - Name in Game Pack(40ドル)
・Full Game Packの特典
・購入者の名前がプレイヤーキャラクター、敵、旅行者、トレーダーの名前に使用される - Backstory in Game Pack(125ドル)
・Name in Game Packの特典
・バックストーリーやスキルを含む、ユニークキャラクターの設定を決められる - Pirate King Pack(200ドル)
・Backstory in Game Packの特典
・宇宙海賊のリーダーとなるキャラクターの設定を決められる
・そのキャラクターは重要な役割を果たし、プレイヤーキャラクターが交渉を行う際は宇宙海賊の代表として登場する
なお、本作は既にSteam Greenlightを通過しています。