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――まずは簡単に自己紹介をお願いできますか。
Jeff Skalski氏(以下Skalski): 『Assassin's Creed Syndicate』でシニアプロデューサーを担当しているJeff Skalskiです。
――女性の主人公といえば、過去に『Assassin's Creed 3 Lady Liberty(アサシン クリードIII レディ リバティ)』がありましたが、今作で再び女性アサシン「エヴィー」を採用した理由は?
Skalski: イギリスのこの時代の組織というのは、当然色々な側面を持っています。それらを描くにあたってジェイコブだけではなく、他のキャラクターの視点からも描きたかったというのがあります。また、アサシンクリードシリーズにおいては家族の絆というテーマも重要ですので、それぞれ違う考えを持った双子のプレイアブルキャラクターという設定にしたのです。
――gamescomでエヴィーのプレイアブルミッションがはじめて展示されましたが、改めて彼女のアサシンとしての特徴を教えてください。
Skalski: なんでもごり押しで突き進んでいくジェイコブと対照的に、エヴィーはとても周到で、綿密な計画の下にミッションを実行します。とはいえ、二人はお互いの弱点も理解していて、それを補い合ったりもします。ゲームプレイにおいても、それぞれ成長させられるスキルが一部異なり、アサシンの基本的な能力値のアップは同じですが、エヴィーはステルス関連のスキルに特化、ジェイコブは戦闘関連のスキルに秀でています。
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――エヴィーのプレイアブルパートは全体のどれくらいの比率になるのでしょうか。
Skalski: オープンワールド上に色々なクエストが用意されていて、ジェイコブとエヴィーそれぞれにストーリーラインが存在します。プレイヤーは、二人のキャラクターを切り替えることができるので、どれくらいのプレイ時間になるかはプレイヤー次第です。
――ジェイコブとエヴィー以外にもプレイアブルキャラクターは登場しますか。
Skalski: 一番最初のプレイアブルデモに登場したアサシンのヘンリーのように、深い関係を持ったキャラクターは登場しますが、主要なプレイアブルキャラクターはジェイコブとエヴィーだけです。
――ジェイコブとエヴィーはお互いをどう考えているのでしょうか? また二人の関係に変化は起こりますか?
Skalski: ジェイコブは、完璧主義者のエヴィーに対して「もっと力を抜けばいいのに」と思っていて、対するエヴィーは、考えるより先に手が出てしまうジェイコブに「もっと頭を使えばいいのに」と思っています。ところが、ロンドンの危機に立ち向かっていくうちに、二人はお互いの短所を受け入れ、理解を深め合って乗り越えていくことになります。
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――ところで、キャラクター同士の恋愛要素はありますか?
Skalski: それはゲームの主題ではありません。恋愛要素を散りばめようかなという考えはあるのですが、今のところはお話しできません。やはりメインで描かれるのは、まったく違う考えをもった双子の姉弟ジェイコブとエヴィーが力を合わせてテンプル騎士団に立ち向かう物語です。
――今作の舞台にロンドンの産業革命を選んだのはなぜでしょうか?
Skalski: シリーズごとに選ぶ舞台は、ファンの皆さんの意見を聞いて、どの時代が人気があるのかを考慮しています。今回チョイスしたロンドンの産業革命は、現代にも大きな影響を与えた時代です。前作『Unity』からおよそ80年ほどしか経過していないのに、まるで1000年経ったかのような変化の感じられる、激動の時代です。
――当時のロンドンの史実を基にした人物や事件は登場しますか。
Skalski: 舞台となる時代には、ダーウィンやチャールズ・ディケンズなど、歴史に大きな影響を与えた偉人が多数存在しました。そういったキャラクターに出会うことができるのは本作の魅力のひとつです。
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――蒸気機関車に乗れますか?
Skalski: もちろん乗れます。今作の最大の特徴として、馬車から蒸気船まで、さまざまな乗り物が利用できるのです。汽車は止まっている時でも走っている時でも乗れますし、車内に入ることも可能です。
――Shroudについて教えてください。
Skalski: Shroudは過去のシリーズでも見られた、エデンの宝物のひとつです。ジェイコブは基本的にShroudのことなど気にしていません。一方エヴィーは、Shroudの存在を気にかけていて、それが一体何なのかは分かっていないもののテンプル騎士団に持たせては危険だと考えています。ですのでその正体を探りつつ、テンプラーから奪い取ろうとしているのです。物語を進めていけば、Shroudがどんな力を持っているのか知ることができますよ。
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――スキルや能力の話題が出ましたが、キャラクターカスタマイズ要素ついて教えてください。
Skalski: まず、多彩な衣装の変更が可能です。武器もアップグレードできます。スキルは、アサシン共通のもの、ジェイコブとエヴィー固有のものが用意されています。
――今作ではマルチプレイ要素が撤廃されています。その理由や、それによってシングルプレイヤーにどのような恩恵があるのかを知りたいです。
Skalski: 今作では街のディテールやストーリーをかなり作りこんでいます。風呂敷を広げすぎて「ただの良いゲーム」になるのではなく、「最高のゲーム」を作りたかったのです。マルチプレイモードをなくすことでシングルプレイの内容を突き詰めて、ユーザーに最高のゲームを遊んでほしいという狙いがあります。
――本日はありがとうございました。
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『アサシン クリード シンジケート』はPS4/Xbox One向けに2015年11月12日国内発売予定。PC版の発売日は未定です。