アナは、キャラクターセッティングやリーディングなど全てを行い、最も愛着があるヒーローだと語る同氏。「アナのプレイ専門家ではありませんが、アナを作る専門家です」とアナをどれだけ愛しているかを先に語り、制作過程の解説へと進みました。
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ヒーローの開発をする時は、コンセプトアートを通じたアプローチ、企画を通じたアプローチ、ストーリーからのアプローチの3つのアプローチがあります。アメリカではデザインという単語が企画に置き換えられており、デザインという単語はコンセプトデザインやキャラクターデザインといった使われ方をします。コンセプトアートでのヒーローというものは、特徴のあるコンセプトアートに対して、キャラクターを作ります。良い例として、ウィンストン、メイ、ロードホッグがあります。ザリアも強い女性がコンセプトとしてありました。企画から登場したヒーローは、ファラ、バスティオン、ジャンクラットです。ジャンクラットはトールビョーンにカウンターできるキャラクターという企画から生まれています。ストーリーから生まれたヒーローは、ご存知の通りソルジャー76がいます。他にもトールビョーンやマーシー、リーパーといったヒーローも生まれています。
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では、アナはどういう存在なのでしょうか?アナは22番目のサポートヒーローで国籍はエジプト。年齢は60歳で、ファラの母親という設定があります。公式のローンチ後に初めて生まれたヒーローでもあります。初めはアルケミストのようなタイプのヒーローを考えていたそうですが、発展した結果が現在のアナになりました。
『オーバーウォッチ』のオリジナルメンバーであり、OBのメンバーであり、スナイパーライフルを使うヒーローです。最も重要な枠組みを形成するメンバーで、ストーリー、企画の両方から誕生したヒーローとも言われています。ローンチ当時はサポート型のヒーローが必要とされており、当時は3人のサポートヒーローが存在しました。
ゼニヤッタの場合は回復に特化したヒーローではなく、マーシーは1人を集中して回復するヒーロー、ルシオは範囲回復を使えるヒーローでしたが、遠距離で回復できるヒーローがいなかったため、アナがその役目を果たすことになりました。アナを開発した当時、全世界でヒットした映画「MAD MAX」からインスピレーションを受けている部分もあるといいます。
■大きな変更もあった開発過程
開発の過程は、ストーリー、コンセプトアート、ヒーローデザイン、既存のアセットでのテストを行い、ラフイメージ、テスト、そしてバランシングを行ってから、ディテールのアニメーションとセットアップを追求。初期のデザインを決めた後、実際のゲームに適用しました。
ストーリーは少しディテールを加えた程度のもので、コンセプトアートはビジュアルリファレンスを元に作成。ヒーローデザインは初期は回復量、ダメージ量ともに少なかったですが、どんどん変化していました。スコープを覗いている最中にジャンプができるかどうかなど、多くの話し合いと変更が加えられています。イメージはラフにモデリングをした後、基本的なテストとリギングテストを行います。絶えずテストをしてバランシングを繰り返し、OKが出ればディテールのアニメーションを追加します。
アナは前かがみでロングコートを着用していますが、コートが地面にめり込んでしまうという問題がありました。グラウンドプレーンと呼ばれるもので地面を認識される方法もありますが、『オーバーウォッチ』では使っていないため、アニメーションで処理をするにも非常に多くの処理が必要なため、エンジニアとアーティスト、テクニカルアーティスト、アニメーターでブランディングという技術を生み出しました。これも良いコミュニケーションの例だと思います。
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イ氏は、「オーバーウォッチは、皆さんご存知の通り、全世界から集まったヒーローの話です。世界各地からそれぞれのストーリーを持って、より良い未来のために戦うヒーローの話です。同様に、世界から集まった開発者がいなければ不可能だったプロジェクトです。世界からこのゲームを楽しむために集まった本当の英雄の皆さんがいなければ成り立たなかったと思います。新しいヒーローはいつも歓迎です。オーバーウォッチを通じて是非楽しい時間を過ごしてください」と情熱に満ちたコメントでセッションを締めくくりました。
取材協力: ネクソン