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日本を代表するRPGシリーズ『ファイナルファンタジー』。その30周年を記念し、なんと横浜市とコラボが決定。様々なイベントが行われる中、メインイベントとして、ファイナルファンタジーXIV プロジェクションマッピング映像作品『海洋都市ヨコハマ「龍神バハムート、襲来」』の上映が行われます。
予告編
この映像作品は、みなとみらいのシンボルの1つとも言える「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」を使ったプロジェクションマッピング。“古の時代より交易で栄えた偉大なる海洋都市ヨコハマ”を舞台に、龍神バハムートと光の戦士たちの戦いを描いたオリジナル作品となっており、高さ約140mのホテルの壁面に、縦約98m×横約80mの映像が投影されます。
今回は、そのリハーサル上映会がプレス向けに公開。一足早く、日本最大級のプロジェクションマッピングを堪能してきたので、その模様をレポートします。
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リハーサル上映会は、『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏の挨拶からスタート。「横浜でプロジェクションマッピングを行え、ゲーム制作者としても、いちゲームファンとしても嬉しく思っている」との言葉から始まり、本企画の経緯を語ります。
実は2年ほど前から動いてたというこの企画。世界的なタイトルへと成長した『FF』シリーズでプロジェクションマッピングを行うなら、日本最大級で!との想いから、場所選びには非常に苦労したようです。そのような中、みなとみらいならできるのではないかと、関係各所と何度も打ち合わせを繰り返し、ようやく実現したとのこと。吉田氏は、この時点では実際に投影された映像はまだ観ていないようで、期待を顕にしていました。
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吉田氏の挨拶の後、アイドルの小池美由さんが登場。神奈川県出身の小池さんは、『FFXIV』の生放送番組「ファイナルファンタジー14チャンネル」への出演をきっかけにゲームをスタート。その後どんどん腕を上げ、時には1日に22時間プレイをしていまうほどに『FFXIV』にハマっていったとのこと。吉田氏もその成長っぷりに「MMOの難しいイメージを払拭するように、まっすぐ楽しんで突き進んでいてもらえた。その姿をきっかけに『FFXIV』を始めてくれた人もたくさんいる」と語っていました。
次に「吉田氏へのお願い」はあるかと聞かれると、小池さんは「今回のコラボのように、現実世界とのコラボをもっともっと増やしてほしい!」と熱弁。これを受けた吉田氏は「今から90mのプロジェクションマッピングをやるんだよ!?」とツッコミつつも、「好評いただけたら“日本最大級”といえるようなものを企画したい」と語りました。
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トークはコラボの舞台としてなぜ横浜が選ばれたのか、という話題に。挨拶の際にも述べたように、プロジェクションマッピングの場所選びに苦労していた中、横浜市が「できるかも」と声を上げてくれたという理由の他にも、スクウェア・エニックスの前身・株式会社スクウェア発祥の地が横浜であるということもあるようです。さらに「ビデオゲームというものに非常に深い理解を示してくれた」という理由も大きかったとのことです。
また、本映像の作成にあたり、実際に『FFXIV』で使用しているハイクオリティなモデルをすべて映像制作チームに渡し、モーションキャプチャーもこの映像のために新規に行ったそうです。さらに脚本も全て書き下ろし、映像制作には半年以上の歳月が費やされていると、吉田氏は明かしました。
トークの終了後はついにプロジェクションマッピングの上映。吉田氏と小池さんも見守る中、「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」をスクリーンに迫力のプロジェクションマッピングが上映されました。
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歴代『FF』のイメージとともに、15秒前からカウントスタート
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ホテルの壁面に現れる『FFXIV』ロゴとマザークリスタル
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光の戦士達
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でぶチョコボで埋まるコミカルなシーンも
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襲来したバハムートと、立ち向かう光の戦士
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無事にバハムートを退け、おなじみのファンファーレが鳴り響く
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ラストは先日『FFXIV』内で撮影されたエンディング映像でフィニッシュ
上映を終え、小池さんは「すごかったです!本当にバハムートがいるみたい!」と興奮冷めやらぬ様子で感想を語っていました。一方、吉田氏は「無事流れてよかった。何よりホッとしています」と、長期に渡り制作に携わってきたスタッフらしい感想を漏らしていました。
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ファイナルファンタジーXIV プロジェクションマッピング映像作品『海洋都市ヨコハマ「龍神バハムート、襲来」』は6月10日・11日の2日間に渡り実施。上映は1日5回(19:20/19:50/20:20/20:50/21:20)です。観覧ポイント等はこちらにて確認可能です。みなとみらいのどこからでも見えるほどに巨大なプロジェクションマッピングは、かなりのド迫力です。この機会に足を運んではいかがでしょうか。
なお、「FF30周年×横浜市」コラボでは他にも多数のイベントが行われます。詳細は下記公式サイトをご確認ください
■「FF30周年×横浜」特設サイト
http://www.finalfantasy.jp/30th/yokohama/
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リハーサル上映の終了後、今回の「FF30周年」コラボに携わった、横浜市文化観光局・貝田泰史氏にお話を伺うことができました。
――今回は取材に応じていただきありがとうございます。まず、簡単な自己紹介をお願いできますか。
貝田泰史氏(以下、貝田氏):横浜市文化観光局・横浜プロモーション担当課長の貝田です。横浜の新しい魅力づくりや、その魅力を世界に向けてプロモーションするなど、横浜のブランディングを担当しています。
――今回のプロジェクションマッピング、ご覧になられたと思いますが、率直な感想を教えてください。
貝田氏:世界のスクウェア・エニックスさんということで、クオリティが抜群に高く、『FF』シリーズファンでなくても楽しめる作品になっていたのではないかと思いました。また、みなとみらいの夜景の中でこのようなプロジェクションマッピングが上映されるというのは、とても感慨深いです。
――コラボのお話はどちらから提案されたのでしょうか。
貝田氏:みなとみらい全体のエリアマネジメントをしている「一般社団法人みなとみらい21」を経由して、スクウェア・エニックスさんから声をかけていただきました。「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」などでのコラボイベント実施にあたって、市のバックアップがないとなかなか…ということでご相談いただいた形です。
――コラボ実施にあたって、約2年前から企画が動いていたとのことですが、苦労した部分はありましたか。
貝田氏:プロジェクションマッピング以外にも、「人形の家」の企画展や崎陽軒さんとのコラボなど多数の企画があるので、調整が大変というのはありました。でも、結果的にみなとみらい全体に拡げていただいたので、とてもうれしく思っています。
――ちなみに、『FF』シリーズのプレイ経験はありますか。
貝田氏:実はプレイしたことがないんです(笑)。スクウェア・エニックスさんで言うと、『ドラクエ』は少しやっていたのですが…。その分「自分のため」ではなく「横浜のため」に、スクウェア・エニックスさんのやりたいことを冷静に解釈しコーディネートできたのではないかと思っています。
――今回のコラボ企画で、貝田さんが個人的にオススメしたい企画はありますか。
貝田氏:やはりプロジェクションマッピングはここでしか見られない特別なものなのでイチオシにはなりますが、「人形の家」企画展も、横浜の味・崎陽軒のコラボ弁当もぜひ味わっていただきたいです!というか全部見ていただきたい!
――わかりました!今日はありがとうございました。
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