気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Project Moon開発、PC向けに4月9日正式リリースされたモンスター管理シム『Lobotomy Corporation | Monster Management Simulation』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、様々な種類のモンスターたちを管理するローグライクシミュレーション。プレイヤーはモンスターを収容し管理するロボトミー社の管理人となり、職員に指令を出しながらその結果を観察。モンスターが生み出すエネルギーを回収し、会社の発展を目指します。本作は日本語にも対応済みです。
『Lobotomy Corporation』は2,570円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。
JiHoon Kim氏(以下Kim氏):こんにちは。Project Moonでディレクターを務めているJiHoon Kimと申します。Project Moonは2016年11月に設立されたゲームスタジオです。私たちの目標は、ゲームを通して世界をよりよくしていくことで、そのテーマは「人間賛歌」です。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Kim氏:本作の開発は2015年1月に始まりました。大学生でサークルに入っていた時、友達と一緒に開発チームを作ったのです。私がSCP財団(注:自然法則に反したものの保護・研究を行う秘密組織…詳細はググってください)にハマっていた時、SCP財団がモンスターを管理するようなゲームをプレイしてみたいと思ったのです。
しかしどれだけ探してみても、私がプレイしたいと思うようなモンスターを管理するゲームは見つかりませんでした。他にも多くの人がプレイしてみたいと思うだろうと思い、自らそのようなゲームの開発を開始したのです。
当初は4人で開発をスタートしましたが、次第にチームも大きくなり、最終的には10人体制で開発を行いました。
――本作の特徴を教えてください。
Kim氏:一番の特徴は、モンスターを管理するということでしょう。そしてその過程の中でエージェントとモンスターの間にある、死と抑圧が本作の特徴ですね。ゲームデザインとしては、多くのことが次々と起こるようになっています。その混沌とした状況を解決していくことで、面白くなるようになっています。
ストーリーも工夫が凝らしてあり、会社の秘密であるAngelaの謎に迫るだけでなく、メインキャラクターたちの過去にも焦点が当たっています。キャラクターたちにはセフィロトの樹に関するメッセージ性も取り込まれていますし、ゲームの中にこのような要素を詰め込むことで、世界への影響を見ていきたいと思っています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Kim氏:『Lobotomy Corporation』はSCP財団と映画「キャビン」に影響を受けています。しかし独特な世界観を作り出したいと思い、それだけに捉われないように気を使いました。SCP財団の特性を保ちながら、私たちの持つ独創性を可能な限り織り交ぜていったのです。
細かい部分は、様々なものから影響を受けています。ゲームだけでなく、小説では「1984年」「すばらしい新世界」。映画では「ミスト」「クローバーフィールド」。アニメでは「エヴァンゲリオン」「攻殻機動隊」「人狼 JIN-ROH」の影響を受けています。そしてこれらの要素を、どのようにして自分たちのやり方で突き詰めていくかたくさん考えました。私たちは、たとえ多くのものに影響を受けていたとしても、私たちにしか作れないゲームを作ろうと思ったのです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Kim氏:まず、本作の翻訳をしてくれた方々にお礼を言わせてください。彼らのおかげで、多くの日本人の方に遊んでいただけるようになりました。ありがとうございました!
『Lobotomy Corporation』は私たちのデビュー作です。欠点も多くありますが、楽しんでいただけているということに感謝しています。
子供の頃から、欧米のゲームと日本のゲームをプレイしてきました。特に「エヴァンゲリオン」「攻殻機動隊」「魔法少女まどか☆マギカ」『真・女神転生』『Fate』『デレステ』と言った日本のアニメやゲームを楽しんできました。それゆえ、日本のゲーマーの皆さんが、私たちのゲームを楽しんでいただけるということは私たちにとって意味があることなのです。
もしチャンスがあれば、将来東京ゲームショウやコミケと言ったイベントにも是非参加したいと思っています。
たくさんの作品によって描かれる、Project Moonの今後の展開にもぜひご期待ください。
あと、次の作品はコンソール向けにリリース予定です。ありがとうございました。
――ありがとうございました。
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