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季節はめぐり春、夏、秋、冬。季節の数だけ景色がある。そして景色の数だけ、ギャルゲーもまた存在するのだ。ギャルゲーの主役といえばなんと言っても多種多様なヒロイン達……。この連載はギャルゲーのヒロインを百人攻略するという妄念に取り憑かれた男の飽くなき挑戦の記録である。
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さてさて、約一ヶ月間に渡って我々を楽しませてくれた『恋愛講座 Real Age』編は今回で最終回となる。攻略ヒロインは上記画像の彼女「深沢美希」だ。彼女はジャケット絵にもなっていて、ムービーや説明書の登場順でも一番最初になっているので、今風に言えば「メインヒロイン」というやつだろうか。トゥルーエンドみたいな概念がないギャルゲーなのであんまり「メイン」って感じもしないけれど、まあなにはともあれ最後に攻略するヒロインとしては相応しい……って思ったんだけど、結論から言えば最初にやっといたほうがよかった。
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物語はいつもどおり謎の友人キャラとの会話から始まる。今回は、彼に合コンに誘われるという導入だ。彼のバックグラウンドや彼との関係性について語られることは最後までなかった。いったい誰だったんだろう。ちなみにこのゲームにはもうひとり男性の友人キャラがいるのだが、そいつとキャラが分かれてる必要もよくわからない。友人キャラ、一人でよくないか?まあいいんだけども、友達は多いに越したことがないから……。
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ってなわけで合コンに来たのであった。「ほら、紹介すんぞ。友達の文章」って、友達が書いた文章を指さして言ってる感じがしていいよね。オレの名前がいけないんですが……。
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合コンで話を聞いていくと、美希にはどうやら彼氏がいるようであった。前回の「辻堂江梨花」も彼氏持ちだったが、今回はメインヒロインなので、やはりこのゲームはかなり攻めている、ということがわかる。
普段ギャルゲーとかをやるタイプのオタクだと彼氏持ちのヒロインには抵抗がある人が多いだろうし、このゲームで描かれるようなイケイケの男性はそもそもギャルゲーなどやらないので、どの層を対象にしているのかがよくわからない……んだけど、だからこそ新鮮で面白い(余談になるが、個人的観測では「元カレがいる」ぐらいの設定を持つヒロインはこの時代のギャルゲーにはけっこういたりするので、「ヒロインは基本的には純潔」的な価値観がここまで支配的になったのは実は結構最近のことだと思う)(もちろん最近のゲームでも純潔主義的でないものはあるけどあくまで私感としてね)(たくさんカッコがあると読みづらいよね)(わかる)。
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合コンでわりと打ち解けることに成功し、彼女を送って帰ることになった。合コンを主催するのってスクールカーストめっちゃ高そうな行いだけど、美希からはそういうキャラクターにありがちないじめっ子気質的なところは全く感じられず、ド直球にいい娘である。女性の友人も多いっぽいので、男性に対してだけ外面が良いっていう感じでもないっぽい。推定が二連続する文章をお届けしました。
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てなわけで、その後、友達随行で遊ぶようになった私と美希は順調に親睦を深めていく。やはりメインヒロインということもあってか選択肢の難易度が低く、「そりゃないだろ」という選択を避けているだけでストーリーがガンガン進行するので、ものすごいスムーズだ。会話内容もよく言えばとてもスタンダード(悪く言えば退屈)なので、他のヒロインに比べて「撮れ高」が少なく序盤はマジで不安になった。
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その後、彼女の友人が(おそらく)気を利かせて二人きりにさせる、というドキドキ展開で、美希が恋愛について疑問を抱いていること、今の彼氏としっくりいってないことを告げられる。しっくりいってるカップルから彼女を奪ったら別のジャンルのゲームになっちゃうもんね。ちなみに前回の「江梨花編」とは違い、美希の彼氏は立ち絵も用意されておらず、完全に「話の中だけの存在」である。架空の存在なのでは、という邪推すら成り立ってしまうほどに存在が薄い。シュレーディンガーの今カレだ。
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そんな、あぶり出しをあぶり出さないで読もうとしたときぐらいの薄さの彼氏なので、別れも極めてあっさりしていた。遊園地デートの帰りに告げられたので、前の男のアウトロと次の男のイントロをちょっと被らせるタイプの女なのだと言える。って書くとなんか卑劣な感じするけど、オレも背後ローディングで実現されるシームレスなオープンワールドゲームとか好きだし?
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彼氏と別れたことをいいことに、結構積極的にアプローチしてくるようになる彼女。願ったり叶ったりなのだが話がうまく行き過ぎていて、そもそも元彼氏の実在も怪しいのだから、担がれているような気がしてならない。
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……まあ、もちろんなにか騙されているというような展開にはならず、トントン拍子に次のデートで恋人同士になる二人。このあたり前回に引き続きなかなかの「あれよあれよ」感でなんだかボンヤリしてしまった。彼氏の存在どうこうじゃなく、話がそもそも薄い。実際の恋愛ってそうかもしれんな……。
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付き合い始めてからのイチャイチャも結構激しめで、画像は映画館で上映中にキスをせがまれるシーンである。みんなは映画の上映中は私語を慎み、イチャイチャするのはやめましょうね!
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その後もしばらくイチャラブ状態を楽しんでいた私であったが、当然話はそう簡単にはいかない。ある日突然呼び出されたので出向いてみると、なんと美希の親友・りさが留学してしまうと言うのだ。幼いころからの親友との唐突な別れに、思いのほか動揺してしまう美希。
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動揺の理由は寂しさだけではなかった。美希は、自分の夢を追いかけ留学する親友の姿に、劣等感を感じてしまったのであった。何も将来のプランがなく生きてきたということが、急に不安になったのだろう。大人になる途中の思春期ならいかにもぶつかりそうな問題だ。っていうかオレはただぼんやり生きていたらいつのまにかギャルゲーの感想を書く仕事をしていたので、こういう問題にぶち当たっておくべきだったのかもしれない、いや、楽しんでいます!イエーイ!
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親友の留学によって自分の人生を見つめ直す機会を得た美希は、自分も何か具体的な目標を持とうとする。いいことですね。オレもひとまずはギャルゲーのヒロインを百人攻略するっていう目標を持ってるから、わかるよ!イエーイ!
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美希は幼い頃から抱いていた密かな憧れが「雑貨屋になること」だと打ち明ける。これを打ち明けるまでに「現実的な夢じゃないから……」「笑わないで聞いてくれる……?」とかすごい前フリをするもんだからどんなに非現実的な夢が明かされるのだろうとワクワクしたが、雑貨屋って……。店員になるってだけならほぼ確実に実現しそうなんだけれども……。
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その後、急に家に来たがる美希→なにやら意味深な暗転→下の名前呼び捨てにかわっているという非常に示唆的なくだりがあり、
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裸Yシャツと思われるサービスショットを披露してくれる美希。メインヒロインなので優遇されているのか、他のヒロインよりイベント絵が多めで普通に嬉しい。
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ここで前回好評だった(捏造)クイズコーナーです。彼女はなぜ美希という名前なのでしょうか。読者のみんなには簡単すぎるかな?答えはこの下だ!
……
……
……
……
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だろうよ。
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さて、場面は変わって(ゲーム内の)書く彦の実家近くにある雑貨屋を訪れた二人。雰囲気のよい雑貨類にすっかり心を奪われる美希。なぜか立ち絵が用意されている雑貨屋店主もあいまって、心が汚れている私は、「寝取られ展開か!?!?」と一瞬盛り上がった。いや、でも、この雑貨屋店主は、かなりの寝取りフェイスだよね!?しかしここから物語は寝取られではない方向に急展開を見せる。
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すっかりその雑貨屋の常連になった二人だったが、あるとき店を訪れると、そこに店の姿はなく、ただの岩壁みたいになっていた。雑貨屋、住宅街の中っぽかったけど、こんな火サスみたいな場所に建っていたのか……。
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雑貨屋の店主と再会すると、抽象的な理由を述べ、雑貨屋を続けることを諦めたのだという旨を教えてもらえる。いや、だからって建物ごと破壊する理由はないだろ。
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自分の夢であった雑貨屋をなにやら抽象的な理由でリタイアし、建物まで破壊する極端な大人と出会ったことで、すっかり悟ってしまいやる気を無くしてしまった美希なのであった。いや……あの店主がとんでもない変わり者なだけだと思うんだけど……。
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美希はすっかりやさぐれて画像のような状態になってしまった。現実を目にして闇堕ちしているこのような状態を、オレは「オルステッド状態」と名付けましたので皆さん使ってあげてください。オルステッドとは深刻度が全然違うけど……(オルステッドを知らん方はググってください)。
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書く彦のこともすっかり拒絶するようになり、連絡がつかなくなってしまった美希。風の噂では留学しただの結婚しただの、トンデモ情報が飛び込んでくる。夢を求められるプレッシャーで激おこしてたのに留学するのっておかしくないスか!?
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結婚はガセ、すでに留学したというのもガセで、結局真実は「これから留学する」でした。ある日留守電に別れのメッセージが入っていることに気づく書く彦。「まあ夢が見つかったならそれはそれで美希にとってはよかったのでは」という気がしなくもないが、展開的にしょうがないので空港まで追っかけることにする。
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空港で再会したのち再度別れることになる書く彦と美希。突如話が二転三転しだしたので面食らったが、正直撮れ高としては安心した側面もありました。前半部が本当に普通だったので……。これくらい突飛な話のほうが集中力も持続するので良い。このまま○○年後みたいになるのかな……などと思っていたら……。
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美希は留学を急遽取りやめ、日本に残ることにしました。いいのかこれで……?まあ可愛い彼女と仲直りできたしいいか。いいんだ。夢とか、そういう話は無かったんだ。
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そしてエピローグ。数年後彼女は雑貨屋を経営してましたとさ、めでたしめでたし。いや、たしかに、夢を、実現しては、いるんだけども、じゃあ、なんで、ロスに……?あまりのわからなさに読点が多くなってしまった。『恋愛講座 Real Age』最後のヒロインなのになんとも言えない後味で、前半部のスタンダードさといい、「最初に選ぶべきメインヒロインだなあ」と強く感じた。世の中には「最初に選ぶべきメインヒロイン」と「最後に選ぶべきメインヒロイン」がいるのだ。
ともあれ『恋愛講座 Real Age』編はこれにて終了だ、最後の最後まで飽きさせない非常に優秀なゲームだった。あとちなみにディスク2は特典っていうか画像集みたいなヤツでした!正直初っ端で取り扱うようなゲームじゃなかったっていうか次のゲームがこれを超えるようなインパクトを残すのは難しそうなので、あんまり期待せずに、でもほのかな希望を抱えて、次回以降もお付き合いください……!「ギャルゲー百人百景」、残り九十六人のヒロインが私達を待っている!
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