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「中華ゲーム見聞録」第36回目は、台湾のデベロッパーが放つ、台北・西門町を舞台にしたアニメ調アクションRPG『Dusk Diver 酉閃町』をお届けします。
本作はJFI GAMES(競鋒国際)とJERA(JERA遊戯工作室)によって、3月26日にSteamで早期アクセス版が配信されました。JFI GAMESは社員200人規模の台湾のゲーム会社で、JERAはその開発チームです。また本作では台湾のロックバンド「Go Go Rise」が楽曲の提供や、無料コスチュームDLC「GOGORISE PACK」でコラボしています。
ゲームの舞台となる「西門町」ですが、アパレルや飲食店など様々な店が軒を連ねるショッピング街で、日本でいうところの渋谷や新宿のような場所です。観光地としても有名で、連日多くの観光客で賑わっています。筆者の住んでいる祖父の家から地下鉄で数駅なので、よく散歩に行ったりしています。日本から来た制服姿の修学旅行生たちもたまに見かけますね。
本作の内容ですが、3DアクションバトルのRPGです。タイトルの「酉閃町」は、「西門町」の裏世界の名前とのこと。現実世界である西門町と、敵(厄禍)の襲い来る酉閃町を行き来しながらゲームを進めていくといった内容のようです。ゲーム内での西門町はいったいどんな場所なのか。さっそくプレイしていきましょう。
開幕からクライマックス!
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ゲームをスタートすると、いきなりクライマックスのような状況から始まります。このユモという少女が主人公のようですね。シーサーの置物のようなマスコットキャラはリーオウ。2人(?)がどういう関係なのか、いったいここがどこなのかなどは一切不明です。
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多数の敵がいきなり襲い掛かってきました。操作説明もないので、適当にボタンを押しながら撃退していきます。Xboxパッドだと、Xボタンが弱攻撃、Yボタンが強攻撃、Aボタンがジャンプと、一般的な3Dアクションゲームの操作ですね。
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RBを押すとカットインが入り、必殺パンチで広範囲の敵を吹き飛ばします。画面にはユモの体力ゲージがないため、死ぬことは(恐らく)ないでしょう。いろいろアクションを試してみることができます。
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Xボタンを押すと、どこからともなく白いスーツ姿のおっさんが登場。周りの敵を攻撃してくれますが、いったい誰なのかよくわかりません。召喚獣的な何かでしょうか。
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延々と増え続ける敵。いくら戦ってもキリがないといった状況です。やがて周りを囲まれ、画面が暗転します。ここからストーリーが過去へと戻ります。
思ったより再現度の高い西門町
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地下鉄駅の階段を上がっていくユモ。台北市内の移動は地下鉄(「捷運」と言います)がよく使われます。西門町には地下鉄駅があるのでアクセスの良い場所です。筆者がよく利用するのは6番出口で、本作でもその階段を上がっています。すごい地元感のあるゲームです。
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ムービーが流れ、6番出口を出たところから見えるカラオケボックス「パーティワールド」のビルが登場。なかなか雰囲気が出ていますね。ちなみに、下の画像は筆者が去年に撮影したものです。目立つ位置にあるので、よく巨大広告が貼り出されています。この時期は『レッド・デッド・リデンプション2』が流行ってました。
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6番出口を出たユモ。ユシャという友人と待ち合わせしているようです。開幕の時とは髪の色が違いますね。ちなみに音声は、オプションから日本語・中国語を切り替えることができます。
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それから人物紹介の一枚絵が登場。フルネームは「ヤン・ユモ」です。「THE・平凡」らしいですが、服装はそこまで平凡ではないかと。
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ユシャが待ち合わせ場所と違うところで待っているので、そこへ向かいます。この周辺の様子なども、現実の西門町がよく再現されています。しばらく探索したかったのですが、ユシャに会わなければならないので、行動範囲に制限がありました。
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ユシャを見つけました。のんびりとしたキャラで、フルネームは「リウ・ユシャ」。マイペースでドジっ子だそうです。ユシャの案内で、これから一緒にスイーツを食べに行きます。ユシャの後を追いかけましょう。
「西門町」が「酉閃町」に!
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すごい勢いで走り出したユシャを追いかけるユモ。左手前方に見える「1973」と書いてある飲食店も、実際の西門町にあります(「継光香香鶏」という唐揚げ店です)。ユモはそれをスルーし、細い通りに入っていきました(この通りも実在します)。
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細い通りの先は行き止まりになっていました。工事中のようです。それにしても急に周囲が暗くなり、様子がおかしくなってきていますね。いったん引き返しましょう。
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地下鉄の6番出口に戻ると、人の姿がどこにも見当たりません。そして道路のあちこちが封鎖されています。どうやら異世界か何かに迷い込んでしまったようです。駅の名前も「西門町」から「酉閃町」に変わっていました。
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突然、魔物が登場!ユシャは襲われ、気を失ってしまいます。助けに向かおうとしたユモも攻撃を食らい、地面に倒れてしまいました。
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絶体絶命のピンチに突如現れた謎のおっさん。開幕で一緒に戦っていたおっさんですね。名前が「リーオウ」とありますが、シーサーの置物みたいなマスコットキャラと同じ名前です。怖い顔に似合わず回復系のようで、ユモを治癒してくれました。
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するとユモに力が流れ込んできて、開幕のときの姿に変身。一方で、リーオウがなぜかマスコットキャラに。どうやら回復呪文(?)を使ったことで、リーオウの力がユモに移ってしまったようです。そこへ敵の来襲。リーオウは力を失ったので、代わりにユモが戦います。
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ここで初めて戦闘チュートリアルが入ります。戦闘では周囲に赤い壁が発生し、敵を殲滅しなければ出られないようになっています。
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戦闘終了後、ここが西門町の別世界・酉閃町であることをリーオウから告げられます。「俺についてこい」と言われ、ユモは気を失っているユシャを連れていったんこの世界から抜け出します。
コンビニでバイト
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現実世界に戻ったユモたち。リーオウが案内したのは西門町のコンビニです。そこにはしゃべるクマの置物「クマ店長」がいました。リーオウの上司で、しかも女性のようです。西門町の土地神で、訳あってクマの置物の姿なのだとか。ユシャの怪我を見てくれましたが、大したことがなかったようです。よかった。
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ユモが酉閃町へ迷い込んでしまったのは、「封印の碑石」が破壊されたのが原因とのこと。クマ店長はユモにペンダントを渡します。それを付けると、ユモとリーオウは元の姿に戻ることができました。ただし外すとまた先ほどの姿に戻ってしまいます。
クマ店長はペンダントを50万元で譲ると言います。しかしユモにそんな大金はありません。そこで、リーオウを元に戻す方法が見つかるまで、厄禍退治に協力することに。ついでにコンビニのバイトまでやらなければならなくなりました。お金にがめつい店長です。
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翌日、コンビニへ向かうユモ。行動範囲が広くなったので、コンビニへ行く前にあちこち探索してみました。広場にある柱など、実際の西門町の柱がよく再現されています。
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コンビニ到着。制服に着替えた後、普通に棚の整理などの仕事をやらされます。厄禍退治はどうなったのでしょうか。なんかいいように利用されている気が……。ちなみに本作のセーブはコンビニ内で行えます。
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それとコンビニの着替え室では、それぞれのキャラクターのコスチュームを変更することができます。無料DLCの「Go Go Rise」のコラボ衣装もここで変更可能です。今回はデフォルト衣装のままにします。
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コンビニのバイトが終わった後、厄禍退治へ向かうユモ。リーオウの力を得た彼女は、酉閃町に通じる空間の裂け目を見ることができるようになりました。ただ、生身の体で通るのは危険なので、「竜脈石のカケラ」という保護アイテムが必要とのこと。今回は特別サービスでクマ店長からもらえましたが、次回以降は自分で探さなければなりません。カケラは西門町や酉閃町に散らばっています。
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ここからクエストクリア型の戦闘でゲームを進めていきます。本編以外にも、クマ店長から与えられるクエストもあります。またパズル要素のあるステージも。ユモとリーオウは元に戻ることができるのか。そして西門町の運命は……。この後のストーリーは、あなた自身の目で確かめてみてください。
西門町へ行ったことのある人もない人も!
本作の特徴は何といっても、台北の名所である西門町が再現されていることです。西門町を歩き回っているだけでも結構楽しいですね。知っている店があるとちょっと嬉しくなります。またゲーム自体も遊びやすく、日本語字幕だけでなく日本語音声まであるのは良いですね。
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ゲームを進めると、各キャラの能力を上げる育成要素も入ってきます。これ以外にも新たなスキルを獲得して変身したりなど、アクションRPGとしてしっかり作られています。またニンテンドースイッチでも配信予定なので、アクションRPG好きな方、台湾に興味のある方は、ぜひとも本作をプレイしてみてください。
『Dusk Diver 酉閃町』
開発・販売:JFI GAMES、JERA
対象OS:Windows
通常価格:2,800円
サポート言語:日本語、中国語(繁体字)、英語
Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/911220/Dusk_Diver/
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、繁体字を日本の漢字に置き換えています。
■筆者紹介:渡辺仙州
主に中国ものを書いている作家。母は台湾人。人生の大半を中国と台湾で過ごしています。シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を細々と運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら。