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「東京ゲームショウ2019」会場内のコナミブースにおいて、CHORUS WOLDWIDEが出展するアドベンチャーゲーム『ヘッドライナー:ノヴィニュース』が試遊展示されていました。Steamでは昨年から英語版が配信されている本作ですが、12月にPS4/Nintendo Switch向けに日本語版が発売されるとのこと。それに先駆け試遊ブースではSwitch版を試遊できたため、プレイレポートをお届けします。
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舞台は架空の国・ノヴィスタン。ここでは出産前の胎児の遺伝子改良が一般的である一方で、政府が自国優先主義を強硬に貫く保守的な国家でもある。そうした環境の中でプレイヤーは新聞「ノヴィニュース」の編集長(ヘッドライナー)に抜擢され、毎日どの記事を紙面に掲載するかの判断を任されることになります。
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プレイヤーは名前、容姿、口調を決めることができます。今回は「Romeko Ido」としてプレイしましょう。編集長という責任重大なポストですが、ノヴィニュースの売上が伸びるよう精一杯がんばります。
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まずは一日目のお仕事。海外特派員のエヴィが執筆した記事に目を通してみます。どうやらノヴィスタンの閉鎖的な外交を批判する記事のようですね。ノヴィスタン人でない海外特派員の彼女らしい記事です。面白そうなので採用しましょう。その他、新しい遺伝子薬の開発に賛同する記事や、移民による殺人事件を報道する記事、合成アルコール飲料「ベターバッズ」の宣伝記事も採用します。
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提出されたすべての記事に採用か却下のハンコを押せば一日の業務は終了。マンションへと帰宅します。帰路にはプレイヤーの兄・ジャスティンの姿が。彼は売れないコメディアンで、今日は道端でストリートパフォーマンスをしているようです。話しかけると「胃の調子が悪い」とのこと。プレイヤーはここで商店へ行って胃薬を買いに行くか、無視して真っ直ぐ家に帰るかを選択できます。本作はこうした会話や行動よって展開が分岐し、その後のストーリーに影響を及ぼしていくようです。実の兄のため、ここは素直に薬を買ってあげましょう。
家へ帰りベッドで眠ると日付が進行。初日と同じように2日目、3日目と記事の掲載と却下を決定していきます。ボス曰く、会社として一貫した主張を持つことが売上を伸ばすために必要とのこと。民衆はメディアに対して、問題について自分たちで考える機会ではなく、事実はどうあれハッキリとした「正解」を提示することを求めているようですね。
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ということで、新しい遺伝子薬について肯定的な記事があったので初日と同じく採用。さらに、再び移民による殺人事件が起こったことを伝える記事や、ベターバッズを称賛する記事も掲載。ノヴィニュースは安全安心な合成酒ベターバッズを応援しています。
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仕事を終え街へ出ると、新聞のおかげなのかベターバッズが流行の兆しを見せています。また、殺人事件の影響か心なしか監視カメラの数も増えたような気が……と思いながら歩いていると、道端の野良犬が自分に懐いてしまいました。せっかくなので拾っていきましょう。
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主人公と同じように犬の名前、性別、特徴を自由に決めることができます。明日はもーっと良い紙面になるよ。ね、eimu太郎!
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ベターバッズに肯定的な記事を掲載し続けたおかげで、新たにドリンコープ社がノヴィニュースのスポンサーに付いてくれそうな流れに。
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であれば当然マイナスな記事を載せるわけには行かないので、ベターバッズに懐疑的な記事は却下します。ついでに遺伝子病に警鐘を鳴らす記事も却下。我が国でそんな病気が流行るはずありません。移民による凶行が相次ぐ今、必要なのは防犯設備のさらなる強化。ということで監視カメラの設置に賛成する記事を採用しこの日の仕事は終了。
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翌日からは仕事が若干複雑化。意見の対立する2つの記事の内、1つだけを選んで採用するパターンが登場。首相の保守的な外交姿勢を称賛するか、懐疑的に見るか……難しいのでここは政治思想を一旦置いて、可愛らしいエヴィちゃんが書いた首相に懐疑的な記事を採用します。
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こういうことができてしまうのが編集長の特権です。グローバリズムが叫ばれるこの時代に、他国への強硬な姿勢はあまり良くないですよねエヴィちゃん。
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また、デスクには謎のメモが。何かの忠告でしょうか……まあ気にしても仕方ありません。ノヴィニュースの編集長として、己の正義と信念に基づき、事実として扱いたいニュースを掲載するだけです。
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愛犬の待つ自宅へ戻ろうとすると、隣のビルに何やら不穏な雰囲気が。なんと6人の集団がビルの屋上から飛び降り自殺をしてしまいました。
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いったい何が原因なのか……ノヴィニュースでも報道しようとしましたが、一方ではベターバッズが、もう一方では隣国の遺伝子改良技術が原因との記事が。ベターバッズを悪く書くわけにもいかず、かと言って昨日の記事で首相の外交姿勢を批判した手前、対立する隣国を悪者にするのも都合が良くない。
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結局どちらの記事も不採用で、ノヴィニュースでは自殺について一切触れないという選択をしました。見なかったことにすれば、それは起こらなかったのと同じことです。まあ、何か不安があるならベターバッズでも飲んで忘れてしまいましょう。
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翌日、自宅の前には見知らぬ男が。口ぶりからすると政府の関係者のようです。首相に批判的な記事の多いノヴィニュースに釘を刺しに来たのでしょうか。
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うーん釘を刺されちゃ仕方がない。エヴィちゃんには涙を呑んでもらって、ここは首相の外交姿勢に賛同しておきましょう。やっぱりこの国に必要なのは浅ましい他国の連中に屈しない強いリーダーですよ。
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さて、編集長の職に就いてからというもの、街はすっかり変わった気がします。そこかしこに監視カメラが設置され、道端ではベターバッズの中毒者たちが嘔吐を繰り返し、看板にはナショナリズムを煽る文言が並んでいます。いったいこれからこの国はどうなっていくのか……というところで試遊は終了しました。
紹介し切れないほど多くの選択肢や分岐がある本作。やはり試遊だけではとても遊びきれないほどのボリュームがあるようです。新聞の編集長となり、自身の裁量ひとつで世論を動かせてしまうというのは、このゲームならでは不思議な体験でした。
筆者は前作「ヘッドライナー」もプレイしていますが、このゲームの大本にある「メディアによって世論を操作する」という楽しさは前作から引き続き健在でした。本作ではそれに加え、会話の選択肢が大幅に増えたことで更に複雑にストーリーが分岐し、何度でもプレイしたくなるよう進化したように感じました。
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またキャラクターのビジュアル面も、前作のタッチから正統派でリアルな等身のものに変更されたことで、会話の選択やそのキャラの行く末について、より感情移入したくなるものになったと思いました。
無数の分岐で何度でも遊べるメディア体験型ADV『ヘッドライナー:ノヴィニュース』は英語版がSteamにて配信中。日本語版はPS4/Nintendo Switch向けに12月12日発売予定です。