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『Alan Wake』シリーズなどで知られるRemedy Entertainmentの新作SFアクションアドベンチャー『CONTROL』。この度、12月12日より販売開始される国内PS4版の序盤(「学閥クラブ」ミッションの途中まで)をプレイする機会を得られたため、本記事ではそのプレイレポートをお届けします。
『CONTROL』の始まりは……「SCP」感漂う舞台設定
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『CONTROL』ストーリーは主人公の「ジェシー・フェイデン」が「Federal Bureau of Control(連坊捜査局)」なる組織のヘッドクォーターである「オールデスト・ハウス」に進み入るところからスタート。プレイヤーは彼女を三人称視点で操作し、画面に表示されるミッションをクリアすることで物語を進行していきます。
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ストーリーは最序盤から難解というか、物語におけるそもそもの背景事情が説明されないため、頻繁に行われるジェシーの一人語りや特定の会話だけでは、何が起こっているのかほぼ把握できません。その代わり、本作の舞台となる「オールデスト・ハウス」には各所に資料やビデオログが収集物として配置されています。これらを集めてメニューから閲覧すると、間接的に物語の基本的な背景や固有名詞の意味を窺えます。
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そしてこのストーリー(というより背景設定)なのですが、超常的なオブジェクトを扱う組織の物語……いわゆる「SCP」ものの影響が強く、いかにも「それっぽい」用語や演出、シチュエーションが多々見られます。具体的に言えば、文書の一部が黒塗りだったり、キーアイテムとなる「パワーオブジェクト」が見かけはただの電話やフロッピーディスクだったりと、ピンと来る人なら思わずニヤリとしてしまうアプローチが随所に……。
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これらの情報やフォトリアルながら無機質かつ幾何学的な視覚演出も相まって、(少なくとも筆者がプレイした序盤は)「SFホラー」らしい雰囲気がむんむんと漂った作品となっています。そのためか、資料を集めるためのちょっとした寄り道が楽しく、筆者は何か収集物を手に入れるたび閲覧していました。
超能力が超楽しい……ダイナミックな戦闘にも注目
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そうして情報を集めつつマップを移動していると、時に本作メインの敵となる「ヒス」に遭遇することも。本作序盤における戦闘は概ね彼らが敵となるため、サービスウェポンや近接攻撃、超能力を駆使して戦うことになります。
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ちなみに本作の戦闘は「油断したり、下手に力押しの戦い方をしようとすると簡単に死ぬ」程度の難易度。基本的にヒスは集団で攻撃してくるため、しゃがみを駆使して遮蔽物を使用しつつ銃撃戦を繰り広げる必要があるのですが、いわゆる回復アイテム(ヘルス要素)が敵を倒すことでしか手に入らないため、ゴリ押しは厳禁。多少であれば無理も効きますが、その場合は次の戦闘までダメージを引きずることになります。
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しかし、これを補うのが超能力の数々。「投擲」ではテレキネシスのように周囲の物体や瓦礫を投げつけることでダメージを与え、「シールド」では瓦礫の盾を作って防御力を上げ、「緊急回避」では相手の攻撃を容易にかわせる……というように、本作における超能力は、ヒスたちを倒すうえで非常に重要な位置づけになっています。特に投擲はエイムが楽なうえ、相手のバリアを剥がし、さらに雑魚であれば体力の6~8割程度のダメージまで与えられるため、非常に便利です。
ただし、これらの超能力は「エネルギー」ゲージを消耗するため、過度な使用は厳禁。一度このゲージを切らしてしまうとしばらく全ての超能力が使えなくなってしまうので、タイミングを見極めて使う必要があります。
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超能力を駆使した戦闘はかなりダイナミック。マップ上のあらゆるものを念力で放り投げ、敵の攻撃を「シールド」で遮り……という一連の流れはかなりテンションが上がります。筆者はつい使いすぎてしまい、しょっちゅうゲームオーバーになっていました。今回のプレイで獲得・使用できなかったものの、この他にも「洗脳」や「空中浮遊」などの超能力が存在しており、移動や戦闘に活用できるそうです。
そうして戦闘や探索、パズルめいた謎解きを乗り越えてミッションをクリアしたり、ボスを倒したりすると、時に本作のチェックポイントに相当する「コントロールポイント」に辿り着くことがあります。この「コントロールポイント」は浄化すると衣装の交換や「コントロールポイント」間のファストトラベルが可能になるほか、「能力の強化」「アストラルビルディング」「指令:ボード」などの機能が使用できるようになります。
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ちなみに本作ではゲームオーバー時の復活は「最後にインタラクトしたコントロールポイント」からになるため、できれば頻繁にアクセスし、拠点として確保しておきたいところ。本作にはサイドミッションも複数存在するため、「寄り道」のためにもインタラクトは欠かさないようにしておきましょう。
演出・翻訳・字幕…気になるローカライズや細部の出来は?
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待望の日本語版ということで、プラットフォームを問わず各種ローカライズの出来は気になるところ。あくまで調整段階のものをプレイした感想ですが、今回プレイしたPS4版『CONTROL』のローカライズ(日本語字幕)は、不自然な部分やフォントへの違和感などが少ない、丁寧な仕上がりと感じられました。
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ローカライズ以外の面で言うと、明度のデフォルト設定が若干低めなところが気になりました。明るさは設定から変更できるためプレイには大きな問題ありませんが、モニター側の設定を暗めにしている方は留意しておいてもいいかもしれません。
海外ドラマのようなストーリーや超能力を自在に操る戦闘を堪能できる『CONTROL』の日本語PS4版は、2019年12月12日に発売予定。価格は通常版(パッケージ/ダウンロード)が6,800 円、ダウンロード専売のデラックスエディションが8,800円(どちらも税抜)です。デラックスエディションに付属する特典や割引に関する情報などは公式サイトからご確認ください。