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今回は2020年4月17日にByterunners Game StudioよりPC(Steam)向けにリリースされた『Drug Dealer Simulator』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Drug Dealer Simulator』とは
本作は、名前の通り「ドラッグディーラー」となるシミュレーター。薬を仕入れ、街の人々から注文を受け、適切に配達することでお金とリスペクトを稼いでいきます。
はじめは木っ端な売人ですが、お金や名声を稼いでいけば扱える商品や自分の縄張りも増えるほか、子分をつけたりもできます。既存の商品をブレンドした「オリジナル商品」を作り出して街で流行らせることも可能な自由度の高い作品です。
『Drug Dealer Simulator』の実内容に迫る!
街の流通を牛耳っている顔役の「エディー」に主人公が呼び出されるところから、物語はスタート。バックパックを背負い、棚を調べて鍵をゲットさせることで最低限のゲーム操作を教えているところはなかなか親切です。街の広場でエディーと会い、少しの会話の後に主人公は商売のためのテストを行うことになります。
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指定された場所の小さな窓を調べて「覚醒剤」と「大麻」をゲットし、自分の家のコンピューターへ。インターネット裏サイト「shady Comm」ではディーラーとクライアントが直接やり取りしている様子。エディーいわく「完璧に安全なサイトだよ。21世紀だぜ?」ということだったので、まあ安全なのでしょう。
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「警察にバレそうになったら全部消えるのさ」とも言ってたエディー。本当に大丈夫?
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自分のポケットとバックパック、どちらにも入れられます。
自分宛てに届いていた所持数量通りのオーダーをした3件のお客様に返信し、直接会って届けることで最初のミッションは終了。これ、数も客もぴったりってことはミスしたら殺されるテストだな(作中で失敗することありません)。「商品」をさばいて帰宅すると、エディーからのメールが届いていました。今後は必要な薬は自分のところにオーダーしてほしいとのことで、ここからいよいよ主人公の自由なディーラー人生が開始されます。
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売買やクエストクリアで経験値を獲得し、レベルが上がればスキルを伸ばしていけます。追加ポケットを獲得する「POCKET」、足が早くなる「RUNNERS」などのほか、警察のチェックでヤバいものが見つかりづらくなる「ILLUSIONIST」などさまざまなスキルがあります。個人的には配達や逃亡に有利な「RUNNERS」「STAMINA」上げが好きですが、プレイスタイルによっていろいろと試していいと思います。
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商売の基本! 「仕入れ」「販売」「宣伝」
商売の基本は「仕入れ→販売→仕入れ……」です。そこに商品の適切な「値付け」や客の需要を高めるための「宣伝」などを行うことで、商売が成立していきます。たとえそれが自分の扱っているような「商品」でも、その基本は変わることがありません。パソコンにはクライアントから一日に何件も注文メールが届きます。こちらの在庫があれば即座に対応可能ですが、足りなければ「仕入れ」をしなければなりません。
「仕入れ」はエディーから注文可能で、しばらくすると街のどこかに隠しておいたというメールが届くので、回収して完了させます。あまり長い間放置しておくと他の人間に盗まれてしまうため注意してください。最初は発注できる量が少ないのですが、売上金からしっかりお金を払うことでエディーからの信頼を得られ、発注上限が上がっていきます。
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仕入れた「商品」は10グラム単位の大きいパッケージなので、「2グラムほしい」などの客の注文に合わせた分量に分けなければなりません。そこで使用するのが「ワークステーション」という設備。トレイやビンなど商品ごとに適切なアイテムを使用してパッケージするほか、オリジナル商品を作り出すことも可能なスグレモノです。
ここで砂糖などの“混ぜもの”をすることで利益を大きくできるのですが、クライアントの信頼を失うと取引停止になる可能性もあるため、バランスを考えることが必要です。
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客からの注文に合わせたパッケージを製作したら、あとは配達するだけです。せっかく街に出るのなら、ワークステーションで作っておいた少量のサンプルを配布して「宣伝」をしておくことがおすすめです。リスペクトを得られるだけでなく、新しい顧客を増やす結果にも繋がります。レベルが上がることで「エクスタシー」「メス」「コカイン」などの有名ドラッグが解放されていき、商売の幅が広がっていくのも楽しいですね。
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結構な確率で顧客になってくれます。
ところで、この街には「商品」を持っているだけで怒ってくる相手がいるので注意が必要。そう、警察です。
商売には妨害がつきもの! 警察との付き合い方!
この街ではつい最近大きな事件が起こったらしく、現在では多くのルートが封鎖されている状態です。通りを巡回している警官も多く、彼らと目が合えば手荷物検査をされてしまいます。もちろん、その際に「商品」を持っていた場合は即座に逮捕。逮捕されるとアイテムとお金がすべて没収されるため、状況によってはゲームが詰みかねません。
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危ない状況で見つかったときには逃げるのが一番確実です。もちろん逃げた場合は警察とのチェイスになるのですが、飛び越えられる壁や高所を利用して振り切ったり、自分のアジトへ逃げ込めれば「逃亡中」となり、一定時間で警戒が解かれます。
どうしても逃げ切れないと判断した場合はBボタン長押しで「バックパックを投げる」ことができるので、塀の向こうなどにバックパックを隠せば、最低限の罰金をくらうだけで済ませられます。もちろんバックパックは後で回収しましょう。
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逃げ切っても捕まってもリスクのゲージが上がって警戒が高まるため、なるべく見つからないことが理想です。さいわい彼らが近くにいるときは無線の音が流れるため、プレイヤーとしてもある程度の警戒できます。また、この街では午後9時から午前7時まで「POLICE HOURS」と呼ばれる外出禁止期間が設けられています。この時間は外出してるところを見つかっただけでも罰金をくらうのですが、反面リスペクトなどの報酬が追加されるボーナスタイムでもあるので上手く利用してください。
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貯めろ、お金とリスペクト! やれることは増えていく
地区ごとのリスペクトを増やしていくと新たな販売エリアが解放されるほか、封鎖されていたゲートを通れるようになります。ちなみにゲートには警察がいるため、新たな地域で商売するためには何かしらの方法を考えなければなりません。また、「エディー」から新しい物件を購入するための不動産業者を紹介してもらえるようになります。
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物件は生産拠点や倉庫、セーブポイントとして利用できるほか、待機時間の進みを早くするベッドなどの設置もできます。また、購入した地域のリスペクトボーナスなどの効果もあり、もちろん警察に追われた際の逃げ場としても有用です。ただし、物件は現金で購入できず、貯金から支払う必要があります。最初は最低限の物件購入用のお金がもらえるのですが、2件目以降は自力で稼がねばなりません。
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夜は長いゲームなので待機で時間を飛ばせる家具はありがたい。
預金は街中にあるATMを利用できるのですが、「商売」で手に入れたお金をそのまま貯金すると「不法なお金のやり取り」として警戒レベルが上がってしまいます。安全のためにもエディーが紹介してくれる「資金洗浄」のプロに依頼する必要があるのですが、40%の手数料を取られます。それでもリスクを上げないために依頼せざるを得ないのが悩みどころです。
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最初はコツコツと営んでいた商売も、この時期になるとディーラー志望の子分が現れるなど急激にやるべきことが増えてきます。今回のプレイではそこまで辿り着きませんでしたが、ストアページによると地元のギャングとの大口取引や自らの組織の結成など、プレイの幅はまだまだ広がっていくようです。
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ここまで紹介してきた『Drug Dealer Simulator』ですが、とにかく地道なゲームだという印象を受けます。扱っている題材はなかなか危険なものですが、ミッションをこなして世界を広げていく感覚はいわゆるオープンワールドのクライムアクションの基本と言えるシステムで、多くのゲーマーにとって馴染みやすいものでしょう。
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スプレークエストは近くに缶が落ちてるのでそれを拾いましょう。
その上で、オリジナル商品を作成して街に広めていく「支配感」は自由度の高さとイリーガル感をたっぷり味わえる最高の要素です。資金洗浄などの障害も、足を引っ張らない程度に世界観を楽しくするシステムとして仕上げられています。
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アンフェタミンとメスと砂糖のミックスドラッグです。
最初の数時間はとにかく地味なゲームです。「注文を受けて仕入れて警察から隠れながら売りさばく」の繰り返し以外、ほとんどやれることはありません。しかし、地味ながら飽きさせない工夫を感じられますし、ちょうどいいタイミングでプレイの幅が広がっていくので、かなり計算されているように思えます。遊んでいてバグに遭遇することがなかったのも好印象ですね。
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同時に「新しい地区は検問あるけどどうやって商売道具を運ぶ?」というクエストも発生。
少し特殊な題材のため、遊ぶ人は選ぶかもしれません。それでも少しイリーガルな世界観の人間としてじっくり遊べるオープンワールドを楽しみたい人にはオススメの一作です!
タイトル:Drug Dealer Simulator
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年4月17日
記事執筆時の著者プレイ時間:7時間
価格:2,050円