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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2020年5月15日にProjectMoonよりPC(Steam)向けにリリースされた『Library Of Ruina』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Library Of Ruina』とは
本作は、自然法則に反した存在・物品・場所を取り扱う架空の組織「SCP財団」の世界観に影響を大きく受けた管理シミュレーション『Lobotomy Corporation』の続編にあたります。前作の結末から物語は続き、今作『Library Of Ruina』では図書館を舞台に、主人公のローランや、前作から引き続き登場する館長のアンジェラ、そのほか個性豊かな登場人物達との本をめぐる物語が描かれます。
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早期アクセスにて配信されている本作は現在、3つのチャプターと14のメインエピソード、15のサブエピソードが実装されています。ストーリーは連載形式でのアップデートがされる形で、2020年12月に正式リリース予定です。
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『Library Of Ruina』の実内容に迫る!
ド底辺のフィクサーとして都市で生活していた主人公ローラン。そんなある日、彼が気が付くと謎の図書館におり、目の前にはアンジェラと名乗る謎の女性が……。この図書館は招待された人物しか入ることはできない上、まだ誰も招待されていなかったにも関わらず、ローランは何故か迷い込んでしまったとのこと。その後、色々(四肢を切られたり)とありましたが、最終的には図書館の館長であるアンジェラのもと、助手として働くことに。
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助手となった主人公が任された仕事は、招待されたゲストの接待(物理)です。招待されたゲストの相手をし、試練を克服したゲストには求めていた本が現れ、敗れたゲストは命と引き換えに本となります。どうやらアンジェラは、ゲストを本にし図書館を満たしていくことで、たったひとつの、ある本にたどり着くことが目的のようです。
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そして、ここで本作のオープニング映像が流れます。主題歌「String Theocracy」を担当するのは、リズムゲームCytusやDeemo等で有名な日本の音楽グループ「Mili」。美麗な映像と、世界観がマッチした曲に勝手にテンションが上がります。
オープニングが終わると、さっそく初めてのゲストを招待します。招待の仕方は、招待状を発送したいゲストを選び、招待するために必要な本を選択します。必要となる本はゲスト毎に異なっており、該当の本がないと招待することができませんが、ゲストの接待後には様々な本を入手することができます。
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はじめての招待状を送ると、今回のゲストである、裏路地を縄張りとするゴロツキ、通称「ネズミ」の三人組のシーンが流れます。このように招待状を送ると、訪問してくるゲストの話を垣間見ることができます。人々の生活と都市の闇の部分を同時に垣間見ることができる都市の日常はどれも殺伐としており、世界観に引き込まれます。
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そして、ひょんなことから招待状を手にし訪問してきたネズミの、ローランによる初接待がはじまります。
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ダイスが肝心!ターン制バトル
戦闘の前には、相手の編成や本のページ(デッキのカード)を確認することができます。初期状態で使用できるキャラはローラン一人のみですが、ストーリーが進むにつれ接待で使える司書は増えてくるため相手によってパーティを変えることも可能です。
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開幕ボタンを押し接待画面に移ると、各キャラクターと頭上の速度ダイスが表示されており、まずはダイスを振ることになります。速度ダイスを振って出た目はキャラクターの行動と移動速度に影響します。ダイスの目が大きいキャラクターから行動に移り、マッチまたは一方攻撃を行います。また、速度ダイスの値がゲストより高ければ攻撃対象を変更できるので、攻撃されたくない司書がいるときにも役立ちます。
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行動の結果もまた、ダイスで決まります。マッチ時に自分のダイスが相手より高ければ攻撃または防御成功となります。ダイスの種類は大きく分けて攻撃と守備の2種類。攻撃ダイスは斬撃、貫通、打撃属性となっており守備ダイスは、防御、回避に分かれています。また、各キャラクターには属性に対しての耐性を有しており、0.25倍から2倍までの5段階があります。最高倍率の2倍ダメージを上手く突ければ低コストのページでも高いダメージを出せることがあるため属性相性は非常に重要でしょう。
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また、守備ダイスの防御はマッチの結果に関係なく出目の分だけダメージを軽減し、回避はマッチ勝利時にダメージを完全に無視することでき、回避に失敗するか相手の攻撃が終わるまで継続します。しかし、マッチに敗北した場合はダメージをそのまま受けてしまうのでその点は防御との兼ね合いが難しいところです。
戦闘を進めているとゲストや司書の感情も高まってきます。感情ゲージはマッチでの勝敗や戦況の有利不利それぞれの状況で増加し、感情が高まるほど接待後の報酬や経験値に影響します。
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また、感情レベルが上昇すると次のターンで幻想体(アブノーマリティ)を選択することができます。幻想体にはプラスの効果をもたらす覚醒ページとペナルティ付きの強力な効果を付与する崩壊ページがあります。劣勢時でも幻想体の効果により戦況がかわることもしばしば……。
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ここまで淡々と説明してきましたが、本作のバトルシステムは理解するまでに筆者はなかなかの時間を要しました。
チュートリアルこそ非常に細かく実装されていますが、本作特有の言い換えや専門用語、文章のところどころの文字抜けバグなどもあり、一通り理解するまでに2,3時間ほどかかりました。また、上記の説明以外にも細かい要素や戦略もあるため初見ではかなりの複雑さに思えることでしょう。しかし、一度覚え慣れてしまえば奥深いシステムと戦略性で、ページの組み合わせにも工夫を凝らせて、非常に楽しめる作りです。
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カスタマイズ要素と図書館の成長
接待が無事終了すると、報酬としてゲストの本を手に入れることができます。本はゲストの招待の他、図書館の階層の成長にも使用可能なほか、本を燃やすことによって階のレベルが上がります。また、本を燃やすと司書に装着できるコアページと、接待で使用できるバトルページが入手できます。
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ただし、本から入手できるページはランダム。ページにはレア度も存在しており、下から普及、高級、限定、芸術と分かれています。今回はアーリーアクセスで開放できる5つ目の階層までプレイしましたが、最高レア度の芸術ページは一枚も出ませんでした。運が悪いのか単純に排出されない本なのか……。
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入手したコアページは司書に装着することでステータスに影響します。体力や耐性、パッシブスキル等が変化し、さらにコアページの成長にあわせ、各ステータスの上昇も増えていきます。コアページのレベルは接待によって上げるか、他のページを与える事によって成長。コアページを変えることによってそれぞれの司書の見た目も変化します。その他、ユニークキャラ以外の司書であれば髪のパーツや色、表情、名前なども変更できるので、自分好みのキャラクターを作ることもできます。
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個性豊かなキャラクターと陰鬱な物語
本作はターン制ダイスバトルが特徴ですが、筆者はそのストーリー展開に引き込まれました。招待状により垣間見える、どこか不気味で暗雲立ち込める都市の日常。その日暮らしがやっとなネズミや裏路地の連中。名声を上げるために必死なフィクサー。協会やL社の存在。
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ストーリーが進行するにつれ目覚める各階層の司書達はどれも魅力に溢れており、司書達とのサブストーリーも必見です。
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しかし、前作をプレイしておらず本作が初めての場合はところどころ理解できない点もあると思うので、ストーリーやキャラクター同士の掛け合いを完全に理解したい方は前作からプレイすることを推奨します。
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前作で好評だった経営系のゲームシステムとはがらっと変わった本作。魅力的な世界観はそのままに、濃厚なストーリーや戦略性のあるターン制バトルは一本のゲームとしても、前作をプレイした方だけでなく今作が初めてな方にもおすすめできる作品に仕上がっています。
初めてプレイした方はもれなく前作『Lobotomy Corporation』をプレイしたくてたまらなくなるはずです。アンジェラがたった一つの本を求めたように、本作に何かを求め興味を持った方に「どうかあなたの本が見つかりますように。」
タイトル:Library Of Ruina
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年5月15日
記事執筆時の著者プレイ時間:8時間
価格:2,570円